東レの「水のろ過と地球環境を考える」

 東レでは、子どもたちに理科への関心を持ってもらうため、CSR(企業の社会的責任)活動の一環として出前授業「水のろ過と地球環境を考える」を行っている。2007年度に開始し、これまでに25の小学校で開催した。
 この出前授業は、小学5年生向けの「物の溶け方」、および6年生の「生物と環境」の発展授業として実施されており、学校では手に入らない先端材料(中空糸膜)を教材として使用する。また、子どもたちと常に接している教員と、専門的な内容に精通する同社社員の講師が、互いの専門性を活かして共同で授業をするのも特徴だ。
 授業では、まず、ろ紙を使って色水をろ過するが、無色透明にはならないことを実験で確認する。そこで、ろ紙よりも隙間の小さい中空糸膜で色水を吸い上げ無色透明になることを確認し、その理由を考える。
 次に、食塩水で同様の実験を行うが、食塩は取り除けないため、なぜできないのかを考えた後、さらに隙間の小さいRO(逆浸透)膜を紹介する。そして、これらの先端材料が、実際の社会や地球環境問題の解決に役立っていることを子どもたちに知ってもらう、という流れだ。
 出前授業を活用した教員は、「理科の知識にとどまらず、自分たちの生活・社会においても視野を広げることができた」と感想を寄せている。
 東レは、「子どもの素朴な疑問に丁寧に答えるよう心掛け、理科への関心がさらに高まるよう具体的な事例をたくさん見せる工夫をしている。また、出前授業を行うことは、当社にも大変刺激になり勉強になる」と話す。
 小学校5年生を対象に始めたが、要望に応じて中学校にも教材を提供するなど内容の改善や充実を図っている。
『経済広報』(2011年9月号)
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