カシオ計算機の「命の授業」

 カシオ計算機は、子どもたちに、命の大切さや生きる価値について気付いてもらい、さらに、命を尊重する姿勢を育んでもらうため、また、将来のリーダーとしての「自律・自立」や「社会変革への意識」を高めてもらうことを目的に「命の授業」を実施している。2006年7月から開始し、これまでに延べ190回、約1万6000人の子どもたち、教職員、PTAや地域住民らが参加した。
 プログラムは三部構成で、「三つの学び(絆・創造・心の成長)」「命との触れ合い」「今、世界で起きていること」から成る。まず、対話を通じて、子どもたちに命の大切さに気付いてもらう。次に、器材を用いて心音を聞いたりすることで命と触れ合い、感性で命を感じてもらう。最後に、世界で起きている様々な問題について対話しながら、「命、平和、貧困、地球環境とは」など、気付きと行動を醸成する場をつくっている。
 参加した子どもたちからは「自分が今ここに生きていることは奇跡だと思う。どんな小さな命でも生きているのに変わりはないから大事にしようと思った」「授業を受けて命の大切さが分かりました。命を大切にして生きていきたいです」といった感想が寄せられている。
 カシオ計算機は、こうした取り組みについて文部科学省主催のESD(持続可能な開発のための教育)関連シンポジウムで講演しているが、「命の授業にマニュアルはなく、子どもたちの感性を心のアンテナで感知し、授業で子どもたちから教えてもらった思いを肉付けしたりして、命の授業が常に進化しているから講演させてもらっていると理解している。また、語り手が一人の人間として丸ごと思いや言葉を投げ掛ける場にもなっている」と話している。

『経済広報』(2013年7月号)
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