本田技研工業の「環境わごん」

 本田技研工業は、次世代を担う子どもたちに、自然の素材を使った工作を通じて、環境保全の大切さと、モノづくりの楽しさを体験してもらうことを目的として、2000年から出前授業「環境わごん」を実施している。同社のOBやOGの協力を得て、埼玉など全国5カ所の事業所周辺で実施しており、年間約250回、延べ約1万3000人の小学生が参加している。
 「環境わごん」では、海・山・川といった自然のフィールドをテーマに、4つのプログラムを展開しており、構成はそれぞれのプログラムにおいて、趣旨説明、体験・実施、振り返りの3段階が基本だ。
 プログラムのひとつである「森の夢工房」は、木材や木の実で作品をつくる授業。子どもたちは初めに、森の役割や大切さについて紙芝居による説明を受ける。次に、カナヅチやペンチなど道具の正しい使い方を聞いた後、自分で素材を選び作品づくりを体験。最後に、作品発表会を開き、作業の中で考えたことや、こだわった点などを皆で共有する。
 プログラムでは、スタッフをニックネームで呼んでもらうようにして親しみやすい雰囲気づくりをしたり、自ら考えたことを発表してもらうなど、子どもたちの自主性を引き出すような工夫をしている。
 参加した子どもからは、「森や林、川などは自然にとって大切なものだと改めて思った。自然と環境を大切に守っていきたいと思う」といった感想が寄せられている。また、同社は「子どもたちの喜ぶ顔や先生からの感謝の言葉がありがたい。これらの活動について、グループ全体で取り組んでいけるような仕組みづくりや、新たなプログラムも検討したい」と話している。
 情報化社会の中、自然にあるモノを実際に目で見て触れる機会が減ってきている。この出前授業の体験により、自然を思い感じる心、モノづくりの楽しさ、地域社会との関わりを、子どもたちは学ぶことができるのではないだろうか。 
『経済広報』(2012年2月号)
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