JSRの「理科の出前授業」


 JSRは、化学メーカーとしての本業を活かしながら、近年社会問題となっている子どもたちの理科離れの解決に貢献するために、2007年から出前授業を行っている。工場のある三重県四日市市と茨城県神栖市の教育委員会と連携し、教員や教育委員会と議論を重ね、教育現場の実情に合ったプログラムを作成した。これまでに延べ13校、約1500人の小・中学生が参加している。
 中学生向けプログラムは「化学って、分子くんが働いているんだよ。だからおもしろい☆」というタイトルだ。分子の結合の仕方の違いで多様な性質の材料ができること、また、それらがいろいろな製品となり身近なところに使われていることを伝える。 授業では初めに、「分子くん」コマーシャルで物質が分子でできていることを伝える。その後3つの実験を行う。1つ目の「水系ポリマーゲルの演示実験」では、2種類の液体を混ぜると固体になる化学変化を、2つ目の「スーパーボールの演示実験」では、よく弾むゴムと弾まないゴムを比べ、位置エネルギーが運動エネルギーへ変化する様子を体験。最後の割れるプラスチックと割れないプラスチックを比べる「プラスチックの実験」では、プラスチック片に運動を加えると発熱する力を利用して、運動エネルギーの熱エネルギーへの変換を体験する。
 参加した子どもたちからは、「理科はあまり好きではなかったけど、授業を受けて好きになった」(小学生)、「ゴムやプラスチックの性質、弾む・弾まない2種類のボールの違いについて詳しく分かった。液体がゴムになる瞬間はとてもすごかった」(中学生)といった感想が寄せられている。
 同社は、「化学実験を通して、理屈ではなく驚きや面白さを肌で感じてもらい、理科を好きになるきっかけづくりとなるよう工夫している。今後は、高校生を対象とする取り組みも企画したい」と話している。
『経済広報』(2012年3月号)
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