経済広報

『経済広報』(2016年1月号)掲載

ANGLE

「安心・安全な社会」の実現に向けて

北川裕司

 

北川 裕司(きたがわ ゆうじ)(一社)日本損害保険協会 広報室長
 日本損害保険協会(損保協会)は、損害保険会社26社を会員とする業界団体です。
 私たちの暮らしには、自然災害、事故、犯罪など、様々なリスクがあります。それらのリスクから、家庭や企業などを守る役割を担うのが、損害保険です。損保協会は、人びとが安心して損害保険に加入でき、また、万が一の際には適切に保険金が受け取れるよう損害保険業の健全な発展をリード、サポートするだけでなく、身の回りにある様々なリスクをできるだけ軽減し、社会全体の損失を低減させることで、「安心・安全な社会」に貢献したいと考えています。
 損保協会の広報活動では、消費者の方々にどんなリスクがあるか、リスクにどう備えるか、損害保険をどう利用するか、などをお伝えしています。金融リテラシーの考え方を踏まえ、形がなく難しいといわれる損害保険を、いかにご理解いただき、適切な保険を選んでいただけるようにするかを考えながら様々な活動をしています。
 広報活動の中で、現在最も力を入れているもののひとつに地震保険の普及があります。
 東日本大震災から、もうすぐ5年になります。東日本大震災の際には、地震保険で1.2兆円を超える保険金を被災された方々にお届けし、生活再建にお役立ていただくことができました。しかし、地震保険の世帯加入率は、全国平均で28.8%(2014年末)にすぎません。
 地震による家屋の火災や倒壊の被害は、火災保険だけでは補償の対象にならないこと、地震保険は法律に基づき政府と共同して運営している保険であり、保険会社は利益を得ない仕組みになっていること、単独では契約できず火災保険に付帯して契約することなど、基本的な地震保険の仕組みを知っていただくことが、さらなる普及の第一歩と考えています。
 政府の全国地震動予測地図によると、今後30年間に震度5弱以上の地震が発生する確率が26%以上の地域は、国土のほぼ全域となっています。
 地震により住まいに被害が生じた場合、建て直しや仮住まいなど、多くの費用が掛かり、それまでの生活が続けられないケースもあります。どなたにも地震によるリスクがあり、まず命を守ること、そして被災後の生活を守るために地震保険が有効なことを知っていただきたいと考えています。
 そのほかに、損保協会では、「全国交通事故多発交差点マップの公開」や「高齢者の交通事故注意喚起チラシ」などによる交通事故防止、小学生の防災プログラム「ぼうさい探検隊」などによる防災教育など、多岐にわたった広報啓発活動をしています。
 損保協会のホームページでは、これらの活動の詳細のほか、損害保険の基礎知識やQ&A(よくある質問)といった、消費者の方々に必要な情報を提供しています。損害保険は助け合いの仕組みであり、私たちの生活を安定させる非常に有効な手段です。損害保険に関心を持っていただき、ぜひホームページをのぞいてみてください。
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