経済広報

『経済広報』(2016年7月号)掲載

ANGLE

担い手の確保・育成と生産性向上に向けて

永山貴一

 

永山 貴一(ながやま たかいち)(一社)日本建設業連合会 広報部長

 日本建設業連合会(日建連)は、総合建設会社139社を会員とする業界団体です。国民生活や経済・文化など諸活動の基盤の充実と建設産業の健全な発展のため、諸課題の解決に取り組むとともに、幅広い領域にわたって提言し、情報を発信しています。
 建設業界における現下の喫緊の課題は、建設業従事者の著しい高齢化と、団塊の世代を中心とした大量離職を近い将来に控えていることです。女性を含めて多くの若者を早急に建設業に招き入れ、世代交代を実現しなければ、10年を経ずして建設業の生産体制が破綻しかねない状況です。
 日建連は昨年3月、こうした重大な危機感をベースに、「再生と進化に向けて――建設業の長期ビジョン」を策定しました。建設業従事者の大量離職時代を乗り切り、未来に繋がる生産体制を堅持するため、10年間で「若者を中心に90万人(うち女性20万人)の新規入職者の確保」と「35万人の省人化」を目標としたもので、担い手の確保・育成と生産性向上を両輪として建設業の再生のための諸活動に積極的に取り組んでいます。
 広報もその活動の柱となっています。国民生活と経済活動を支える建設業の役割の大きさや、大規模災害発生時の応急復旧や被災地の復興に当たる建設業の社会貢献の姿をアピールし、建設業が夢とやりがいのある誇りの持てる職業であることを若者とその家族に分かってもらい、意欲を持って建設業の門をたたいてもらいたいと思います。
 そのため、重点的に取り組んでいるのが「市民現場見学会」です。市民現場見学会は、小学生から地域住民に至る幅広い層に建設現場を体験していただく催しで、2002年のスタート以来、延べ270万人を超える方々にご参加いただいています。仮囲いの中や地下などで進められ、普段見ることのできない建設中のトンネルやダム、ビルなどを見学していただくことによって、建設業の役割や魅力などについて広く理解を得ることを目的としています。
 昨年の夏休み期間中には、女子小中学生およびその保護者を対象に、「けんせつ小町活躍現場見学会」を全国14現場で開催しました。日建連では、建設業における女性活躍推進に向けて官民一体で取り組んでいますが、実際に大勢のけんせつ小町(建設業で活躍する女性の愛称)たちが建設現場の第一線で生き生きと働いています。その姿を女子小中学生に見てもらって、将来、進路や職業の選択の際に参考にしてもらいたいというものです。各現場は、工事の見学だけでなく、それぞれ趣向を凝らした体験型のイベントを企画し、参加者にとって夏休みの貴重な思い出になったと思います。盛況で好評であったことから、今夏も、北海道から長崎県まで全国15現場で開催する予定です。
 そのほか、月刊の広報誌『ACe 建設業界』を2万2000部発行し、官公庁、企業、マスコミ、教育機関、会員企業などに、幅広く配布しています。建設業に関する話題や課題、日建連の取組みといった様々な情報を発信し、建設業に親しみを持っていただけるような誌面づくりに努めています。
 「市民現場見学会」や『ACe 建設業界』など、日建連の広報活動につきましては、ホームページ(http://www.nikkenren.com)に掲載されていますので、ぜひご覧になってください。

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