『経済広報』(2017年7月号)掲載
視点・観点

プレミアムフライデーへの取り組み(1

 2月24日にスタートしたプレミアムフライデー。毎月最終金曜日の午後を優雅に過ごそうとの試みである。各社の取り組みについて聞いた。

定時退社励行の特例運用

 SMBC日興証券は、全部室店の全社員を対象に、毎月最終週の金曜日を「早帰り日」とし、業務に支障がない限りは、定時一時間前(16時10分)以降の退社を認めているという。当日の実施が困難な場合は、別の週に「早帰り日」を設け、振り替えることができる。
 同社広報部は、「もともと定時(17時10分)退社を励行しているが、プレミアムフライデーはその特例運用を認めた形だ。個人が幸せや楽しさを感じられる体験(買い物や家族との外食、観光など)や、そのための時間創出を促し、社員の私生活の充実に資するのが目的」と話している。

自社製品取扱店での部署懇親会などで活用

 サントリーホールディングスは、「働き方改革」を掲げ、フレックス勤務などの柔軟な働き方によって、社員がより生産性の高い仕事をすることで、自己啓発や家族との時間創出など有意義な活動に繋がることを目指しており、こうした考えから「プレミアムフライデー」に賛同し、社員に推奨しているという。国内のグループ会社社員約5000人(シフト勤務者を除くため、約7000人の約7割)を対象に、15時の退社を推奨している。
 コーポレートコミュニケーション本部広報部は「普段から時間休やフレックスなど、各自様々な制度を使っているため、実際に15時に退社した人数は、特に集計していないが、部署単位で外出・懇親、個人で家族や知人と過ごすなど各自有効活用している」と話している。自社製品「プレミアムモルツ」の取扱店での部署懇親会、イベントやセミナーへの参加といった自己啓発、美術鑑賞などの活用例が見られるという。

朝のアナウンスなどで活用推進を図る

 森永製菓では、導入初月の2月から、人事総務部が積極的に取り組みの方針を発信し、プレミアムフライデーに有給休暇利用やフレックスタイム利用による15時退社を勧めている。お客さま対応部署や営業支店、広報担当、シフト勤務の工場では難しいが、機能部門、マーケティング部門などでは、業務状況が許す範囲で活用しているという。同社コーポレートコミュニケーション部は「強制ではなく、あくまで任意。旗振り役の人事総務部が、毎月、活用促進の朝のアナウンスや連絡書掲示などでテーマを決めて(5月末は熱中症対策など)、プレミアムフライデーでの消費活動も促している」と話す。

社員の家族の職場見学会を開催

 日本航空は、プレミアムフライデー初日となった2月24日、社員の家族が参加する職場見学会を開催。7家族16人が参加し、子どもたちは植木社長との名刺交換や役員からお菓子をもらう懇談の場を楽しんだ。職場見学会は、ワークスタイル変革の一環として、社員が余暇を充実させてメリハリのある働き方の促進に繋がることを目指している。同社では「社員は半休またはフレックス勤務で職場に家族を招待し、30分程度の見学の後はそのまま羽田からの旅行や食事などを楽しむことができれば、プレミアムフライデーの趣旨にも合致する」としている。また、同社は、毎月末金曜日は、会議の設定を原則15時までとし「早帰り」を可能とする環境整備や、半休・年休の取得推進を推奨している。この他、同社が定める「プレミアムフライデー期間」に航空券を購入すれば、抽選で旅行券や航空券がもらえるなどの特典が得られるキャンペーンを実施し、景気刺激策の一環として、より広範な旅行需要喚起にも繋げている。
文:常務理事・国内広報部長 佐桑 徹
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