再生可能エネルギーの固定価格買取制度及び地球温暖化対策税

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再生可能エネルギーの固定価格買取制度及び地球温暖化対策税
経済界の考え

1. 再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)

再生可能エネルギーは、エネルギー安全保障や地球温暖化防止の観点から極めて高いポテンシャルを有するエネルギーであり、その開発・普及は重要である。しかし、これまでのFIT制度には、過剰な国民負担※1、諸外国に比して高止まりする発電コスト、太陽光への極端な偏重、「未稼働案件」※2の増加等、多くの問題点が内在していた。2016年5月に成立した改正FIT法は、抜本的な制度見直しを求めてきた経済界の主張を一定程度反映したものであり、問題の改善が期待される。

※1
2016年度の賦課金総額は1.3兆円に上る。また、資源エネルギー庁の試算によれば、2030年度における買取費用は3.7~4.0兆円程度、自然条件による発電量変動の調整費用は0.5兆円程と見込まれる。
※2
制度発足当初の比較的高い買取価格で認定を取得しながら、実際には発電を開始しない案件。過大な国民負担や、より低コスト・高性能な後発事業者の参入阻害への強い懸念がある。
<政府の考え方(「再エネ特措法等の一部を改正する法律」(2016年5月25日成立)>
(1)
法律改正の趣旨
 
再生可能エネルギーの最大限導入と国民負担の抑制の両立を図るため、発電事業者が提出する事業計画を認定する制度の創設や、買取価格の決定方法の見直し、再生可能エネルギー電気の買取義務者の見直し(小売電気事業者等から一般送配電事業者等へ)等の措置を講ずる。
(2)
改正法の概要(一部)
 
(ア)発電事業者の事業計画の実施可能性や内容等を確認し、適切な事業実施が見込 まれる場合に認定を行う制度の創設
(イ)数年先の買取価格をあらかじめ決定できるよう、価格の決定方法を見直す。
(ウ)電気使用者の負担軽減に有効と認められる場合、入札を実施して買取価格を決定することができる仕組みの導入。
<課題・懸念>
○国民負担の増大を抑制するため、引き続き、制度の改善を進めることが不可欠
○制度的補助に頼らない再生可能エネルギー導入の実現に向けて、研究開発の推進等が必要

2. 地球温暖化対策のための税(地球温暖化対策税)

地球温暖化対策税は、わが国のエネルギーコスト上昇に拍車をかけているとともに、税収についての問題点があることから、課税の廃止を含めた抜本的見直しが必要である。

<地球温暖化対策税収に係る問題点>
(1)
税収実績が明らかにされておらず、政策の意義を検証することができない(透明性が欠如)。
(2)
徴収されたまま一般会計に留保され、地球温暖化対策に活用されていない税収(平成28年度当初予算では、石油石炭税収6,880億円のうち、13.3%にあたる913億円)が存在する。
(3)
エネルギー対策特別会計に繰り入れられても使用されず、翌年に繰り越されている税収(平成28年度当初予算では、前年度のエネルギー需給勘定の剰余金が1,947億円)が存在する。