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国内政策− 地球温暖化対策に係わる中長期ロードマップ


「中長期ロードマップ」(環境大臣試案)に対する意見

実現可能性、国民生活の安定性、国際的整合性に加えエネルギー戦略、成長戦略等の政策とのバランスを確保することが必要。

1. 検討の視点

 世界経済の持続可能な発展を実現する上で、気候変動問題の克服は避けて通れない課題である。わが国産業界は、優れた環境・エネルギー技術を活かし、地球規模での低炭素型社会の構築に主体的に貢献してきており、今後も貢献していく所存である。また、実効ある温暖化対策については、政府に積極的に協力していきたい。
 地球規模の低炭素社会の構築のためには、短中期的には、既存の最先端技術を最大限普及させることが重要であり、長期的には革新的な技術開発に取り組んでいくことが必要である。そこで、地球温暖化対策に係る中長期ロードマップには、技術の担い手なる企業の貢献を後押しするような政策が盛り込まれることを求めたい。
 こうした観点から、中長期ロードマップの検討にあたっては、「実現可能性」、「国民負担レベルの妥当性」、「国際的公平性」を確保することが重要である。

(1) 実現可能性の確保
実現可能性の確保ができない中長期ロードマップを策定した結果、結局目標を達成できないこととなれば、生産活動や雇用などの経済活動を縮小したり、海外からのクレジットの購入を余儀なくされる。その結果、革新的技術の開発普及に支障をきたしたり、生産拠点の海外移転(炭素リーケージ)、国内雇用の減少といった経済への悪影響が生じることとなる。

(2) 国民負担レベルの妥当性の確保
温暖化対策の費用の最終的な負担者は、国民や企業である。さまざまな政策課題がある中で、温暖化対策にどの程度資源を配分することが適切なのかを議論する必要がある。その結果として、国民負担レベルについて十分な分析と情報開示を行い、その妥当性については、国民的議論を経て決定する必要がある。

(3) 国際的公平性の確保
欧米等に比べ過大な限界削減費用の負担を強いられれば、わが国経済の活力が奪われ、結果として、革新的技術の開発普及活動といった企業活動に支障をきたすだけでなく、雇用や財政、地域経済、企業の競争力に悪影響が及ぶこととなる。

(4) 他の政策とのバランスの確保
温暖化対策は、成長戦略、エネルギー安全保障、行政刷新といった他の政策のバランスが取れたものである必要がある。



2. 検討プロセス

 上記を確保するため、中長期ロードマップでは、対策・施策の内容や、その対策・施策による国民生活への影響に関する科学的・合理的な分析を十分提供するとともに、その検討過程では、削減技術に関する情報を有する、あるいは実際に削減を行う企業や国民の意見を十分聴く必要がある。
 産業界は、産業部門の削減対策の情報を十分提供し、実効あるロードマップの策定に貢献する用意がある。そこで、個別の削減対策について、業種別に政府全体で意見を聴く機会を設けていただきたい。
 さらに、経済社会への影響にかかる経済モデルについては、(1)専門的な知見が必要であること、(2)専門家の間でも前提条件や計算モデルの考え方において意見が著しく分かれていること、(3)モデルに関するデータの開示が十分行われていないこと、(4)昨年開催された政府のタスクフォースにおける検討との整合性・継続性が取れていないこと、等から、データ等の情報を検証し易い形で十分に開示したうえで、タスクフォースの参加者も含め専門家・機関によるレビューを行うべきである。
 また、政府全体として、経済社会への影響に責任を持って検討する場を設けるべきである。