企業広報賞

第13回(1997年度)

1.企業広報賞受賞理由

*敬称略、受賞者名五十音順

優秀賞

優れた広報活動を総合的に展開している企業に贈られます。
株式会社東芝
重点事業分野での戦略的な広報活動を国内外で展開。特にDVDにおいては、ユーザーのために規格統一の重要性を訴求し、その実現に向けてタイムリーな情報発信を行い、デファクトスタンダードの形成に結びつけた。
「俊敏な経営」をモットーに組織のフラット化などの改革を実施し、社内コミュニケーションを活発化させている。昨年6月に就任した西室社長自らが企業の顔としてマスメディアに積極的に登場し経営方針をアピールすることで、開かれた企業イメージの形成に大きく寄与した。
企業にとってグローバルスタンダードに準拠した活動や、ディスクロージャーの強化が急務となるなか、本年1月「東芝の事業行動基準」を改定、広報室が中心となり広報誌等で全従業員に周知・徹底させる活動を実践した。また、投資家やアナリスト向けの広報を強化するため、昨年4月に専門組織を設置するなどIR活動にも力を入れている。
アサヒビール株式会社
あらためて、企業と社会との信頼関係の構築が重視されている今日、アサヒビールは「社会に信頼され、共に発展し続ける企業を目指す」という企業理念のもと、企業や商品について正確かつタイムリーな情報提供を行うことで、理念の具体化を進めている。樋口会長、瀬戸社長を中心に経営陣が高い広報意識を持っており、経営と一体化した開放的な活動を展開している。
社内コミュニケーションの面では、電子メールなどを活用した社内ネットワークを充実させることで情報の共有化を進め、組織の活性化につなげるとともに全社的な活動を可能にしている。
広聴の面では、消費者や市場からの情報はマイナスなものも含め、経営陣や社内の関連部署に回付されて迅速な対応がとられ、同社への信頼を高めている。

特別賞(企業)

広報活動の一分野で、特筆すべき成果をおさめた企業に贈られます。
株式会社サカタのタネ
金子社長をはじめとする経営陣が広報の重要性を理解し、経営及び事業内容について積極的に広報対応を行い、同社及び種苗業界全体に対する理解を促進し、信頼感や親近感の醸成に寄与している。マスコミからの取材申し込みに対する迅速かつ誠実な対応も高く評価されている。
「種子を通じて社会に貢献する」というポリシーのもと、専門性の高い技術広報の分野で、積極的に情報を発信している。その結果、高度な研究・商品開発力を持った「研究・技術立社」というイメージを浸透させた。
また、金子社長は自社についてだけでなく、これからの国際化時代に向けて、日本の農業にエールを送るとともに農業政策や流通制度についても積極的に発言している。
三菱広報委員会
現在41社で構成されている三菱広報委員会は1964年の設立以来、文化活動や国際交流、グループ広報誌の発行など、一企業ではカバーできない活動を地道に継続し、グループ広報のモデルケースとなっている。また、会員企業の広報担当者を対象にした研修会やセミナーを実施し、グループ内での情報・ノウハウの共有や、広報意識の相互啓発に努めている。
デジタルメディアによる情報開示やデータベースの構築にも意欲的に取り組んでおり、昨年度はインターネット上に「三菱バーチャル・デザイン・ミュージアム」を開設し会員各社の製品、建造物などを総合的に紹介している。
文化・社会貢献活動では1990年から国際識字年の趣旨に賛同し、アジア太平洋ユネスコ協会クラブ連盟、(社)日本ユネスコ協会連盟と共催で実施している「アジアの子供達の絵日記展」を同会の基本事業と位置づけ、アジア各国・地域の子供の識字率向上と日本との国際交流の促進に大きく寄与している。

特別賞(個人)

広報活動の一分野で特筆すべき成果を収めた個人、あるいは日本経済に対する諸外国からの理解促進に貢献した個人に贈られます。
出井 伸之氏(ソニー株式会社 代表取締役社長)
1995年4月にソニー社長に就任して以来「創業の精神の継承とたゆみない自己変革」を目指し「リ・ジェネレーション」を経営方針に掲げ、カンパニー制の手直しや取締役会の改革など、時代の要請を先取りした前例にとらわれないドラスティックな改革を次々に実行している。常に改革にチャレンジする姿勢は、抜本的な見直しが迫られている日本企業が抱える問題の解決に新たな方向を示しているとともに、企業広報の原点であるといえる。
また、同社の企業姿勢を広く一般に正しく伝えるために、インタビュー等を通じて改革の理念及び必要性を自らの言葉で積極的にアピールするなど、優れた広報マインドを持っている。
島 正博氏(株式会社島精機製作所 代表取締役社長)
1961年、地元和歌山に島精機製作所を設立。地方にありながら、世界でもトップレベルにある技術力を生かした独特の経営で、自動制御横編機では国内で80%、世界で60%を超えるシェアを占める企業に育て上げた。
事業対象国が70以上にも及ぶグローバルな企業活動を進める一方で、地元和歌山において緑化活動への貢献や雇用の確保に努めるなど地域との共存にも力を入れている。
企業も社会の一員であるという認識のもと、「相手の立場に立って、Give&Given」の精神で、正確な情報をタイムリーに発信し続けており、社会からの理解促進に努めている。その姿勢は、財務や新製品にかかわる情報発信はもちろん、ユーザー用の研修センターの設置など同社のユニークな活動に結びついている。

功労・奨励賞

長年広報活動に携わり企業広報の発展に功労の大きかった個人、あるいは奨励に値する企業広報を実践している個人に贈られます。
鶴見 靖子氏(昭和シェル石油株式会社 環境安全部担当課長)
昭和シェル石油(旧シェル石油)入社以来、現在に至る35年間の多くを環境保全・製品安全・労働衛生を中心とした「企業の社会的責任」に関する分野の業務に社内外で従事し、この分野での企業広報の発展に貢献している。
同氏が編集・発行に長年携わってきた同社の環境啓発広報誌「Quality」は、創刊以来27年間継続的に質の高い情報を発信し続けており高い評価を得ている。
井坂 博恭氏(伊藤忠商事株式会社 広報部部長代行)
1986年に広報部に所属して以来、数々の問題に直面しながらも、「開かれた企業・社員」をポリシーに、プラスの情報もマイナスの情報もすべて公開したうえで真意を伝えるというスタイルは広報担当者の鑑として高く評価されている。
これまでに培った幅広い人脈による情報収集力は群を抜いており、伊藤忠商事のみならず、貿易業界の生き字引として厚い信頼を得ている。
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