広報部の役割

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1.基本業務

広報部門の主な業務

 従来の広報は、マスコミ対応や社内報作成が主な業務だったが、現在は、あらゆるステークホルダーを対象とした企業経営全体を考える広報活動に変貌を遂げている。広報部門の組織内に全ての広報活動を内包している企業もあれば、投資家向け広報(IR:インベスターリレーションズ)やCSRの広報活動などが増大し、別の組織を設けた企業もある。
  経済広報センターが3年ごとに実施している『企業の広報活動に関する意識実態調査』の最新版(第11回、2012年3月発行)によると、本社広報部門で対応している広報活動は、「報道対応」「社内広報」が、ほとんどの企業で本社広報部門の主要業務に位置付けられている。次いで、「社外情報の収集(広聴活動など)」「広告・宣伝活動」を本社広報部門で対応している企業も約6割にのぼる。また、「危機管理」「ブランド戦略の推進」は年々増加している一方で、「IR活動」は減少傾向にある。株主・投資家対応の重要度がますます高まる中で、独立組織を設置する企業が増えていると考えられる。なお、近年急速に利用が拡大している「ソーシャルメディア」は、2割近くの企業が本社広報部門で対応している。【図表1】
【図表1】本社広報部門で対応している広報活動(複数回答)
本社広報部門で対応している広報活動(複数回答)
出典:経済広報センター『第11回企業の広報活動に関する意識実態調査報告書』2012年

 本社広報部門で対応している業務としては、「プレスリリース作成」「記者会見の設営」「新聞・雑誌のクリッピング」「広報活動の効果測定」などの報道対応や分析、「社内報(グループ報)作成」「インターネットホームページの運営・管理」「会社案内(グループ案内)作成」などの社内外向け情報発信が主に挙げられている。【図表2】
【図表2】本社広報部門で対応している業務(複数回答)
本社広報部門で対応している業務(複数回答)
出典:経済広報センター『第11回企業の広報活動に関する意識実態調査報告書』2012年
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2.広報部門の年間スケジュール

年間計画

 まずは広報部門としての年間計画を立てる。広報には様々な業務があるが、決まった行事には、社長の「年頭のあいさつ」や「入社式のあいさつ」、固定化して行うべき「記者との懇談会」、人事発表や、決算発表などがある。社長や役員の日時を押さえ、会場を予約するなど早めに行う。他方、マスコミから2~3月頃に翌年の採用についてのアンケート、年末には翌年の景気見通しなどアンケート調査やコメントを求められることも想定しておく。一般的な広報部門の年間スケジュール【図表3】を示すので参照にしてほしい。ダウンロードも出来るので、雛形として利用してもらいたい。

 年間スケジュールはコチラ 【図表3:XLS/25KB】

 「定例行事」が決まったら、その年度の営業活動や自社の方針を踏まえ、強く打ち出したい案件などの諸活動を追加していこう。
 できれば、1年計画だけではなく3年~5年といったスパンでの中長期計画も立てることが望ましい。これらの計画を立てることで、日々の業務も長期的な視点で見ることができる。今日の業務が、次の案件、次の計画に効果的につながるよう考えていこう。

一日の流れを把握

 広報の業務は多岐にわたるが、広報の主な業務である報道担当の一日の流れの例を挙げておく。【図表4】
 まずは主要メディアに全て目を通し、主要記事をクリッピングする。この作業は、指定したカテゴリーの記事を切り抜いて送付してくれるクリッピングサービス会社に委託している企業も多い。自社、業界、隣接業界など対象ごとに分けて配布するが、多忙なトップや経営幹部に見てもらうわけだから、クリッピングする意義や効果を考えて行う。
 昼間は、取材への同席や記者クラブへの訪問、問い合わせ対応、報道チェックなどとともに、社内では広報戦略を検討したり、メディア情報のフィードバックを行う。日頃から社内外で積極的なコミュニケーションを図り、情報受発信部署として最大限努力しよう。

【図表4】

広報部門の1日作業スケジュール例(報道担当)
出典:佐桑徹『図解でわかる部門の仕事 広報部』2004年(改訂版)
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