経済広報

『経済広報』(2013年8月号)掲載
企業広報よくある質問(5)
君島 邦雄 広報部門の自己PR
君島 邦雄(きみしま くにお) (株)ココノッツ 代表取締役
Q 会社の中で、広報部門をアピールし、理解してもらう良い方法がありますか。

内側からは見えにくい広報業務

 社内の人たちがなかなか広報の仕事を理解してくれない――これはセミナーなどでしばしば聞かされる悩みです。なぜ理解してくれないのでしょう。それは広報の仕事が“内側からは見えにくい”からです。
 社内広報を除くと、広報業務の多くは社外の人たちを相手にする仕事です。また、その内容も一般の社員にはあまりなじみがないので、一体何をやっているか分からない、という不信感を抱かせることにもなります。社外の人たち相手の仕事ということでは営業も同様ですが、そこは歴史も違い、多勢に無勢です。広報は、社内では少々不利な立場にあるのです。
 ではありますが、これまで広報の仕事の進め方やその成果を、社内に伝える努力をどれほどしてきたか、ここで一度反省してみる必要はありそうです。
 発表や取材によって企業活動や製品・サービスなどがテレビで報道されたり新聞記事で取り上げられたりしたら、それを社内にフィードバックする。多くの企業が実施していると思いますが、部長以上に伝えている、というのでは社員にまで届きません。全社員を対象にしましょう。イントラネットなどを使って報道直後に流すのが効果的です。オフィスの壁に貼り出せばもっとインパクトが強くなります。
 社員を対象に広報活動に関するプレゼンやレクチャーを行うのも良い方法です。「最近の広報活動」といったテーマでもよいですが、「実例から見る企業危機と過熱報道」「フェイスブックの活用と落とし穴」といった少々センセーショナルなテーマなら社員の関心を集められるでしょう。四半期に1回程度はやりたいところです。テレビ会議を使えば、遠隔地の社員もカバーできます。
 時には、社外から広報や危機管理の専門家を講師に招くのも良い方法です。広報部員が話すより、社外の専門家に広報活動の重要性について語ってもらう方が社員に受け入れられやすいのは、残念ながら事実です。

トップとの距離をアピール

 サラリーマンの習性を巧みに利用するアピールの方法があります。サラリーマンはいつもトップの姿勢や考え方に敏感です。トップが広報活動に積極的で、その活動に支持を与えていると察知すれば、「広報を理解しておかないとマズイよ」という雰囲気が社内に出てきます。
 トップと広報部門との“距離の近さ”を演出してみましょう。これには広報部長さんに一肌脱いでいただかなければなりません。例えば、社長と広報部全員との定期ミーティングを行う。社長と部長さんの打ち合わせなら当たり前のことです。全員というのがポイントです。「トップの考え方を部員全員が理解していなければより良い広報活動はできない」というのが大義名分。若い社員との対話の場を設けることに異を唱えるトップは多くはないでしょう。こういう動きはすぐに社内に伝わります。ウチの社長は広報に理解がなくて、というケースでも、これが実現できれば、社長からの理解も社内からの理解も同時に勝ち取ることができる、まさに一挙両得です。
pagetop