ニュースリリース

2016年度

50歳代の3人に1人は家族の介護経験あり
-「高齢社会に関する意識・実態調査」の結果について-
2017年 3月22日
経済広報センター

 

 一般財団法人 経済広報センター(会長:榊原定征)は、2017年1月に全国の「eネット社会広聴会員」(2,961人)に「高齢社会に関する意識・実態調査」を実施しました。

 約800万人といわれる団塊の世代(1947~1949年生まれ)が75歳(後期高齢者)となり、社会保障費の増加が懸念される2025年まで残り8年となりました。高齢層、若年層共に高齢社会の先行きを不安視する声は絶えません。一方で、現在、高齢期の長い間を自立的に暮らす人たちが増えています。高齢期をアクティブに、誰と、どこで、どのように暮らしていくかは、高齢者だけでなく、現役の世代にとっても早くから考えておくべき大切なテーマです。

 そこで、経済広報センターは、当センターの「社会広聴会員」を対象に、高齢期の暮らし方や高齢社会の一層の進展に備えて取るべき対策、家族の介護について調査し、その結果を取りまとめました。

 

1.調査結果(要点)

◆ 男性83%、女性62%が高齢期を「配偶者と」暮らしたいと回答。男性が21ポイント上回る

◆ 高齢期の生活・暮らしについて、「肯定的・楽観的」が75歳以上では、80%。一方、39歳以下では、41%と2分の1の割合となっている

◆ 高齢社会の進展について不安に感じることは、約7割が「十分な社会保障(年金・医療)が受けられない」「税・社会保険料の負担が増加する」と回答

◆ 高齢社会の進展に備え取るべき対策は、「若い人口構造を前提とする現行の年金制度の抜本的な見直し」が39歳以下の若い世代で、68%と最も高い。一方、65~74歳で39%、75歳以上で34%と4割未満にとどまっている

◆ 約4割が、家族の介護を経験。世代別では、40歳代で19%、50歳代で35%、60~64歳で61%と回答

2.調査対象

 なお、調査対象は、全国3,670人の「社会広聴会員」の中で、インターネットで回答可能なeネット社会広聴会員(2,961人)が対象。有効回答数は1,643人(有効回答率:55.5%)、調査期間は、2017年1月12日~1月23日。

 



 

「高齢社会に関する意識・実態調査」結果の概要

 

1.71%が、高齢期を「配偶者と」暮らしたい

 高齢期に主に誰と暮らしたいと思うかを聞いたところ、71%が「配偶者と」と回答している。「一人で」との回答は9%である。

 前回調査(2012年)と比較すると、「配偶者と」との回答は、4ポイント減少(2017年71%、2012年75%)している。

 男女別で見ると、「配偶者と」は、男性83%、女性62%と、男性が21ポイント上回る。

 

2.「市街地」に近いエリアで高齢期を暮らしたい

 高齢期に主にどこで暮らしたいと思うかを聞いたところ、70%が「市街地(文化・商業施設が豊富で、公共交通機関が充実した所)」と回答。

 また、前回調査(2012年)と比較すると、「田舎(山村・漁村、離島、別荘地など自然環境に恵まれた所)」は4ポイント減少(2017年5%、2012年9%)している。一方、「郊外(「市街地」「田舎」の中間的な所)」は5ポイント増加(2017年20%、2012年15%)している。

 

3.6割は自宅に住み続け、3割は何らかの住み替えを検討

 高齢期に主にどのような住まいで暮らしたいと思うかを聞いたところ、6割が「自宅に住み続ける(高齢期を迎える前までに住んでいた住宅)」と回答している。3割は何らかの形で住み替えたいと考えており、「自宅を住み替える(高層階から低層階へ、戸建てからマンションへなど)」が16%、「高齢者向け住宅に住み替える」が13%、「親、子ども、兄弟、親せきの住む住宅に移る」が2%となっている。

 

4.高齢期の生活・暮らしについて、高齢層と若い世代で意識の差

 高齢期の生活・暮らしについて楽観的に考えているか、悲観的に考えているかを聞いたところ、「どちらかというと肯定的・楽観的」が40%と最も多く、「肯定的・楽観的」16%と合わせて、56%が肯定的・楽観的である。

 世代別で見ると、「肯定的・楽観的(肯定的・楽観的/どちらかというと)」が、75歳以上では、80%に達する。一方、39歳以下では、41%と2分の1の割合となっている。

 

5.高齢期に備えて、3人に2人は「健康維持・体力づくり」、2人に1人は「日々の節約、貯蓄」に取り組んでいる

 高齢期に向けてどのような備えをしているかを聞いたところ、「健康維持・体力づくり」が最も高く(65%)、「日々の節約、貯蓄」(56%)、「長く続けられる趣味・娯楽を始める」(40%)と続く。

 

6.65歳以上の8割以上が、健康で自立的な生活を長く送るために、「バランスの良い食事」「規則正しい生活」を実践

 65歳以上に、健康で自立的な生活を長く送るために取り組んでいることを聞いたところ、「バランスの良い食事」86%、「規則正しい生活」80%、「健康診断・人間ドックなどの定期的な受診」69%となっている。一方、「介護予防・認知症予防のための教室や検診の利用」は16%にとどまっている。

 

7.高齢社会の進展について不安に感じることは、約7割が「十分な社会保障(年金・医療)が受けられない」「税・社会保険料の負担が増加する」と回答

 高齢社会の進展について不安に感じることを聞いたところ、「十分な社会保障(年金・医療)が受けられない」(70%)、「税・社会保険料の負担が増加する」(66%)、「医療・介護サービスの量と質が、不足・低下する」(59%)が上位3項目に挙がっている。

 

8.高齢社会の進展に備え取るべき対策は、前回調査(2012年)と比較して、考え方に変化。世代間でも認識に大きな開き

 今回調査では、「医療費・介護費の抑制(過剰診療の防止、疾病・介護予防策の強化、高所得高齢者の患者負担の増加など)」(2017年60%、2012年53%)、「介護負担を軽減する、新技術、製品・サービスの開発」(2017年46%、2012年34%)、「女性・高齢者の一層の就労促進」(2017年29%、2012年22%)が前回調査より高くなっている(7~12ポイント)。

 一方、「若い人口構造を前提とする現行の年金制度の抜本的な見直し」(2017年45%、2012年55%)、「政府・自治体の事業、人員、経費の見直しによる財政支出削減」(2017年35%、2012年46%)では低くなっている(10~11ポイント)。

 世代別では、「若い人口構造を前提とする現行の年金制度の抜本的な見直し」が、39歳以下の若い世代で、最上位となっている(68%)。一方、65~74歳および75歳以上では、4割未満にとどまっている(65~74歳39%、75歳以上34%)。

 

9.約4割が、家族の介護を経験

 家族の介護経験について聞いたところ、「現在、介護している」が11%、「現在は介護していないが、介護した経験がある」が26%となり、約4割の人が、介護経験がある。

 60~64歳で2割(19%)が「現在、介護している」と回答。「現在は介護していないが、介護した経験がある」(42%)と合わせて、6割が介護の経験がある。また、40歳代では19%、50歳代では35%が介護を経験していることが分かる。

 

10.介護経験の有無で、家族を介護する際に不安なことが異なる

 家族を介護する際に不安なことを聞いたところ、「気持ち・気分が沈む」(介護経験有50%、介護経験無41%)、「本人が望む介護ができない」(介護経験有30%、介護経験無20%)で、介護経験がある人の方が9~10ポイント高い。一方、「介護費用の負担が大きい」(介護経験有42%、介護経験無52%)、「働き方を変える必要がある」(介護経験有26%、介護経験無36%)、「収入が減る」(介護経験有14%、介護経験無25%)で、介護経験がない人の方が10~11ポイント高い。

 

11.自身の介護に備え、4人に3人が「介護にかかるお金を貯金する」

 自身の介護への備えですべきことを聞いたところ、「介護にかかるお金を貯金する」75%、「家族とあらかじめ話し合っておく」60%、「公的介護保険の制度や仕組みをよく理解する」51%と続く。

 世代別で見ると、「家族とあらかじめ話し合っておく」が65~74歳で72%、75歳以上で68%と他の世代よりも高い。また、「公的介護保険の制度や仕組みをよく理解する」では、高い世代ほど備えておくべきだとしている。

以 上

 

お問い合わせ先
経済広報センター 国内広報部
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-3-2 経団連会館19階
TEL 03-6741-0021 FAX 03-6741-0022
pagetop