企業と生活者懇談会
2006年11月9日 埼玉
出席企業:ジャパンビバレッジ
見学施設:リサイクルプラザ・JB

「環境問題と循環型経済システムへの取り組み」

2006年11月9日、埼玉県さいたま市にあるジャパンビバレッジのリサイクル・プラザJBで「企業と生活者懇談会」を開催しました。社会広聴会員21名が参加し、企業や施設の概要などについて説明を受け、リサイクルの工程を見学した後、質疑懇談を行いました。
ジャパンビバレッジからは経営企画部の加治野基裕部長と加藤豊孝環境推進チーム係長が、また、リサイクル・プラザJBを運営するジェイビーテックからは環境学習室の中山純子氏が出席しました。
ジャパンビバレッジからの説明
■ジャパンビバレッジの歩み■
 ジャパンビバレッジは1958年(昭和33年)に鋼材・非鉄金属などの輸出入や販売を行うユナイテッドスティールカンパニーとして設立されました。同社は1963年(昭和38年)に自動販売機事業を開始し、1994年(平成6年)にはこの自動販売機部門をユニマットコーポレーションとして分社化しました。ユニマットコーポレーションは1998年(平成10年)に日本たばこ産業(JT)と業務・資本面で提携してJTグループの会社となり、1999年(平成11年)には商号をジャパンビバレッジに変更して、現在に至っています。

■ジャパンビバレッジの事業■
 ジャパンビバレッジは、自動販売機のオペレーターです。オペレーターとは、各メーカーから商品の供給を受け、自動販売機によってこれらを販売する事業者のことです。商品は缶の飲料のほか、紙コップで飲む飲料を中心に自動販売機で売れるものはほとんどの商品を取り扱っています。お客さまのニーズに応じた品揃えが可能なことがオペレーターの強みです。
 同社は、全国の飲料自動販売機の8%のシェアを占める約21万台の自動販売機を保有していますが、その8割がオフィスに設置されています。これらの自動販売機を日々巡回して、商品の補充や売上金の回収をはじめ、空容器の回収や自動販売機周辺の清掃などの業務を行うのがルートセールスです。ジャパンビバレッジは、ルートセールスが所属する103の事業所を展開してきめ細かくお客さまのニーズにこたえるよう努力しています。

■リサイクル・プラザJBの概要■
 ジャパンビバレッジは、JTとの提携を機にJTと地球環境問題に対する考え方を共有し、ISO14001の取得などに取り組んできました。
 その一環として、同社は2003年(平成15年)5月に国内初の飲料容器の総合中間処理施設であるリサイクル・プラザJBを建設しました。
 同施設では、アルミ缶・スチール缶を容易に利用できるよう直径数センチメートルの粒状の固まりになるところまで中間処理し、アルミ原料や製鉄原料として売却しています。
 関東の21カ所の事業所からルートセールスによって回収された空容器はリサイクル・プラザJBに運び込まれ、袋ごと計量された後、リサイクルの工程に投入されます。まず空容器を入れた袋が破られ、中の空容器は缶とその他の容器に分けられます。この作業は人間の手作業で行われます。
 分別された缶は金属加熱装置で蒸し焼きにされます。この装置は日本で初めての還元乾留型加熱炉で、重油を燃料にして炉内の空気を800度に加熱し、この熱気を循環させることによって、炎もダイオキシンも出さずに缶を焼くことができます。
 加熱によって表面塗装と異物が取り除かれ、もろくなった缶は造粒機によって砕かれて粒状にされ、磁選機でアルミの粒とスチールの粒とに選別された上で、材料として売却されます。
 一方、缶以外の容器は瓶とペットボトルに分けられ、ガラス加工会社などに出荷されます。
ジャパンビバレッジへの質問と回答
社会広聴会員:
ジャパンビバレッジが空容器のリサイクル事業に進出したのは、法的な規制によるものですか。
ジャパンビバレッジ:
排出される空容器については、事業者として社会的な責務があると感じ、自発的にリサイクル事業を開始しました。
 
社会広聴会員:
リサイクルは、「空容器の回収もしますので、自動販売機を置かせてください」と設置先に営業する際のツールとして使えるのではないですか。
ジャパンビバレッジ:
当社は空容器の回収もセットで自動販売機を置かせていただくという内容で契約を結んでいます。
しかし、これは回収までしないとご契約いただけないという現在の設置先のニーズによるところが大きいのです。
しかし、将来的には「メーカーやオペレーターを通じて唯一自前のリサイクル施設を持つジャパンビバレッジだから契約しよう」と設置先のお客さまに言っていただけることが夢です。
 
社会広聴会員:
オフィスなどで、メーカーなど他社の自動販売機が隣り合っている場合、他社の自動販売機から出た空き缶もリサイクル処理しているのでしょうか。
ジャパンビバレッジ:
リサイクル・プラザJBに持ち込まれる空容器は、ルートセールスが自社の自動販売機から回収した空容器です。しかし、現実には空容器ボックスに他社の自動販売機から出た空容器が入っている場合があり、その際にも当方で持ち帰って、ここでリサイクルしています。
 
社会広聴会員:
ここに空容器を持ち込む以外の事業所に集められた空容器はどうしていますか。
ジャパンビバレッジ:
空容器の収集運搬と中間処理を行っている事業者がいますので、リサイクルを前提とした委託契約を結んで処理をお願いしています。
 
社会広聴会員:
リサイクル・プラザJBのように自社でリサイクルするのと、業者に委託するのは何が違いますか。
ジャパンビバレッジ:
処理業者に委託をすると、処理する空容器の総量は分かりますが、容器の形態別のリサイクル量は全く分かりません。当社も、リサイクル・プラザJBの稼動以前は把握できていませんでした。
現在ではリサイクルされたアルミ、スチール、ペットボトルなどが「生産量」として詳細に把握でき、リサイクル率の管理が可能になりました。
 
社会広聴会員:
リサイクル率7~8割とのことでしたが、さらにパーセンテージを向上させる方策はありますか。
ジャパンビバレッジ:
オフィスなど屋内に設置している自動販売機から出る空容器はほとんどすべて回収できていますが、屋外では販売本数に比べて回収本数が少なく、リサイクル率に影響しています。屋外で購入したお客さまが、ご自宅に持ち帰るなど、きちんとした分別が根付くことが大切だと思います。
 
社会広聴会員:
中間処理された「製品」の販売収入だけで、リサイクル事業として成り立っているのでしょうか。
ジャパンビバレッジ:
アルミやスチールなどの価格は大きく変動するので、現実にはメーカーなどからの協力をいただいて経営をしています。安定したリサイクル事業にするためには、一層のコストダウンが必要です。
例えば、回収されてきた容器には様々な異物が混入しており、仕分けに人手が掛かります。また、缶の中に煙草の吸い殻が入っていると、金属加熱装置でも焼却できず、販売する製品材料の質に影響します。お客さまには、ぜひ分別の点でご理解とご協力をいただければ幸いです。
 
社会広聴会員:
リサイクル・プラザJB以外に、環境への取り組みとして特筆すべきものはありますか。
ジャパンビバレッジ:
自動販売機メーカーのサンデンと共同開発した紙コップ式のコーヒー自動販売機「エスプレッソバール」は、お客さまが購入する際に瞬時にお湯を沸かせるので、常時お湯を沸かしておく電気が要りません。この機械は、2003年(平成15年)に省エネルギーセンターの「省エネ大賞」を受賞しました。
参加者の感想から
●街中でよく見掛けるジャパンビバレッジとは、何をしている会社だろうと思い、参加しました。自販機のオペレーターという仕事が分かりました。

●空容器が手作業で大変細かく分別されていることに驚きました。オフィスでのごみの分別も今まで以上に工夫しなくてはいけないと思いました。

●問題解決には私たち一人ひとりの自覚が大切であるということも再認識させられました。自覚と経験の輪を広げていくことで、自分も寄与したいです。

●出席されていた皆さんの環境問題への関心の高さに驚きました。今後も真摯に取り組んでいただきたいと思います。

●地域住民に現場を見学してもらい、環境について生きた学習を提供できる場所があるのはとても素晴らしいと思いました。説明された方のとても熱意ある回答には感服しました。

●リサイクルの問題は教育問題だと思います。子どものうちに徹底的に教育すれば確実に変わります。

●ジャパンビバレッジのリサイクル技術やノウハウが他国に取り入れてもらえるとよいと思います。

●一企業としてこれだけの設備投資をし、操業できているのは立派だと思います。また、子どもたちの見学を積極的に受け入れ、次の世代に訴えていこうとする企業姿勢には好感が持てます。

●私は自販機業界に対して良いイメージを持っていませんでしたが、ジャパンビバレッジの取り組みに触れて認識が変わりました。

●企業として、よくあそこまで踏み込んだ取り組みをしていると感心しましたが、リサイクルには個人のモラル向上も欠かせず、一企業の努力では限界があります。経済界には家庭力・地域力の向上支援という回り道をあえてとってほしいと思います。

●工場内は清潔で騒音も区域が限定され、臭気も意外に無いと思いました。

●同じアルミ缶でも飲料の缶と缶詰の缶には違いがあるとのお話に改めて分別の困難さが分かりました。今いちばん問題なのは、家庭だと思います。ごみ分別のだらしなさは目に余るものがあります。

●消費者側も少々不便であっても地球の行く末を案じて、ごみの出ない社会にみんなで大きく踏み出さない限り、問題の解決はないと思いました。
お問合せ先
(財)経済広報センター 国内広報部
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