企業と生活者懇談会
2004年11月19日 愛媛
出席企業:住友化学
見学施設:愛媛工場

「生活に身近な企業を考える」 

2004年(平成16年)11月19日、愛媛県新居浜市にある住友化学愛媛工場で、「企業と生活者懇談会」を実施しました。生活者9名が参加し、新居浜、大江、菊本地区の各工場や、工場に隣接している「歴史資料館」を見学した後、質疑懇談を行いました。
住友化学からは、IR・広報部の大平豊主任部員、愛媛工場の逆井洋紀総務部長、大石敏朗環境・安全部長、池田浩久総務課長、高橋徹総務課長代理が出席しました。
住友化学からの説明
■住友化学の歩み■
 住友化学は、1913年(大正2年)に設立された「住友肥料製造所」が発祥です。四国の別子銅山の煙害対策として、銅の製錬に伴って発生する有害な亜硫酸ガスから硫酸を製造、さらにそれを原料に過燐酸石灰という肥料の製造を開始しました。このように、住友化学は、事業は自社の利益のためばかりでなく、同時に社会に利益のあるものでなければならないという理念を経営の根幹としています。
 現在、住友化学は100社あまりのグループ会社とともに、基礎化学、石油化学、精密化学、情報電子化学、農業化学、医薬の6事業を世界規模で展開しています。

※別子銅山
愛媛県東部、新居浜市にあった銅山。1690年(元禄3年)に発見され、以来、住友家が経営。少量の金・銀も産出。 1973年(昭和48年)閉山。

※過燐酸石灰
燐酸を主成分とする化学肥料。燐酸二水素カルシウムと硫酸カルシウムの混合物で、燐鉱石に硫酸を加えて得られる。速効性があり、世界的に古くから使用。


■愛媛工場■
 愛媛県新居浜市にある愛媛工場は、新居浜、大江、菊本の3地区で構成されています。工場敷地面積は約360万㎡、従業員は約1400人を数える、住友化学の中核工場です。
 化学工業は、水を大量に使用する産業で、愛媛工場も大量の水を必要とします。新居浜周辺はもともと降雨量が少ないのですが、周囲の石鎚山系、赤石山系の地下水が豊富で、その恩恵を受けています。また、電気も大量に使用しますが、基本的には自家発電を行っています。敷地に隣接する関係会社の住友共同電力から供給を受けています。従って、水も電気も低コストに抑えることができ、メリットの多い工場といえます。
 愛媛工場の歴史は、日本の化学工業発展の縮図といえます。当初行っていた肥料や工業薬品の製造に続き、石油化学や精密化学、情報電子材料へ進出しています。
 また、研究部門などとの緻密な連携により、時代のニーズを先取りし、原料転換・製法転換・省資源・省エネルギーに取り組みながら、新技術と新製品開発を積極的に行っています。

■レスポンシブル・ケア■
 環境問題への取り組みと豊かなくらしづくりを目的にスタートした住友化学は、1994年(平成6年)に「品質、安全、環境に関する経営基本方針」を制定しました。その活動の具体策として、「レスポンシブル・ケア活動」を行っています。
 これは、化学物質を扱う企業が化学物質の開発から製造、物流、使用、消費を経て廃棄に至るまで、自主的に「環境・安全・健康」を確保する活動です。また、活動の成果を公表し、社会との対話・コミュニケーションを行います。
 レスポンシブル・ケアの具体的活動は、"PLAN→DO→CHECK→ACTION"といったPDCAマネジメントサイクルに基づいて行われます。実施項目は、「環境保全」「保安防災」「労働安全衛生」「化学品安全」の4項目が中心です。住友化学ではこの4項目に加え、「品質保証」を含む5項目に対して自己決定、自己責任の原則に基づく自主管理活動を展開しています。
住友化学への質問と回答
社会広聴会員:
愛媛における住友化学の役割、地域貢献策には、どのようなものがありますか。
住友化学:
愛媛工場がある新居浜市の年間工業出荷額は、四国では西条市、四国中央市に次いで3番目の約4600億円です。そのうち住友化学グループは、約4割の2000億円程度を占めており、地域に果たす役割は相当大きいものであることがご理解いただけると思います。
地域との交流・貢献活動の具体的なものとして、工場見学会を開催しています。地域住民の方々との対話や交流を目的に、工場周辺の学校や自治会などを対象に随時開催しています。
また、地元小学校の科学クラブに社員をボランティア講師として月に1回程度派遣し、児童とともに様々な実験を行っています。
さらに、地元の祭りである「新居浜太鼓祭り」の際に、工場を開放し観覧場所を提供したり、台風や集中豪雨による災害時には、復旧活動のお手伝いとしてボランティア派遣や義援金による支援などを行いました。
 
社会広聴会員:
環境負荷を減らすために努力されていることを教えてください。
住友化学:
愛媛工場では、「レスポンシブル・ケア活動」に基づいて様々な取り組みを行っています。その一例として、有機物を含む排水の処理方法である「活性汚泥処理」をご紹介します。
活性汚泥処理とは、有機物を微生物に食べさせることで取り除き、その後、排水するという処理方法です。愛媛工場には活性汚泥処理設備が3つあり、そのうちの1つはかなり大きく、総合的な活性汚泥処理設備です。この設備は、地方自治体が定める、国の規制よりもさらに厳しい規制値を守りながら運転しています。
現在、順調に稼働していますが、設備の負荷を下げることを目的に、愛媛大学や新居浜工業高等専門学校と共同研究を行っています。
 
社会広聴会員:
従業員の方々に企業理念を浸透させるための取り組みとして、どのようなことをされていますか。
住友化学:
住友化学の事業精神は、銅山経営を中心とし300年以上の歴史をもつ"住友家"の事業を源としており、その事業経営の根本精神を現在も継承しています。それをもとに、企業活動における基本的な行動の基準を成文化した「住友化学企業行動憲章」を、2003年(平成15年)7月に制定しました。さらに、その具体的な指針として、「住友化学企業行動マニュアル」を制定し、企業行動憲章とともに従業員全員に配布しています。
こういった考えを従業員に浸透させる方法として、例えば新入社員研修時の別子銅山登山が挙げられます。新入社員研修は主に東京で行いますが、研修の最後に新入社員全員をこの新居浜の地に呼び、山登りをさせます。実際に別子銅山を登り、住友の先人たちがどんな事業をどのように行ってきたのか、その先人たちの苦労を学ぶのです。
銅の採掘を終え、今ではたくさんの緑に覆われている姿を見せることにより、住友の精神をじかに感じ取ってもらうことを続けています。
 
参加者の感想から
 ●工場見学は初めてでしたので、見るものすべてが"へぇー"の連続でした。しっかりとした理念に基づき、300年以上続けられているということに感心いたしました。
 ひとつの製品が完成した時に生じた副産物は、またさらにうまく利用され、新しいものへと進化していく。これこそが生き残る大きな要因だろうと思いました。
 社員に対する会社の姿にも、なるほどと感じました。

●企業、事業者、生産者、行政、消費者が話し合い、お互いの立場は異なっても持続可能な社会を築くために、連携を取りながら明るく豊かな社会に向けて協働できれば素晴らしいと思います。
 今回の見学は、施設外観の見学のみでしたが、施設内部の見学が1カ所でもあれば、さらによかったのではないでしょうか。

●工場内は、一般人にはなかなか開放していただけない場所です。前もって資料には目を通しましたが、生活者が直接目にしたり、日頃関係しているものが少なく、一主婦にはとても難しく感じられました。
 ところが実際訪れますと、工場見学と丁寧な説明で、面白いほど頭にスーッと入ってまいりました。まさに「百聞は一見にしかず」です。住友化学とともに歩んできた新居浜の歴史もよく分かりました。

●新居浜市は「住友の街」だと聞いておりましたので、楽しみに参加しました。
 プラント中心の工場見学は初めてでしたが、あまりにも広く大きく、驚きとともに大変参考になりました。新しい分野の研究開発や製品化、特にIT関連には関心があり、参考になりました。今後の発展を期待します。

●田舎暮らしで日々農業に従事している者にとって、今回の見ること聞くことには驚きの連続でした。写真、テレビなどでは風景のように感じていましたが、現実と対面してみてビックリ仰天でした。私自身の関心も高まるとともに理解が深まり、非常に勉強になりました。
 特に感動したのは、企業誕生の時代から地域とともに繁栄したこと、環境問題に幅広く深く取り組んでいることでした。

●最新の技術を取り入れて、先を見越して投資しているからこそ、今日の住友があると思います。地域社会に貢献しながら、株主を重視した経営をすれば、ますます発展するものと思っています。
お問合せ先
(財)経済広報センター 国内広報部
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