企業と生活者懇談会
2010年6月3日 新潟
出席企業:J-POWER
見学施設:奥清津発電所、電力のミュージアム

「暮らしに必要な電力発電を知る」

6月3日、新潟県南魚沼郡湯沢町のJ-POWER奥清津発電所で、「企業と生活者懇談会」を開催しました。参加した14名の生活者は、J-POWERの概要をまとめたDVDを視聴後、奥清津発電所に関する説明を受けました。その後、電力のミュージアム「OKKY」を見学。続いて質疑懇談を行いました。 
J-POWERから、広報室の大井哲郎上席課長、東日本支店奥清津電力所の中村幸男所長が出席しました。
J-POWERからの説明
■J-POWERについて ■
 J-POWERは、1952年(昭和27年)に、全国的な電力不足を克服するために制定された「電源開発促進法」に基づき設立して以来、東京電力や関西電力などの地域の電力会社に、経済的で安定した電力を供給し、わが国の経済発展と国民生活の向上に貢献してきました。 
 2004年(平成16年)に完全民営化を果たし、「人々の求めるエネルギーを不断に提供し、日本と世界の持続可能な発展に貢献する」という企業理念のもと、エネルギーと環境の共生を目指して、国内外で事業を展開しています。 
 国内では全国67カ所の発電設備(水力59、石炭火力7、地熱1)や、各電力会社間を結ぶ送電設備などを持ち、さらに現在、初めての原子力発電所を青森県大間町に建設中です。ほかにも、風力発電、バイオマス発電、福岡県大牟田市周辺における水道事業など、新たな事業へも積極的に挑戦しています。 
 また、昨今の地球環境問題への取り組みを強化しています。例えば、火力発電や水力発電の設備更新の際に発電効率を上げる取り組みや、石炭をガス化して発電効率の向上を狙う技術、二酸化炭素を回収する技術の開発などを行っています。 
 海外事業では、世界各地で発電や送配電などに関する技術コンサルティング事業を行っており、その数は63カ国・地域で312件に達しています。また、国内における電力需要の伸びに限界がある中で、海外発電事業を経営の「第2の柱」とすべく、取り組みを強化しています。現在39件のプロジェクトを展開中です。 
 
■奥清津発電所は「電気の貯蔵庫」 ■
 奥清津発電所は、上下2つの調整池を持つ、揚水式発電所です。 
 夜間はほかの場所で発電された電気を使い、ポンプで山の上のカッサ調整池に水を揚げます。他方、昼間の電気が足りないときなどにはカッサ調整池から山の下にある二居調整池に向けて水を流し、水路の途中に設置した水車を回して発電しています。このため、奥清津発電所は、いわば「電気の貯蔵庫」の役割を担います。 
 発電された電気は、新潟県の柏崎刈羽原子力発電所からの電気と合流し、首都圏へ送られます。発電所の最大の出力は160万キロワットで、家庭用に換算すると、約150万世帯分の電気を一度につくることができます。 
 この発電所の運転は、埼玉県にある制御所から遠隔操作しており、発電所にいる従業員は、保守や設備の更新を行っています。また発電所が立地する場所は、全国屈指の豪雪地帯のため、冬場は発電所の機器に雪が大量に積もることがあります。そのため、発電に悪影響が出ないよう、機器の上に登り、雪下ろしをすることもあります。
見学の様子
■ダムの上を歩いてみる■
 奥清津発電所に2つあるダムのうち、下池の二居調整池を形づくるダムの上を実際に歩きました。このダムは、中心に粘土で水を通さない部分をつくり、その周りを岩で覆う構造になっており、まるで岩山のようでした。ダムからは川の流れを維持するための水が流れており、流し口の近くには洪水のおわりに澄んだ水を選んで流すための設備が付けられていました。 
 また、雪解け水などでダムの水が増え過ぎたときに調整池から水を流すための巨大な滑り台のような部分があり、上からのぞくと、足がすくむほどの高さと迫力がありました。 
 
■発電所建屋がそのまま電力のミュージアムに■
 奥清津発電所では、本物の発電設備を予約なしで見学できます。 
 見学した時間、ちょうど発電が行われており、重低音の世界に体中が飲み込まれたような体験をしました。 
また、水車室では実際に高速で回転する巨大な鋼鉄の水車軸を間近で見ることができました。まさに電気が生まれる瞬間を目の当たりにしました。 
 発電所建屋の奥の崖には、水路建設のために、資材などを搬入したトンネルが保存されていました。トンネルの中は年間を通じてほぼ一定の温度になっており、夏は涼しく、冬は暖かいとのことです。トンネルの一番奥には、2つの調整池をつなぐ巨大な水管があり、耳を付けると、うっすらと水が流れる音が聞こえました。 
J-POWERへの質問と回答
社会広聴会員:
J-POWERと地域の電力会社との違いを教えてください。 
J-POWER:
電気をつくり、送ることは、東京電力や関西電力などの電力会社と同じですが、当社はつくった電気を電力会社に卸売りしており、一般家庭や工場など、電気を使う場所に配電することは行っていません。 
また、日本で唯一発電所を全国に持ち、各地域の電力会社の供給エリア間をつなぐなど、送電線を2400キロメートル以上保有しています。
 
社会広聴会員:
水力発電について、新規開発の余地はありますか。 
J-POWER:
水力発電については、既に現在まで開発を進めてきた結果、国内における開発可能な地点・規模は小規模なものが多くなっており、大規模な開発可能地点は非常に少なくなっているといわれています。 
 
社会広聴会員:
今後の国内における設備投資の方向性を教えてください。 
J-POWER:
J-POWERでは、環境保全と経済性の両立を目指す設備投資を行っています。 
水力発電所では老朽化した主要電気設備の一括更新を実施し、発電効率の向上を図っております。また火力発電所では、定期的な設備点検で、経年劣化を少なくするとともに、熱効率の低下を防いでいきます。また、発電時に二酸化炭素を出さない上、燃料供給や価格の面で安定している原子力発電所を、安全最優先で建設中です。 
 
社会広聴会員:
これからの将来を担う子どもたちに対する取り組みを教えてください。 
J-POWER:
J-POWERグループでは「エネルギーと環境の共生」を目指し、「エコ×エネ体験プロジェクト」に取り組んでいます。これは、限りあるエネルギー資源と自然の恵みを有効に活用し、社会が持続可能な発展を遂げていくために、エネルギーと自然環境どちらも大切にする技術と心を育てることを目的にしています。 
プログラムは、新潟県と福島県県境の奥只見発電所・その周辺や、岐阜県の御母衣発電所およびその周辺(白川郷)で、NPOなどと協働で行います。例えば、奥只見発電所・その周辺では、夏休みに小学生親子を対象に、1泊2日で発電所体験や、レンジャーの案内で発電所周辺の自然体験を行っています。
 
社会広聴会員:
発電所で保守作業をされる方は、どのような業績目標を立てていますか。 
J-POWER:
私たちは、発電の最前線にいます。もし事故が発生したら発電ができなくなります。そのため、事故を起こさないこと、設備の修繕や更新工事を無災害で乗り切ることを目標にしています。 
今のところ、ここ奥清津発電所では丸4年間、無事故無災害です。しかし、これはたまたまであり、人間のミスがゼロにならない限り、必ず事故は起こり得ると考えています。そこで、自分たちが無事故であるのに満足せず、他の事業所で起きた問題についても対策を検討し、必要なことは奥清津発電所でも改善を行っています。
 
社会広聴会員:
J-POWERは海外事業も積極的に行っているとのことですが、いざ海外転勤の発令を受けた際に、戸惑いはないですか。 
J-POWER:
当社の事業は、国内事業・海外事業と多岐にわたっており、当然、個々によって入社目的も異なります。ただ、グローバルに展開していることを認識した上で入社する訳ですから、意欲的に受け止める方が多いのではないかと思われます。
 
社会広聴会員:
生活者向けに広報を充実させている理由を教えてください。 
J-POWER:
当社の商品である電気の直接の販売先は、各電力会社です。しかし、株式の購入や、従業員の採用、さらに発電所を置かせていただいている地域の方々との対話などで、当社について知っていただくことは大変重要であると考えています。そのため、生活者の皆さまにも当社をより理解していただくために、広報活動を充実させています。 
 
参加者の感想から
●毎日の生活で欠かすことのできない電気ですが、その電気の「生まれる瞬間」を体感できて良かったです。すさまじいごう音と震動が、私には「産みの苦しみ」にも聞こえました。私たちの毎日の快適な生活は、こうした山奥で人知れず発電事業を行う人たちの努力で支えられていることを痛感した一日でした。 
 
●発電所の保守作業で、「安全はマンネリ化した作業ではなく、絶えず維持し続けなければならず、終わりはない」という話が印象的でした。 
 
●電気をつくるためには多額の資金がいることや、安定供給のための努力などを伺い、改めて電気を大切に使わねばと思いました。 
 
●これからも、地球に優しい、未来まで安全で安心できる企業として発展されることを望んでいます。 
J-POWERご担当者より
今回の奥清津発電所での懇談会を通じ、経済広報センターの社会広聴会員(生活者)の方々の大規模揚水水力に対しての興味や関心に対してのみならず、「エネルギー問題がどうなっていくか」「地球温暖化問題が今後どうなっていくか」などの質問もいただき、地球の未来を真剣に考える姿勢に感心させられました。同時に、J-POWERの一社員として自分ができることは今後の会社人生において一生懸命取り組んでいかなくてはならないと、改めて、決意を新たにしました。 
お問合せ先
(財)経済広報センター 国内広報部
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-3-2 経団連会館19階
TEL 03-6741-0021 FAX 03-6741-0022
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