企業と生活者懇談会
2010年12月9日 広島
出席企業:カルビー
見学施設:広島工場

「掘りだそう、自然の力。 -おいしく安心な商品づくりのために」

2010年12月9日、広島県廿日市市のカルビー広島工場で、「企業と生活者懇談会」を開催しました。参加した17名の社会広聴会員は、カルビーの概要説明、および広島工場についてのDVDを視聴後、「かっぱえびせん」が製造されている工程を見学。続いて質疑懇談を行いました。 
カルビーから、広島工場の森岡貞一郎工場長、友枝浩信品質保証課長、大坂孝生中四国人事総務課長、生産支援課の伊原英樹氏、金森静男氏、渡部司氏、大野香菜子氏、広報部の佐久間和人部長、二宮かおる社会貢献委員長、田中宏和氏が出席しました。
カルビーからの説明
■カルビーについて■
 カルビーは1949年(昭和24年)、広島に設立された後、「かっぱあられ」の発売を皮切りに、自然の恵みを大切に活かした「かっぱえびせん」「サッポロポテト」「じゃがりこ」などの商品を開発し、業容を拡大しました。
 現在、国内16カ所、米国、タイ、中国などの環太平洋地域で6カ所の工場が稼働し、グループ全体で年間1520億円の売り上げを計上しています。
 2006年(平成18年)にコーポレートメッセージ「掘りだそう、自然の力。」を掲げ、おいしさや栄養など自然素材の持つ力を引き出し、商品に込めて提案する活動を強化しています。
 また、「顧客・取引先から、次に従業員とその家族から、そしてコミュニティから、最後に株主から尊敬され、賞賛され、そして愛される会社になる」ことをビジョンとし、社会的意義・価値のある目標を持って行動することで、すべてのステークホルダーから愛される会社になることを目指しています。
 「カルビー」という社名は、元気の源をイメージして、「カルシウム」と「ビタミンB1」に由来します。

■広島工場について■
 広島工場は、カルビー設立時に広島市宇品にあった工場が2006年に現在地の広島県廿日市市に移転しましたので、いわば「カルビー発祥の工場かつ最新の工場」です。ここは、「かっぱえびせん」の生地を製造し、全国に出荷したり、全国や海外の工場から研修生を受け入れるなど、「マザーファクトリー」としての役割を果たしています。
 現在、広島工場では、生地の製造のほかに、「かっぱえびせん」「さやえんどう」「ベジたべる」などのスナック製品を生産しています。出来上がった製品は、主に九州・中国・四国・近畿に出荷されています。
 
■かっぱえびせんが出来るまで■
 かっぱえびせんには、頭からしっぽまで、殻ごと粉砕されたエビが入っています。原料となるエビは、収穫後、マイナス30度で冷凍し、広島工場に運びます。 
 工場では、まず粉砕したエビと、小麦粉、水、でんぷんなどを一緒に混ぜ合わせます。その後、蒸しながらこねて、おもちのような生地を作ります。 
 出来上がった生地はロールにかけて薄く延ばし、味付けしやすくするため、すじ目を入れます。 
 その後、かっぱえびせんの形になるように機械で細長く切り、味を凝縮させるために一度乾燥させます。乾燥させたかっぱえびせんは、油で揚げるのではなく、煎ります。そうすると、膨らんでおなじみのかっぱえびせんの形になります。 
 製品が出来上がるまでには、原料や工場内の異物が混入しないよう、金属探知機を何度も通してチェックしています。
見学の様子
■食品衛生の行き届いた工場■
 作業場の入り口では、毛髪などが落ちないように、全身をすっぽり包む作業服を着た従業員の方が、粘着ローラーを全身にあてていました。さらに、全身のゴミなどを吹き飛ばす部屋を通過し、徹底して、異物を作業場に入れない配慮がされていました。また、従業員の方が持っているボールペンは、紛失して製品に混入しないよう、バインダーにくくりつけられ、さらに一つひとつ持ち主の名前が書いてありました。

■かっぱえびせんの滝 ■
 かっぱえびせんの生地が1枚になり、引き延ばされている様子を見学しました。生地は、黄色っぽい色をしており、それが天井と床面近くを行ったり来たりして、延々と延びていました。 
 調味、袋詰めをする作業場は階段状になっており、大量のかっぱえびせんが、まるで滝のように流れていました。上部では、ローラーの中で味付けが行われ、下部では、計量と袋詰めがされていました。 
 ここでは、味付けする前のかっぱえびせんを試食しました。香ばしいエビの風味が口に広がり素朴な味がしました。 
 出荷準備をしている場所には、箱詰めされた製品が大量にありましたが、人はほとんどいませんでした。代わりに人の腕のような形をした大きなロボットが、センサーを頼りに、積み木を組んでいくように正確に、製品別に箱を積んでいました。
カルビーへの質問と回答
社会広聴会員:
カルビーでは、ポテトチップスも数多く販売されていますが、おいしいポテトチップスを販売するための努力を教えてください。
カルビー:
油で揚げるポテトチップスは、商品の鮮度が味を左右します。そこで、大量に、一気に製造するのではなく、お客さまが必要とする分だけ適時適量を生産することや、包装に、賞味期限以外に製造年月日を印字すること、そしてパッケージを多層フィルムにし、さらに袋の中に窒素を充填し、ポテトチップスの酸化を防いでいます。
 
社会広聴会員:
原料のじゃがいもを確保する上でどのような取り組みをされていますか。
カルビー:
じゃがいもには、病気に弱い、芽が出ると品質が落ちる、年によって豊作、不作といったばらつきがでるなどの課題があります。 
それでも良質なじゃがいもを確保するために、契約農家に様々な情報を提供し、育成方法についても直接指導し、収穫後は、畑と貯蔵庫、工場で繰り返し検査され、基準に合格したものだけを使用しています。 
さらに、これらの集荷情報は、コンテナ別に、生産地や栽培方法、流通経路を把握することができるように、システム管理されています。この品質管理システムを活用し、商品のパッケージに記載されている製造年月日と製造所固有番号を入力することで、じゃがいもの生産者や生産地区、そして生産工場などを検索することができます。
 
社会広聴会員:
カルビーの品質保証体制について教えてください。
カルビー:
現場の品質保証活動を支援する組織として品質保証室が活動していますが、基本は工場および会社全体として取り組んでいます。 
例えば、品質保証の体制や仕組みを、お客さまの視点で評価し、継続的に改善していくためにISO9001の認証取得や、AIB(米国製パン研究所)の食品安全統合基準「AIBフードセーフティ」にのっとった食品安全監査を展開しています。また、カルビーグループ食品衛生基準を策定し、機械の設置や清掃の統一した基準を設けています。その上で、これらの体制、仕組みを理解するための勉強会を定期的に開催し、従業員一人ひとりが食の安全・安心を実践できるようにしています。
 
社会広聴会員:
停電などで、稼働中の機械が止まってしまった場合、仕掛品はすべて廃棄されてしまいますか。
カルビー:
万が一、稼働中の機械が停止した場合でも、生地の生産から出荷の各工程ごと、機械ごとに仕分けして不良品をはじき出すことができますので、すべてが無駄になることはありません。
 
社会広聴会員:
環境への取り組みについて教えてください。
カルビー:
カルビーでは、1998年度(平成10年度)から工場で「ゼロエミッション(廃棄物ゼロ活動)」を推進しています。ゴミをできるだけ出さず、出たゴミは分別・再資源化する取り組みを続けています。 
また、卸店や物流会社とともに、トラック輸送の燃費改善の推進や、鉄道輸送比率の拡大など「エコ輸送」を追求しています。 
さらに、2009年(平成21年)秋から、従来に比べてカップの高さを1センチメートル低くしたじゃがりこを発売するなど、商品に使用する包装資材の減量化の取り組みも進めています。 
社会広聴会員:
多様な人材が、能力を最大限に発揮しながら安心して、生き生きと働けるために取り組まれていることを教えてください。
カルビー:
カルビーでは、従業員一人ひとりが持つ、技術や能力を最大限発揮する活動を推進しています。例えば、1992年(平成4年)から、従業員が育児のために利用できる休業制度・短時間勤務制度を運用したり、社内横断的な組織として、「ダイバーシティ委員会」を立ち上げ、様々な立場の従業員が、会社とみんなの「成長」と「Happy!」を目指しています。
 
参加者の感想から
●私のイメージをはるかに超える企業努力と、社員の方々の熱意、情熱を目の当たりにし、感動しました。 
 
●本当にエビを殻ごと使ってかっぱえびせんを作っていることを知り、びっくりしました。 
 
●原料の調達についてお聞きしたお話を、実際に維持するには大変なご苦労があると思います。今後とも取り組みを進めていただきたいです。 
 
●あらためて「この会社のお菓子なら安心して食べられる」と感じました。 
 
●「お声を聞かせてください」というお客様窓口表示は初めてです。この表示にカルビーの姿勢が集約されていると思いました。 
 
●「何とかして」「何とかします」「何とかしました」という紙が貼ってあり、従業員の方々の考えや声が、すぐ上の方に届き、反映されている良い職場だと感心しました。
カルビーご担当者より
 お客さまから、コミュニティとして「カルビー」はどの様に見られているのか?そんな機会は今までありそうでなかったことです。断片的には手元に入るいろいろな評価や経営データから、また、お客様相談室や流通得意先から入るお声などを総合的に加味して自己判断することはありました。今回のように、生活者視点であらゆるお考えやご意見をお持ちの方々と、直接お話する機会に恵まれたことは大変光栄でした。開催前には一体どんなことを指摘されるのだろうと心配や不安もありました。しかし、当日皆さま方から率直なご意見やエールをいただき、やって良かったという心境になったことは、皆の偽らざる気持ちです。当企画は広島だけにとどめることなく、機会があれば定期的にほかの事業部にも展開したいと感じました。自分たちの本当の立ち位置が分かると思います。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。
お問合せ先
(財)経済広報センター 国内広報部
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-3-2 経団連会館19階
TEL 03-6741-0021 FAX 03-6741-0022
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