企業と生活者懇談会
2016年9月15日 京都
出席企業:オムロン
見学施設:コミュニケーションプラザ、オムロン京都太陽

「オムロンの社会に貢献し続けるチャレンジ精神を学ぶ」

9月15日、オムロンのコミュニケーションプラザ(京都市下京区)、オムロン京都太陽(京都市南区)で、「企業と生活者懇談会」を開催し、生活者18名が参加しました。企業概要などについて説明を受けた後、コミュニケーションプラザやオムロン京都太陽の工場などを見学し、オムロンとオムロン京都太陽のそれぞれで質疑懇談を行いました。
オムロンからは、グローバルIR・コーポレートコミュニケーション本部の井垣勉副本部長兼コーポレートコミュニケーション部長、コーポレートコミュニケーション部の染川里美マネージャー、大藪健二アシスタントマネージャー、オムロン京都太陽の宮地功代表取締役社長、企画部経営企画グループの荒井裕晃氏が出席しました。 

オムロンからの説明

■オムロンの概要■
 オムロンは、1933年(昭和8年)、創業者の立石一真により立石電機として大阪の東野田に誕生しました。その後、1945年(昭和20年)に本社を京都に移転しました。なお、オムロンという社名に変わったのは、1990年(平成2年)からで、本社のあった「御室(おむろ)」という地名にちなんで名付けられたとのことです。 
 同社は、生活者にとって身近な体温計や歩数計などの製品を扱うヘルスケア事業、売り上げの4割を占める主力事業である工場の自動化(ファクトリーオートメーション)を支える制御機器事業、家電製品の中のスイッチなどの部品を製造する電子部品事業、車に関する部品を扱う車載事業、駅の自動改札機などを製造する社会システム事業、太陽光発電に欠かせないパワーコンディショナーや携帯電話の液晶用バックライトなどを扱う本社直轄事業など幅広く事業を展開しています。
 これらの事業には、「センシング&コントロール+Think」というオムロンのコア技術が共通して用いられています。センシング&コントロールとは、様々な情報(画像、電波、光など)を取り込んで、価値のあるもの(位置、向き、力、助言など)としてアウトプットすること、すなわち「情報を価値に変換すること」です。同社はこの技術にさらにThink(人の知見)をプラスして、幅広い事業で、幅広い製品を提供し、国内外のお客さまに選ばれ続けています。ファクトリーオートメーションを支える制御機器、ヘルスケア製品、軽自動車向けボディ制御ユニットなどで国内ナンバーワンのシェアを、家庭用電子血圧計、リレー、呼吸器に使われるネブライザーなどでは、世界ナンバーワンのシェアを誇っています。
 同社は、現在世界110を超える国や地域で事業を展開し、売り上げの6割以上を海外が占め、従業員も外国人が約7割となっています。

■創業者立石一真■
 オムロンの創業者である立石一真は、非常に優れた技術者であり、経営者でありました。世の中にまだCSR(企業の社会的責任)の考え方が広がっていない1959年(昭和34年)に、企業は社会の役に立つことで初めて意義があるという信念をもとに「われわれの働きで われわれの生活を向上しよりよい社会をつくりましょう」という会社の憲法(社憲)を制定しました。事業を通じて、社会に貢献するというこの社憲の精神は、今も企業理念として脈々と受け継がれています。
 なお、米国の経営学者ピーター・ドラッカーが日本の経営者の中で懇意にしていた一人として立石一真の名前を挙げ、来日した際には、家族を連れて、立石一真の家に訪れるほど親しかったそうです。

見学の様子

■コミュニケーションプラザの見学■
 コミュニケーションプラザは、オムロンの歴史と技術の体験型展示施設で、2007年(平成19年)にオープンし、2015年(平成27年)にリニューアルオープンしました。
 参加者は、まず、創業から脈々と受け継がれる企業理念と現在に至るソーシャルニーズ創造(潜在するニーズを感知し、社会課題を解決する技術・製品・サービスを世に先駆けて開発、提供すること)の軌跡と未来につながるビジョンを体感する展示を見学しました。オムロン創業からこれまでの約80年の歴史を4つの時代に分け、それぞれの時代に沿って挑戦し続けてきた取り組みについて解説を受けました。
 4つに分けた時代の2つ目に当たる1960年(昭和35年)から1970年(昭和45年)頃の展示には、オムロンが大阪万博に合わせて、世界で初めて開発し北千里駅に設置した自動改札機の紹介がありました。最新型の実機を用いて、切符の向きや種類などを自動で修正・判別するなど、世界をリードする技術を体感しました。参加者からは「あの時代にここまでの正確さを実現したことが信じられない。日本の誇りだ」と感心の声が上がっていました。
 その後、社会課題にソリューションで応えるオムロンの事業・技術を、「社会」「生活」「産業」の3つのコーナーに分けて紹介する展示を見学しました。様々なシーンで社会に貢献するコア技術となる「センシング&コントロール」、そして+Think(人の知見)によるオムロンの未来へのアプローチを京都の町の模型と壁一面のサラウンドビジョンを利用したプロジェクションマッピングなどで体験しながら理解を深めました。

オムロンへの質問と回答

社会広聴会員:
血圧計の性能はどのように進歩してきましたか。今と昔の違いは。
オムロン:
一番大きな技術の進歩としては、1991年(平成3年)にファジィー(あいまいな)制御の技術を取り入れました。これにより、血圧を測定する際に腕を強く締め付ける必要があったものが、人に合わせた強さで測定できるようになりました。また、2000年代に入ってからは、測定具を片手でも腕に取り付けることができるものを開発しました。家庭用として、自分で取り付けることができるこの機種は、使用する人に大変喜ばれました。また、腕ではなく、手首で測定できるものや測定の注意点(心臓と同じ高さで測定するなど)をガイドする機能なども開発しました。今後は、より小型化して、24時間測定できるウェアラブルタイプの開発に注力していきます。これにより、これまで測定できなかった就寝中のデータなども活用することができ、より健康的な暮らしを実現することにつながると考えています。
 

社会広聴会員:
製品の品質管理はどのように行っていますか。
オムロン:
製品の品質管理については、2015年に「ものづくりポリシー」を制定し、社内外に公表しています。これはものづくりを通じてオムロンの企業理念をどのように実践していくのか、その指針をまとめたものです。これをお客さま、パートナー企業などに約束し、理解いただくことで相互に長期的な協力関係を構築したいと考えています。この指針をもとに、製品には、非常に負荷の高いストレステストなどを行い、品質を確認しています。
 

社会広聴会員:
どうして本社が京都にあるのですか。
オムロン:
理由は3つあります。まず、京都には脈々と受け継がれているベンチャー企業を支え、応援するという風土があります。その中で育てられた企業は次の企業を育てたいという思いがあります。次に、京都に本社があることが、海外のお客さま、企業などに対してブランドになるということです。最後に、交通、通信などのインフラが整っている現代においては、拠点を問わず、グローバルにビジネスが展開できるためです。
 

オムロン京都太陽からの説明

■オムロン京都太陽の概要■
 オムロン京都太陽は、オムロンと社会福祉法人太陽の家の共同出資会社として、1985年(昭和60年)に設立した会社で、企業と福祉の両面をつなぐ役割を果たすことで、障がい者の就労と雇用の機会をつくり、仕事の安定確保と事業経営の安定を図ることを目的としています。工場では、189名の従業員が働いており、内144名が何らかの障がいがある従業員です。工場では、100%オムロンの商品をつくっており、主に光電センサーやソケットなどの制御機器事業分野の製品をつくっています。
 なお、工場の敷地内には、太陽の家の寮があり、40名程度の従業員が寮で暮らしています。

■No Charity, but a Chance!■
 太陽の家の創設者である中村裕は、1964年(昭和39年)の東京パラリンピックを見て、大変危機感を覚えました。外国人選手は、競技が終わると皆買い物や観光を楽しんでいる、つまり、仕事を持ち、自立しているのに対して、日本人選手は家や病院に帰っていく姿を目の当たりにし、これではいけないと思い、太陽の家を創設しようと決意しました。キャッチフレーズとして「No Charity, but a Chance!」を掲げ、保護するのではなく、障がい者が働ける安定した職場を提供することで、障がい者が自立できるようなチャンスを提供しようと考えて取り組んでいました。しかし、協力してくれる民間企業はなかなか見つかりませんでした。1972年(昭和47年)に立石一真と出会い協力を要請し、立石一真は社憲の精神でこれを受諾したことによって、世界で初めて、社会福祉法人と民間企業が運営から協力して行う福祉工場を設立することができました。事業を通じて社会に貢献することを何よりも大事とするオムロンらしいエピソードに、参加者は、熱心に耳を傾けていました。

見学の様子

■オムロン京都太陽の工場見学■
 工場では、障がい者一人ひとりの持っている能力を最大限に生かすという考えのもと、作業環境の改善や治工具・補助機器の導入を進め、知恵を結集して、他にはない独創的なものづくりの方法を生み出していました。
 例えば、快適な職場環境を実現するため、徹底的に3S(整理、整頓、清掃)に取り組み、スムーズな擦れ違いや危険箇所の削減などに努めたり、できない仕事をやらないのではなく、できるように補助機器を開発・導入することで、作業効率が上がったりと、様々な工夫を見ることができました。
 工場の見学中、オムロン京都太陽が持つ3つの使命「職能的重度障がい者の雇用機会創出」「事業を通じて顧客満足と収益を確保する」「障がい者雇用の工夫やノウハウを世の中に広く提供する」を実感し、参加者からは、終始驚きと感心の声が上がっていました。

オムロン京都太陽への質問と回答

社会広聴会員:
生産ラインの中で従業員が使用している補助機器はどのようにしてつくっていますか。
オムロン京都太陽:
毎年各生産ラインで必要なものをヒアリングした後に、10~20テーマぐらいを決めて、治工具や補助機器を計画して、工場内で製作しています。
 

社会広聴会員:
従業員の雇用形態は。
オムロン京都太陽:
雇用形態は3種類あります。まず工場などで生産をサポートする事務系のスタッフが、オムロングループの正社員での雇用となります。工場で働いている従業員については、福祉就労という形で、就労継続支援A型とB型という雇用形態になっています。A型、B型の違いは、障がいの程度によって分かれており、それぞれ定員を60名として採用しています。

参加者の感想から

●「よりよい社会をつくる」という思いから、大手電機メーカーが成し得なかった自動改札機を開発・実用化した、パイオニア精神溢れるオムロンに尊敬と感謝の念を新たにしました。

●「No Charity, but a Chance!」を日々のモットーに、工場全体で実践している姿に深く感動しました。ハンディキャップを克服し、作業服や防具を着用した清潔感あふれる姿と補助機器や工夫により、正確で操作しやすい作業の実現に取り組んでいる様子に感銘しました。

●オムロンがつくっている製品が、毎日使っている家電などに使われていることを初めて知りました。また、創業者立石一真の先見性、実行力の素晴らしさ、経営理念に信頼感が増しました。

●1959年に制定された社憲を時代が変化しても変わらず、継承し続け、それをビジネスで実践する素晴らしい企業ということが実感でき、本当に感動しました。

●コミュニケーションプラザで、様々な分野において、社会を支える製品や技術、サービスをつくり出していることを体感することができ、大変貴重な経験になりました。これからも全世界でオムロンが活躍し、ますます人々の暮らしを豊かにすることを期待しています。

オムロンご担当者より

 今回、社会広聴会員の皆さまにはオムロンの歴史や最新の技術、ならびにオムロン京都太陽での取り組みをご紹介をさせていただきました。当日はたくさんのご質問もいただき、非常に活気に溢れた質疑懇談になったかと思います。
 オムロンはこれからも企業理念の実践を通じて社会的課題の解決や人々の生活の向上に貢献することで、企業価値の向上を目指します。引き続き皆さまのご支援を賜りますよう、よろしくお願いいたします。

お問合せ先
経済広報センター 国内広報部
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