企業と生活者懇談会
2017年3月14日 大阪
出席企業:明治
見学施設:明治なるほどファクトリー大阪

「明治のものづくりをなるほど!と体験しよう」

3月14日、明治なるほどファクトリー大阪(大阪府高槻市)で、「企業と生活者懇談会」を開催し、社会広聴会員17名が参加しました。同社の概要、大阪工場の概要説明を受けた後、明治なるほどファクトリー大阪でカカオの香りの体験や、「カール」「きのこの山」の製造工程などを見学し、その後、質疑懇談を行いました。
明治からは、大阪工場の古谷野哲夫工場長、下田圭吾業務課長、中川義雄見学施設長、広報部の神谷昌宏氏、亀井朋久氏が出席しました。 

 

明治からの説明

■明治の概要■
 明治は、1916年(大正5年)に明治製菓の前身の東京菓子、1917年(大正6年)に明治乳業の前身の極東煉乳が設立されたことから始まります。同社の創立者の1人である相馬半治の栄養を通じて社会に貢献するという理念は、現在の明治グループの使命「『おいしさ・楽しさ』の世界を拡げ、『健康・安心』への期待に応えてゆくこと。」に受け継がれています。
 その後、2009年(平成21年)に、明治製菓と明治乳業の共同持株会社、明治ホールディングスを設立、2011年(平成23年)に、食品事業の明治と薬品事業のMeiji Seika ファルマを傘下とした体制に移行しました。2016年(平成28年)10月には100周年を迎え、赤ちゃんから高齢の方まであらゆる世代の毎日の生活に欠かすことのできない「乳製品」「菓子」「栄養」「薬品」などの幅広い分野の製品を発信し、お客さまの日々の生活の充実に貢献しています。

■「買う気でつくれ明治」■ 
 ものづくりの基本姿勢は「買う気でつくれ明治」です。自分たちも消費者であるという目線を持ちながら、「食と健康」のプロフェッショナルとして、常に一歩先を行く価値をつくり続けてきました。食品事業では、戦前はヨーロッパの菓子だったチョコレートの製造販売、戦後は冷蔵庫が普及していない中で牛乳の流通網の構築、さらに、発酵技術を応用し、結核や感染症の抗生物質ペニシリンの製造など薬品事業にも乗り出しました。
 その後も、日本初のプレーンヨーグルト「明治ブルガリアヨーグルト」、世界初のキューブタイプの粉ミルク「明治ほほえみ らくらくキューブ」、雪のような口どけ「メルティーキッス」などの画期的な商品を生み出し、国内にとどまらず中国、アジア、米国を中心にお客さまからの信頼を獲得しています。
 商品の多くは自然の恩恵を受けています。そのため、牧場の衛生管理や餌の管理などの酪農家の支援、カカオの産地で生産者と発酵法の共同研究など、多くの生産者と良質な原材料をつくっています。さらに、5000種類の乳酸菌を使った健康に関する研究、チョコレートのおいしさを追求したカカオ豆の発酵・乾燥・ロースト・ブレンド・口どけの研究など、おいしさや栄養・機能性に関する独自の製法も開発しています。

■明治大阪工場の概要■
 大阪工場は、1955年(昭和30年)に大阪府高槻市に設立された国内最大級のチョコレート工場です。15万3000平方メートルに4つの製造棟があり、約1000人の従業員が24時間体制で生産を行っています。 
 同工場は当初、東洋一のビスケット工場でした。その技術を生かし、1975年(昭和50年)に誕生したのが「きのこの山」。チョコレートと焼き菓子を組み合わせた日本初のチョコスナックです。現在は、チョコスナックの「たけのこの里」、子ども向けの「マーブルチョコレート」、健康を重視した「チョコレート効果」、本物のチョコレートを追求した「ザ・チョコレート」、1968年(昭和43年)に誕生した日本初のスナック菓子「カール」などを生産しています。
 品質保証は、機器と目視による検査を徹底しています。金属検出機で金属などの混入がないか、重量選別機で規定の重量か、賞味期限印字確認装置でカメラが賞味期限を文字認識するかを検査し、X線検査装置で撮影した全画像は、パッケージにあるデータマトリックスで管理しています。お客さまの要求する品質レベルに応えるため、日々、改善を続けています。

見学の様子

■カカオの香りを体験■
 2016年4月にリニューアルした明治なるほどファクトリー大阪は、明治の「おいしさ・楽しさ・健康・安心」へのこだわりをなるほど!と体験できる施設で、年間3万5000人が訪れています。
 中に一歩入るとチョコレートの香りが漂ってきます。最初にカカオについて学びました。カカオの学名は「テオブロマ・カカオ」、科学者リンネが命名した「神々の食べ物」という意味を持つ中南米が起源の植物です。カカオは、赤道を挟んで北緯と南緯20度までの地域で、年間降水量が多い所に生育します。生産量が最も多い国はコートジボワール、2番目はガーナ、中南米の生産量は多くありません。同社は大半をガーナ、他には、ブラジル、ベネズエラ、エクアドルから輸入し、同じ品種でも産地によって全く味が異なるそうです。
 堅い殻で覆われているカカオの実(カカオポッド)は、木の幹になります。大昔は、果肉(パルプ)を食べることが目的と考えられ、サルが果肉を食べている絵が土器などに残されています。また、果肉が発酵することを発見し、酒もつくられていたようです。
 カカオ豆は、ライチのような味がする白い果肉の中に30~40粒入っている種子です。収穫後、果肉ごとカカオ豆を取り出し、木の箱に入れ、バナナの葉に包んで5~7日間発酵させます。発酵すると果肉が溶け、チョコレート色のカカオ豆が現れます。天日で乾燥後、品質検査をし、船で1~2カ月で日本に届きます。
 同社は、カカオ豆の仕入れ・選別から始まり、ロースト・摩砕・調合・成形までのチョコレート製造の全工程でこだわり抜いた「Bean to Bar」チョコレートを販売しています。工場に届いたカカオ豆にロースターで熱を加えて「明治の味」をつくり出します。ローストの仕方やロースターの種類、温度や時間などで味が変わります。その後、カカオ豆を砕き、すりつぶし、練り上げるなど、60時間かけてチョコレートをつくります。
 チョコレートは、炭水化物、脂質、食物繊維、ポリフェノールといった栄養素が豊富です。特にポリフェノールは体のサビや老化を抑え、血管を柔らかくする効果などがあるといわれ、100グラム当たりの含有量は、赤ワインや緑茶よりも多くなっています。
 参加者は発酵後とロースト後のカカオ豆の匂いを嗅ぎ比べました。発酵後はすっぱい匂いだったのが、ロースト後はチョコレートの良い香りに変化し、その違いに驚いていました。

■不良品の検出テストを体験■ 
 X線検査装置は、混入した異物を検出できます。また、画像では、チョコレートの割れや粒数不足も検出できます。
 クリップが入った箱や中身が足りない箱が通過すると、モニターに「NG」と表示され、ラインから外される仕組みです。参加者は検出テストを体験し、品質保証の取り組みへの理解を深めました。

■カールのおいしさを体験■
 次に、ノンフライのスナック菓子「カール」の製造工程を見学しました。生地は、トウモロコシを砕いたコーングリッツと水を機械で練り込んでつくられます。その後、機械の小さな穴から圧力をかけて生地を押し出すと、20倍に膨らみます。それを1秒間に5回転するカッターで切ると、1秒間に25~30個のカールが出来ます。参加者は、高速回転するカッターが次々とカールをつくっていく様子に見入っていました。
 この時点のカールは水分を含んでいるため、金属検査を受けた後、乾燥機を通過します。ここで水分量を2%以下まで蒸発させると、サクサクした食感になります。味付けは、回転する大きな筒の中で転がっているカールに、調味料とオイルを混ぜたものをシャワーのようにかけます。定番の味は、「チーズ」「うすあじ」「カレー」です。
 袋詰めでは、一袋分のカールが2階ほどの高さから真下の機械に設置された袋の中に落ちていきます。落下の際に2度目の金属検査を行い、袋詰めと同時に賞味期限が印字されます。最後に、塩分や油分などが既定値か、異物の混入はないかを品質保証機器で検査し、味や香り、食感は検査員が試食して検査します。袋詰めも自動で行い、袋の向きがずれたり、詰める個数が足りないと、ラインから外されます。商品にできないものは、家畜の餌や肥料などに再利用されます。
 出来立てのカールを試食した参加者は、ほんのり温かくてサクサクしたカールのおいしさに、自然と笑みがこぼれていました。

■きのこの山の製造工程を見学■
 続いて、チョコレートとクラッカーを組み合わせたチョコスナック「きのこの山」の製造工程を見学しました。きのこの傘はビターとミルクの2種類のチョコレートでつくります。チョコレートはシャワーのように噴射され、型に振動を与えて、空気を抜きます。
 次に、きのこの柄になるクラッカーを差し込みます。
 最後に、冷蔵庫でチョコレートを固め、ハンマーのようなものでたたいて型から外すと完成です。

■チョコレート看板「ビッグミルチ」■
 最後に、世界最大の屋外プラスチック製広告看板としてギネス世界記録に認定された「ビッグミルチ」を見学しました。高さ27.6メートル、幅165.9メートル、板チョコレート47万枚分の看板は迫力があります。ミルチとは、1926年(大正15年)に誕生した「ミルクチョコレート」の愛称です。2011年の1号館建て替えの際、地域の方やお客さまに「チョコレートは明治」を感じてもらい、菓子の楽しさや面白さを届けられるようにつくられました。日頃、列車の車窓から見ていた参加者も、本物のチョコレートのように光沢がある「おいしい風景」を触って、楽しんでいました。

明治への質問と回答

社会広聴会員:
お客さまへの情報発信について教えてください。
明治:
食の安全・安心に関する情報は積極的に発信しています。当社の品質管理体制を見ていただける全国7カ所の工場には、年間約17万人のお客さまにご来場いただいています。こういった取り組みの中で、安全を守って商品をつくっていることを実感していただければと思っています。
 

社会広聴会員:
菓子づくりへの思いを聞かせてください。
明治:
菓子は嗜好品のため、なくてはならないものではありませんが、生活を豊かにします。だからこそ、夢のある菓子をつくりたいと思っています。商品開発は、コンセプトが明確な方が難しくありません。一方で、子ども向けの商品などは難しく、ターゲットとなる世代のモニターなどの協力を得て、開発に取り組んでいます。現状は、新商品を1000種類つくっても3種類残れば良い方です。今後もお客さまへおいしい菓子を提供できるよう、効率的に開発を進めます。近年は、体に良い成分がチョコレートに含まれていることが科学的にも立証されつつあり、健康訴求面で新たな機能を開発することもテーマです。チョコレートのおいしさを知ってもらい、全世代が楽しめる商品を提供したいと、試行錯誤の毎日です。
 

社会広聴会員:
将来的にカカオ豆が足りなくなると聞いたことがありますが、原材料の確保はどうしていますか。
明治:
カカオは世界中で需要が伸びていて、当社も持続可能な調達方法を考えています。そのため、生産国や農家を支援し、共にカカオを育てています。支援は生産技術の提供にとどまらず、水汲みに時間を取られて仕事ができない問題を解消するために井戸を掘るなど、幅広く取り組んでいます。社員の中には、ガーナの首長相当の資格を持った者もいて、良いパートナーシップを築いています。今後も生産国と「明治の味」をつくっていきます。
 

社会広聴会員:
消費者の相談窓口の体制を教えてください。
明治:
明治グループでは、お客さまと向き合って、お客さまから学ぶことを大切にしています。「お客様相談センター」は、「笑顔でつながるお客さまと私たち」をスローガンに、お客さまの声に耳を傾け、迅速・誠実・公平・適切に対応することを基本方針に掲げています。2015年度にいただいた約14万4000件のお問い合わせ、ご意見、ご提案は、VOC会議(お客さまの声会議)を経て経営層とも共有し、より良い商品・サービスの提供につなげています。また、1976年(昭和51年)に発足した「赤ちゃん相談室」は、豊富な情報と経験を持つ専門の相談員が、育児に携わる皆さんからの相談にお答えしています。2015年度も8300件以上の子育ての相談にお答えし、赤ちゃんの健やかな成長をサポートしています。

参加者の感想から

●カカオの歴史や不思議な生態を知り、さらなる魅力を感じています。社員の方々のチョコレートに対する熱い思いも伝わり、もっと話が聞きたかったです。

●何種類もの機械によるチェックと人によるチェックで安全性を確保していることを知り、安心しました。

●親しんできた菓子が展示され、懐かしく思うとともに、それだけ長い、会社の歴史に感心しました。

●何気なく口にしているものの原点がイメージでき、今後、一層おいしく菓子を食べることができます。

明治ご担当者より

 このたびは、明治なるほどファクトリー大阪にお越しいただきありがとうございました。
 当社の工場見学施設は、2017年4月に全7施設のリニューアルを終えます。当社の「おいしさ・楽しさ・健康・安心」へのこだわりを「なるほど!」と体験いただける施設となっています。
 ぜひ、多くの方にお越しいただき当社のこだわりを体験いただけたらと思います。
 また、次の100年に向け、皆さまの「健康な食生活」に貢献できるよう努めてまいりますのでよろしくお願いします。

お問合せ先
経済広報センター 国内広報部
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-3-2 経団連会館19階
TEL 03-6741-0021 FAX 03-6741-0022
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