企業と生活者懇談会
2008年3月28日 沖縄
出席企業:日本トランスオーシャン航空
見学施設:整備場

「沖縄に根ざした企業の取り組みについて」

3月28日、沖縄県那覇市にある日本トランスオーシャン航空で、「企業と生活者懇談会」を開催しました。生活者11名が参加し、日本トランスオーシャン航空の概要などの説明を受け、格納庫の見学や航空教室の後、質疑懇談を行いました。
日本トランスオーシャン航空からは、業務部の古波津治業務グループマネージャー、整備管理部整備管理課の伊礼恭課長、喜納健課長補佐、照屋弘課長補佐、業務部の比嘉しの主任が出席しました。
日本トランスオーシャン航空からの説明
■会社の概要■
 日本トランスオーシャン航空(JTA)は「沖縄の空に飛行機を」と願う人たちにこたえて、南西航空株式会社として1967年(昭和42年)に設立されました。以来、「県民の翼」から「沖縄発日本の翼」として路線を展開しています。1986年(昭和61年)11月、松山・那覇線を皮切りに、順次、本土・沖縄線を拡充してきました。1993年(平成5年)7月、日本トランスオーシャン航空と社名変更、2007年(平成19年)7月に40周年を迎えました。 40周年を契機に、新路線として神戸・石垣、神戸・那覇線の展開などもしています。

■経営ビジョンと新企業理念■
 JTAの経営ビジョンは、広くお客さま・社会に必要とされる「エクセレント・カンパニー」を目指し、企業としての社会的責任を果たし、地域社会の発展に貢献することです。
 昨年(2007年)7月に制定した新企業理念は、「感謝・信頼・挑戦」です。1つ目の「感謝」は、常に感謝の心を持ち続けることです。これはもちろんお客さまに対する感謝もありますが、仲間への感謝、グループ企業に対する感謝など、周りに対する感謝の心を持ち続けようということです。2つ目の「信頼」は、常にお客さま、社会から信頼されるJTAであり続けよう、です。3つ目の「挑戦」は、常に前向きに、変化に挑戦するJTAであり続けようということです。
 経営ビジョン実現のための基本方針は、安全運航と航空保安の取り組みで、全社員が、航空会社の基本である安全運航を肝に銘じています。安全管理体制、航空保安の強化のためには、2.5人称の視点を持つことが重要です。これは、1回運航するために、いろいろな社員がかかわり、その中で、言ったつもり、やったつもり、伝えたつもり、こう考えたけれども実際は違っていた、などということがありがちです。しかし、視点を変えて、こちらがこう伝えたが相手はどうとらえたか、相手の視点に立つと、お互い確認の会話が定着します。このような視点を皆が持つことです。
 商品やサービス品質の向上では、常にお客さまの視点に立って、「安全・安心・優しさ」を提供し続けることです。沖縄地区のグループ社員がこれを共通に認識し、一丸となって、商品・サービスの向上に取り組み、JALとJTAグループの拡大、JALグループのさらなる向上に取り組んでいます。具体的には、基本品質の向上として、定時性の向上です。さらに、お客さまのニーズに沿ったダイヤ設定、ツアーの設定。予約、空港、客室業務など、JALグループを賄う会社サービスの提供。手荷物、貨物を丁寧に扱うことなどです。
 沖縄に拠点を置く航空会社ですので、沖縄らしい商品・サービスの企画・提供を試みています。具体的にはJTAのホームページに「美ら島物語」として、離島の情報や、沖縄県の観光情報など、細かな情報を掲載しています。機内誌「Coralway」は、季刊で発行しています。また、メディアとタイアップした沖縄情報の発信にも取り組んでいます。創立40周年には客室乗務員の制服を稲葉賀恵(いなばよしえ) さんのデザインで一新し、空港、客室では、かりゆしウエアの制服を着用しています。また、石垣島トライアスロン、宮古トライアスロンに向けて、地元オリオンビールの大会記念缶を機内で販売しています。県内企業とのタイアップなども含めて、このような取り組みもしています。
 地元沖縄の発展への貢献として、観光客の誘致に取り組むとともに関連会社である琉球エアーコミューターで、那覇・南大東と北大東、久米島などの生活路線の安定的な運航を継続しながら、県民生活をバックアップしています。また、各種ボランティアや航空教室、図画コンクールなど社会活動の継続にも努めています。
 さらに、県内出身者の新規雇用の安定的な継続にも努めています。2008年の新規採用者は37名で、そのうち21名が県内出身者です。

■JAL・JTAグループ■
 JAL・JTAグループは、約2000名のグループ社員で運営しています。まず琉球エアーコミューターが県内の主に離島線、航空運送に携わり、12の路線を展開しています。離島住民の足の確保を継続している会社です。JTAインフォコムは、グループ内のコンピューターシステム、情報システムの構築に取り組むとともにグループ外のシステムの構築なども行っています。JALスカイ那覇は空港カウンターでの業務、那覇空港での空港ハンドリング業務を行っています。OASグループ、沖縄エアポートサービスは主に那覇空港の貨物取り扱いなどグランドサービスを行っています。JTA商事は、旅行業や商品販売業務を行っています。ジャル沖縄は、沖縄での旅客販売活動を行っています。JTAサザンスカイサービスは、宮古、石垣、久米島など、離島のグランドサービスを行っています。
 航空需要の伸びが鈍化してるなか原油高という逆風もありますが、グループ社員全員で一丸となって2008年の中期経営計画に取り組んでいきたいと考えています。

※ハンドリング業務
航空機の運航支援、貨物・手荷物等の航空機への搭載・取り降ろし、貨物上屋での荷捌き、航空機客室の清掃業務など。


■航空教室■
 ボーイング737型機はパイロットが2人で操縦します。機長は、進行方向の左側に座ります。機長席側に、地上を走行するときに前のタイヤを動かすハンドルが付いています。機長席の位置は、船から来ているといわれています。737-400では150名のお客さまに対し、客室乗務員が3名乗務しています。167名乗りの飛行機もありますが、50名に1人の客室乗務員が乗務する決まりがあるため、167名乗りの場合は客室乗務員が4名になります。それぞれの翼にエンジンが一つずつ付いています。ほかの飛行機のエンジンの空気取り入れ口は丸型ですが、この飛行機はおむすび型をしています。
 主翼の後ろに、補助翼が付いています。これはパイロットの操縦かんで右左に動かします。後方に水平尾翼があって、後ろ側に昇降舵、これはパイロットが操縦かんを前後に動かし、離着陸のときに使います。そのほか垂直尾翼があり、その後ろに方向舵があります。方向舵はパイロットが足元で、ペダルで動かします。この3つを組み合わせて、パイロットは空を自由に飛んでいます。
 パイロットは管制塔から、「JTAの飛行機、離陸してよし」の指示を受けると、離陸滑走を始めます。飛行機は機長席と副操縦士席の間にあるスロットルレバー(出力レバー)を前に押すことによって、エンジンの回転が上がります。
 走り始めて、時速200~250キロぐらいになったときに、パイロットが操縦かんを引くと飛び上がります。上昇していってある程度のところまで行くと、自動操縦で目的地まで飛んでいきます。
 ボーイング737型機は、150名のお客さまと客室乗務員を乗せ燃料を満タンにすると、約60トンになります。逆にいうと、60トンに抑えてつくられた飛行機です。そのため飛行機の床などは、厚さが1センチもありません。ファイバーでできていますが、中を中空にし、軽くて丈夫なハチの巣の構造を参考にしてつくっています。翼にも、高揚力装置を上げ下げしておりるところ、この中にもアルミのハチの巣構造を使って、軽くて頑丈に工夫されています。ほかにもいろいろなところで機体を軽くする工夫をしています。
 一度飛び上がると、飛行機のエンジンは、どんなことがあっても回転し続けなければなりません。エンジンには、ファンブレードというものがあり、コンプレッサーが9段ついています。ここで空気を圧縮し燃料と一緒に混ぜて、燃焼によって膨張させます。この空気が膨張する力で4段のタービンを回し、一番前にあるファンブレードを回転させ、その推進力で前に進んでいきます。回転が止まると推進力もなくなります。どんなことがあっても止まってはいけないので、エンジンは頑丈につくられています。一番前にあって推進力をつくり出しているファンブレードが円周上に38枚配置されています。
 飛び上がった瞬間に、鳥がたまに当たることがあり、頑丈でなければエンジンがすぐに駄目になってしまいます。ここは頑丈なチタニウム合金の材料でできているため値段も非常に高く、1枚150万円もします。鳥が当たっても、ばらばらにならず、曲がります。曲がっても、ずっと回り続けることはできるのですが、回転体ですから振動が出てきます。振動が出てきたら、今度はベアリングや回転部分によくないので、次の到着地で交換します。
 エンジンは、後ろに1本、前に2本の3本のボルトで留まっています。2トンのエンジンを3本のボルトで支え、平均で4年間飛びます。ボルトは1本20万円しますが、エンジンをおろしたときに、安全を保つためボルトは廃棄します。お客さまの安全のため、整備にも非常にお金が掛かっています。

※ファンブレード
航空機の心臓部であるジェットエンジン最前列の回転翼。推進力の発生に重要な役割を果たす。
日本トランスオーシャン航空への質問と回答
社会広聴会員:
飛行機は、何年間ぐらい使うのですか。
日本トランスオーシャン航空:
飛行機の場合、どんなに短くても10年間ぐらいは使えます。メーカーは、20年間ぐらいを推奨しています。飛行機というのは整備を常に継続していけば、何年でももちますが、老巧化してくると整備費がかなり掛かってきます。ひとつの目安で20年間ぐらいだと思います。最大で飛んでも5万時間といわれています。5万時間を超えると、コスト的にペイできないぐらいの整備費が掛かります。5万時間というのは、弊社では大体23~25年間ぐらいになります。
 
社会広聴会員:
原油高で厳しい環境との話でしたが、地方自治体や県などから補助をもらっているのですか。
日本トランスオーシャン航空:
例えば、本土=那覇を結ぶ路線では航空燃料税が減額されていますが、減額相当分は運賃に還元しています。例えば、東京=沖縄線(1687km)は類似距離路線の福岡=札幌線(1614km)、関西=女満別線(1589km)と比較した場合、東京=沖縄線は大体1万円~1万2千円程度安くなっています。過去から続いている制度ですので、お客さまには実感があまりないかと思いますが、沖縄線は他の路線と比べると安くなっているという現状があります。
 
社会広聴会員:
赤字路線などの廃止はしないのですか。
日本トランスオーシャン航空:
離島の足、住民の足ということがありますので、極力赤字路線も継続しながら、黒字路線で補いつつ、全体路線を維持していくという方向です。
 
参加者の感想から
●企業概要は、とても分かりやすく、また普段見られない整備場の見学をさせていただき、貴重な体験をしました。普段、何気なく乗っている飛行機が大勢の人によって整備、運航されていることが分かりました。

●学生を中心に見学者を年間500人位受け入れて、航空教室を開くなど積極的に広報活動を行っていることは大いに評価できます。

●個人では見ることができない航空機整備の現場を興味深く見学させていただき、有意義な一日を過ごすことができました。

●安全管理について、JTAのしっかりとした取り組みに、学ぶべきところがたくさんありました。私が在籍している建築業の会社も、安全が一番大事なことです。

お問合せ先
(財)経済広報センター 国内広報部
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-3-2 経団連会館19階
TEL 03-6741-0021 FAX 03-6741-0022
pagetop