企業と生活者懇談会
2009年5月12日 静岡
出席企業:コマツ
見学施設:コマツテクノセンタ

「生活の基盤を支える企業を考える」

5月12日、静岡県伊豆市にあるコマツのテクノセンタで、「企業と生活者懇談会」を開催しました。生活者18名が参加し、同社やテクノセンタの概要につい て説明を受けた後、建設機械のデモンストレーションの見学と試乗、疑懇談を行いました。
コマツからは、安江正寛テクノセンタ所長、倉澤佳子CSR室主幹、宇佐見夏子コーポレートコミュニケーション部広報グループ主査が出席しました。
コマツからの説明
■コマツの概要■
 コマツは1921年(大正10年)に石川県小松市で創業しました。社名は創業の地にちなみ小松製作所と名付けられ、その後1991年(平成3年)の創立70周年を機に、社名呼称を現在の「コマツ」と改めました。
 主な事業は建設・鉱山機械、産業機械(自動車のボディーを成型するためのプレス機械など)の生産・販売で、そのうち建設・鉱山機械の売り上げは全体の 86%を占めています。
 主力商品である建設・鉱山機械の販売地域は、日本、北米、中南米、欧州、CIS、中国、アジア・オセアニア、中近東・アフリカと全世界にわたります。販売だけでなく、工場も世界に10拠点ある「マザー工場」(開発・生産機能を併せ持つ工場)を核に、組み立て工場や部品製作工場が世界47カ所に存在します。

■コマツの特徴、「ダントツ商品」■
 コマツには、「ダントツ商品」という商品開発に対する独自の考え方があります。「ダントツ商品」と呼ばれるためには、他社が2、3年以内に追い付くことができない圧倒的な特徴を1つか2つ持っていることが条件となります。何よりもユニークなのは、特徴がある商品を開発するためには、多少の「劣る部分」があったとしても構わないとされていることです。特徴のある部分をとことん伸ばすこの方針は、コマツの社員が共有する行動指針、「コマツウェイ」の現場力を伸ばすモノ作りの方針にも合致します。
 「ダントツ商品」の開発のキーワードには、環境・安全・ITの活用の3つの要素があります。最近発表した世界初のハイブリッド建機は、価格は通常より高めですが、長く使用することで燃料代を節約できる、環境に配慮された商品です。海外の大規模鉱山で活躍するAHS(無人ダンプトラック運行システム)や、 GPSを利用した独自端末のMTRAXコムトラックスを建機に搭載し、リアルタイムで車両の稼働状況が把握できるシステムは、安全で、ITを生かした商品です。AHSは過酷な地域で24時間無人で走行させるため人件費の節約に貢献し、プログラム化した安定走行で燃料・維持費の改善に役立っています。 KOMTRAXによる稼働状況の確認は、計画的なメンテナンスや燃料費の節約により、販売店や利用者の役に立ちます。また、コマツにとっては稼動データが解析できるため、需要の把握ができるメリットがあります。いずれも開発の3つのキーワードに沿った「ダントツ商品」です。

■世界初の建設機械のショールーム■
 テクノセンタは、1990年(平成2年)に世界初の建設機械のショールームとしてオープンしました。各国の販売代理店やお客さまへの商品説明と、試乗して商品のクオリティーを確認しながら商談ができる施設です。主に中国、アジア、中近東などの新興国の代理店の研修を受け入れ、年間1万人近くがここを訪れています。2003年(平成15年)に米国に2番目のショールームがオープンし、2010年には中国にもオープンする予定です。
 テクノセンタには、1943年(昭和18年)にコマツが初めて開発し、海軍に納めたブルドーザー200台のうちの1 台が展示されています。このブルドーザーは戦時中、海軍でフィリピンの飛行場建設に使用されたといわれています。その後、1978年(昭和53年)にオーストラリアの農場で使われていたものを、現地の代理店が偶然に発見し、コマツが買い取りました。2年前には、日本機械学会が110周年を記念して選定した 25の機械遺産のひとつとして認定されました。

■見学と試乗の様子■
 観覧スタンドから、各種建設機械のデモンストレーションを見学しました。軽快な音楽とともに機械の特徴が説明され、それに合わせるように次々とガラスの向こうに登場する建設機械が、目の前で土砂を掘ったり、走り抜ける、大変迫力のある実演でした。熟練したオペレーターによる滑らかな機械操作で、建機がまるで大きな生き物のように見え、劇場でショーを見ているような楽しい演出でした。
 続いて、1人ずつ60トン、70トンのダンプカーの助手席に試乗しました。建機にはパワーステアリングが装備されているため、女性にも楽に操作できるそうです。デモンストレーションでも女性が多く活躍していました。参加者は、迫力ある建機を目の当たりにし、熱心に質問していました。
コマツへの質問と回答
社会広聴会員:
コマツウェイについて教えてください。
コマツ:
コマツには、いつの時代でも変わらずに持ち続けるべき行動様式、心構えを示した「コマツウェイ」があります。経営に携わる者には、経営の品質と信頼を高めることなどが盛り込まれた「トップマネジメント5項目」が定められ、モノ作りの競争力強化のためには、品質や信頼性の追及などの「モノ作りの7項目」が定められています。コマツウェイは、明文化されることにより全世界で共有され、社員一人ひとりの現場力を伸ばし、持続的な成長を目指すために役立っています。
 
社会広聴会員:
海外には、いつごろから進出しましたか。
コマツ:
1943 年(昭和18年)に日本で初めてブルドーザーを開発し、1955年(昭和30年)にアルゼンチンへ初の海外輸出を行いました。その後1963年(昭和38 年)には、政府の貿易の自由化に伴う米国製のブルドーザーの輸入に対抗して、高品質な商品の開発に着手しました。これが品質管理に力を入れるきっかけとなり、現在に至っています。また、この年を機にグローバル化が加速しました。1967年(昭和42年)にベルギーに初の販売子会社を、1975年(昭和50 年)にはブラジルに初の生産子会社を設立しました。コマツは日本のブランドですが、需要のあるところでモノを作る、それぞれの国で作ったものは、その国で 受け入れられやすいとの考えの下、その後も各国で子会社を設立し、現在では地球規模の建設機械メーカーとして活躍しています。
 
社会広聴会員:
安全への取り組みについて教えてください。
コマツ:
安全には、製品そのものを安全に作ることと、製品を現場で安全に使用することの2点があると考えています。
安全な商品の開発の事例としては、機械が作業中に万が一転倒しても運転席内の作業者の安全が確保できる設計にしていることや、死角となる機械後方にカメ ラを標準装備し、運転席のモニターから、安全に作業が行える工夫をしています。
現場で安全に使用するための取り組みとしては、機械を操作する人やその会社の経営者を対象とした様々な講習会を無償で開催しています。
 
社会広聴会員:
地雷除去プロジェクトについて教えてください。
コマツ:
コマツでは、建設機械の技術を生かした社会貢献活動として、カンボジアやアンゴラで対人地雷除去活動を行っていま す。
地雷除去機はブルドーザーがベースです。車両前面に装着されたつめの付いたローラーとのれん状になった鎖でできた特殊な部品から成っています。このロー ラーで地表30cm程を耕し、地雷を爆発させながら除去する仕組みです。
対人地雷除去のノウハウを持ったJMAS(NPO法人日本地雷処理を支援する会)と協力し、地雷除去機の貸し出し、地雷を除去した跡地に畑や学校を建設 するなどの地域の開発協力を行っています。地雷除去機は、車両前面のアタッチメントを交換することで、地雷除去後の土地の整備にも役立っています。
 
社会広聴会員:
環境への取り組みについて教えてください。
コマツ:
環境と安全は経営方針の最優先事項であり、企業が社会に果たすべき責任であると考えます。同時に、環境に対応する製品を開発することが、他社との差別化ができるチャンスであるともとらえています。
コマツ製品には、「生産→代理店へ販売→お客さまの下で稼動→廃棄」というライフサイクルがあり、そのどの場面にも環境問題がかかわっています。試算に よると、ライフサイクルの内、二酸化炭素(CO2)の排出が最も多いのは稼動現場で、全体の90%に相当します。メーカーとしてこの状況を改善したいと考えました。自社工場での積極的な環境改善はもちろん、利用するお客さまが環境負担削減を可能とするために、ハイブリッド建機や無人建機などの「ダントツ商品」を開発しています。そのほか、インドネシアにおける植林活動などの緑化活動も積極的に行っています。
 
参加者の感想から
●以前、鉱山で作業をするコマツの大きな建機をテレビで見て興味を持っていました。間近に見て、迫力に驚かされ、試乗もできて大変感激しました。

●現場の方々が、「建機は信頼できる親友」と愛情を持って接している様子に好感が持てました。また、安全、環境に対する姿勢は神経質と思えるほどだと感心 しました。

●コマツの意欲的、そして堅実な経営方針に触れ、日本のモノ作りの原点に触れたような気がしました。
景気に左右されずに、今後も1に安全、2に環境、業績は3番目という姿勢を持ち続けてほしいです。

●環境破壊は人類の活動の中では仕方のないことですが、地雷除去などコマツはCSR活動を通して環境破壊を補う活動をしていることを理解しました。

お問合せ先
(財)経済広報センター 国内広報部
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-3-2 経団連会館19階
TEL 03-6741-0021 FAX 03-6741-0022
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