企業と生活者懇談会
2007年6月7日 愛知
出席企業:トヨタ自動車
見学施設:元町工場、トヨタ会館

「今後のクルマづくりについて考える」

6月7日、愛知県豊田市のトヨタ自動車で「企業と生活者懇談会」を開催し、生活者20名が参加しました。同社元町工場を見学した後、トヨタ会館に移動し、見学と質疑懇談を行いました。
トヨタ自動車からは広報部の中井久志第2商品・技術広報グループ長、第1企業広報グループ藤井英樹主幹と総括グループ金森暁子氏が出席しました。
トヨタ自動車からの説明
■トヨタ自動車の歩み■
 トヨタ自動車創業者の豊田喜一郎は、1933年(昭和8年)(株)豊田自動織機製作所に自動車部を設置し、当時の日本で未開拓分野の自動車づくりに取り組み始めました。
 その後、トヨタ自動車は1950年(昭和25年)の経営危機を乗り越え、現在では26カ国で生産を行い、170以上の国や地域で販売を展開する世界的企業に成長しました。
 2006年度(平成18年度)のグループ世界生産台数および販売台数はいずれも900万台を超えて、過去最高となりました。販売台数の4分の3は海外が占めています。

■元町工場■
 元町工場は、1959年(昭和34年)に操業を開始した自動車の組み立て工場です。東京ドームの35倍の広さで、約4800人の従業員が「クラウン」「エスティマ」「マジェスタ」「マークX」などを生産しています。(2006年1~12月実績:11万5千台)
 プレス、溶接、塗装、組み立てなど各工程の生産ラインがそろっており、今回は組み立てラインを見学しました。
 工場の概要説明を受けた後、ラインをたどりながら「かんばん」「あんどん」など、トヨタ生産方式(ToyotaProduction System、略称TPS)のよく知られている手法を実際に見ました。
 コースの途中には体験コーナーが設けられ、参加者は実際に車体に触れたり、ゲームで従業員と技能を競うなどして理解を深めました。
 働く人を尊重し、その考える力を継続的な改善に結び付ける姿勢を、工場の各所に大きく掲げられた「よい品よい考」の標語が物語っていました。

※「かんばん」
ジャストインタイム生産を実現するための管理道具。生産、運搬の指示情報、目で見る管理の役割をする。
「あんどん」
現時点の異常場所を一目で判断できるようにした電光表示盤。その他の情報も含め、関係者へのアクションを促す。

■トヨタ会館■
 トヨタ会館は、トヨタが目指す豊かなモビリティ社会と最新の自動車技術を展示するトヨタ自動車の企業展示館です。ハイブリッド技術、ITSなど環境や安全への取り組みなどを見学しました。
 特に、1人乗り未来ビークル「i-unit」や、人の暮らしをサポートする「トヨタ・パートナーロボット」によるトランペット吹奏の実演が印象に残りました。

※ITS
情報通信技術を用いて人と道路と車両を結び付け、交通事故や渋滞などの交通問題解決を目的とするシステム。
トヨタ自動車への質問と回答
社会広聴会員:
トヨタが世界有数の自動車メーカーになった秘訣は一体どこにあるのでしょうか。
トヨタ自動車:
トヨタ自身は自分たちが成功したとは思っておりません。環境や安全の問題に今も真剣に取り組んではいますが、自動車を通じて豊かな社会づくりに貢献するという理想には、まだまだ遠いと感じています。これからも「知恵と改善」「人間性尊重」を理念に、まじめにモノづくりを行っていくことが大切だと思っています。  現在、その理念を明文化して、海外でも展開しています。
 
社会広聴会員:
日本国内での自動車販売が低迷しています。どのような対策をとっていますか。
トヨタ自動車:
国内の販売回復に特効薬は多分なく、お客さまが買いたいと思う商品をいかに早く製品化できるかにかかっていると思います。そのため、車の使い方を含めて、乗ったらこういう楽しみがある、というような付加価値を付けて、販売店とともにお客さまにご提案するよう努力していきます。
 
社会広聴会員:
自動車の部品を納入するサプライヤーとどのような協力関係を築いていますか。
トヨタ自動車:
自動車は約2~3万点の部品で構成されており、良い自動車をつくるには、関連する多くの企業とのパートナーシップが不可欠です。 そこでトヨタは、(1)オープンで、公正かつ公平な参入機会の提供、(2)相互信頼に基づく相互繁栄、(3)良き企業市民を目指した海外での現地化の推進、の3つを柱にサプライヤーと協調を図っています。
 
社会広聴会員:
グローバル企業として、外国人労働者の受け入れをどのように行っていますか。
トヨタ自動車:
日本国内の製造現場には外国人労働者はいませんが、技術や事務職場で約50名が働いています。また、海外の現地法人の社員約480名が我々と一緒に1、2年間仕事を通じて研修をしています。
 
社会広聴会員:
仕事を通じた研修とはどのようなものですか。
トヨタ自動車:
当社の研修は、製造現場や技術、事務職場でも仕事を通じて先輩が後輩を指導する、あるいは上司が部下を指導することが基本になっています。これを補完するため、資格に応じた研修がありますが、その研修テーマも必ず仕事に役立つものとし、「研修のための研修」はしません。
 
社会広聴会員:
「プリウス」などのハイブリッド車の次にはどのような地球環境にやさしいエコカーを計画していますか。
トヨタ自動車:
燃料を供給するインフラ整備という問題もあり、どういう車がいつ実用化されるかをお答えするのは難しい問題です。しかし、環境のコア技術はハイブリッド車であると考えています。この場合、ハイブリッドとは、異なる動力源をうまく組み合わせる技術のことをいいます。当社は、様々な動力源について研究・開発を進めており、エネルギーの無駄をなくしていくような車を実用化していきたいと考えています。
 
社会広聴会員:
車づくり以外に、社員として実践している環境への取り組みがあれば教えてください。
トヨタ自動車:
クールビズなどに加え、「ボランティアセンター」を設置して、従業員が個人として環境関係を含めたボランティア活動に参加することを支援しています。
 
社会広聴会員:
高齢社会に対応して、安全を確保するためにどのような技術開発を考えていますか。
トヨタ自動車:
高齢者の方だけではなく、すべての方が安全に運転できるよう力を入れて取り組んでいます。例えば、衝突しそうになると車がドライバーに警報を出したり、ブレーキを踏み損なうと車がブレーキをかけるようなシステムを、すでに実用化しています。また、車単体では防ぎきれない事故に対しては、道路環境と車を情報で結び、安全を守るようなITSなどのシステムを開発中です。
参加者の感想から
●2階から見る見学コースは大変合理的でした。説明は分かりやすく、「百聞は一見にしかず」でした。

●トヨタ自動車が国際競争に勝ち残るため、社員が厳しい姿勢で挑んでいることを感じました。

●日本の企業から世界的企業へ脱皮し、さらに成長を目指して創意工夫をする姿を見せていただきました。

●グローバル企業とは、様々な文化的背景を持つ世界の人々が、共感を持って働く企業だと思いました。

●「トヨタが変われば世界が変わる」。国民の一人としてトヨタを今後も応援していきます。

●トヨタが良い会社であることが伝わり、広報の力を感じました。実際に「かんばん」方式を見て、能率良く作業が進んでいく仕組みに感心しました。

●企業の実態をありのままに見ることと、双方向のコミュニケーションの意義をあらためて感じました。

●無駄を省き、効率を上げている元町工場の生産ラインを見て、さすがトヨタ方式だと思いました。

●経営トップから担当者、関係企業に至るまで一貫した努力と思いやりの心、愛を感じました。

●工場見学の説明も大変分かりやすく、トヨタ自動車躍進の秘密を感じました。

●組み立てラインはとにかく興味深く、自動化が進んでいて、英知の集積といった感じでした。トヨタのおごることのない謙虚な姿勢に感銘を受けました。

●現場の声による改善提案の積み重ねが企業の力となっていくのだと思いました。

●参加者の皆さんは年齢層も幅広く、皆目的意識を持った熱心な方ばかりで、圧倒されました。

●現場で活躍する女性の姿や仕事と育児、介護の両立支援は好感が持てました。もっとPRすれば企業のイメージアップにつながると思います。

●バス移動の時間を有効に活用し、概要説明をいただいたことに感心しました。

●トヨタは理想と現実のギャップを問題ととらえ、おごることなく日々頑張っている企業だと感じました。
お問合せ先
(財)経済広報センター 国内広報部
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-3-2 経団連会館19階
TEL 03-6741-0021 FAX 03-6741-0022
pagetop