● JERAからの説明第242回【愛知 2024年9月11日】9月11日、碧南火力発電所(愛知県碧南市)で「企業と生活者懇談会」を開催し、社会広聴会員11名が参加しました。まず、JERA から会社概要について説明があり、次に、同発電所の概要、燃料の石炭にCO2を排出しないアンモニアを混ぜて燃やす「燃料アンモニア転換実証事業※」の現状や、今後の取り組みなどについて講話を受けました。続いて、実際に所内を見学し、海外から船で運ばれる石炭を陸揚げして保存する貯炭場、発電に使用する巨大なボイラ建屋、アンモニア保管用タンクなどを実見しました。最後に質疑懇談を行い、サステナビリティの取り組みなどについて意見交換を行いました。JERA からは、広報部長島田勇一氏、碧南火力発電所副所長加藤孝雄氏、同発電所管理ユニット課長代理柴垣光男氏が出席しました。環境を守りながらエネルギーをつくる JERAの最先端技術を学ぼう!JERAの概要1 ● ネットワーク通信 No.101 JERA は2015年、東京電力と中部電力の合弁契約によって誕生したエネルギー事業を営むメガベンチャー企業です。JERA という社名には、「日本(JAPAN)のエネルギー(ENERGY)を新しい時代(ERA)へ」という意味が込められています。石炭・液化天然ガス(LNG)といった燃料資源の探鉱、開発・生産、調達、輸送から、受入、貯蔵、発電、卸売販売までの一連の流れについて、全ての分野に携わっており、既成概念にとらわれないボーダレスな事業を展開しています。事業規模はワールドクラスで、特にLNG年間取扱規模約3500万トンは世界最大級です。非上場企業であるため、企業の総資産・売上高ランキングなどに名を連ねることは少ないですが、国内の上場企業全体でも約30位に相当する総資産・売上高を誇っています。また、2022年度の発電容量約6100万キロワットは日本最大で、国内の電力需要の約3割にあたる約2350億キロワットアワーを1年間で発電しています。日本に保有する火力発電所は東京湾、伊勢湾を中心に26カ所あります。約3000名の技術者が従事しており、高度な運転技術と最先端のデジタル技術を用いて、日本に届けられた燃料を効率的に電気へと変換し、消費者のもとへ届けています。 さらに、国内で培ったノウハウを活用し、世界各国で火力や再生可能エネルギーなどの発電事業を展開しており、10以上の国・地域で約30件のプロジェクトに参画しています。同社は燃料を調達するだけでなく、資源の開発・生産プロジェクトにも参画していますが、これは、燃料資源を安定して日本に届け、エネルギーの確実な確保を実現するためです。2023年3月末時点では、6件の開発投資を行っています。また、LNG輸送船を19隻保有しており、自社で自由に使える輸送船団を持つことで、安全性を高いレベルで確保しながら、状況に応じた柔軟な燃料調達を可能にしています。他にも、石炭・LNGの価格差・品質差・地域の需給差などを利用した燃料トレーディング事業に取り組んでいます。これらの取り組みなどによって、安定調達とコストの低減を目指しながら、競争力のある燃料調達を実現しています。 同社は、2035年に向けたビジョンとして「再生可能エネルギーと低炭素火力を組み合わせたクリーンエネルギー供給基盤を提供することにより、アジアを中心とした世界の健全な成長と発展に貢献する」ことを掲げています。2020年には、2050年時点で国内外の事業から排出されるCO2の実質ゼロに挑戦する「JE※国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)助成事業:アンモニア混焼火力発電技術研究開発・実証事業株式会社JERA碧南火力発電所
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