● ヤクルト本社からの説明第243回【茨城 2024年10月2日】10月2日、ヤクルト本社茨城工場(茨城県猿島郡)で「企業と生活者懇談会」を開催し、社会広聴会員14名が参加しました。「ヤクルト」誕生までの歴史や、「ヤクルト」の機能、今後の事業展開などの説明を受けました。その後、「Y1000」や「ヤクルト原料液」の製造ラインを見学しながら、生産工程や品質・衛生管理などについて解説を受け、最後に質疑懇談を行いました。ヤクルト本社からは、広報室長堀千佳子氏、同室広報班課長本川晋也氏、同室広報班担当課長市川弥寿子氏、ヤクルト本社茨城工場工場長長谷川能弘氏、同工場総務課主任長濵美香氏が出席しました。「ヤクルト」のおいしさや体にいい秘密を学ぼう!ヤクルト本社の概要ヤクルト本社茨城工場の概要5 ● ネットワーク通信 No.101 昭和初期、感染症で亡くなる人が多かった時代に、「一人でも多くの人を健康にしたい」という創始者である医学博士代田稔の想いからヤクルトの歴史は始まりました。京都帝国大学医学部で微生物の研究を始め、5年の年月を経て、生きたまま腸に到達する乳酸菌の強化培養に成功しました。それが「乳酸菌 シロタ株」です。腸内で有用な働きをする「乳酸菌 シロタ株」が含まれた飲料を毎日飲むことにより、人々の健康づくりに役立ててもらうことを願って、1935年に「ヤクルト」の名称で販売を開始しました。戦後、全国に拡大し、「ヤクルト」の販売会社を統括する組織として、1955年にヤクルト本社が設立されました。 また、代田は、病気にかからないようにする「予防医学」や、腸を丈夫にすることにより健康で長生きにつながる「健腸長寿」が大事であると考えました。そこで「乳酸菌 シロタ株」を一人でも多くの人に手軽に飲んでもらいたいという思いから「誰もが手に入れられる価格で」提供することを提唱します。ヤクルトではこうした思想を「代田イズム」と呼び、全ての事業の原点としています。 現在「ヤクルト」は、日本を含む40の国と地域で販売しています。海外における乳製品の販売本数は、2023年には年間で1日約2880万本に達しました。商品は店頭販売の他、独自の販売システムであるヤクルトレディによって届けられています。国内ではインターネットでの注文にも対応しています。 同社中央研究所は「代田イズム」を継承し、人の健康に有益な効果のある微生物、プロバイオティクスの研究を続けています。最近の研究では、腸内細菌がお腹の調子だけでなく、免疫、そしてストレスやうつ病などメンタルヘルスにも影響を及ぼすことが明らかとなり、世界的にも注目を集めています。研究の成果は、食品の他、医薬品や化粧品にも応用されています。 同社は、コーポレートスローガン「人も地球も健康に」に基づいて、地球環境の保全にも積極的に取り組んでいます。国内全ての工場において2022年7月に生産工程で使用する購入電力を全て再生可能なエネルギー電力に切り替えました。その結果、CO₂排出量を2018年度比約40%の削減に成功しました。 長期ビジョン「Yakult Group Global Vision 2030」において「世界の人々の健康に貢献し続けるヘルスケアカンパニーへの進化」を目指す姿として掲げており、グローバル展開の強化、事業領域の拡大、環境課題への対応を通じて、これからもお客さまニーズの充足に努めるとともに、健康に関する社会課題の解決に取り組んでまいります。 茨城工場は、1967年に操業を開始し、現在従業員数約180名で事業を行っています。敷地面積は約4万5900平方メートルで、これは東京ドーム1個分に相当する広さです。2007年に新工場棟を建設し、見学が可能な工場になっています。新型コロナウイルス感染拡大防止のため休止していた工場見学が、2024年4月から約4年ぶりに再開されました。これに伴い、見学通路のリニューアルやフォトスポットコーナーが新設されました。株式会社ヤクルト本社茨城工場
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