● ヤクルトの「安全・安心」への取り組みかくはんタンクの洗浄異物除去装置150項目以上の検査7 ● ネットワーク通信 No.101拌プロペラを回転させて、お湯とアルカリ封することで、衛生的に充填することができます。充填機内は病院の手術室と同じくらい清浄な空気が送り込まれています。 充填後は、アルミキャップの粘着強度の確認を行い、「液中底異物検査装置」で容器の底から画像を使って異物が混入していないことを確かめます。そして「マルチシュリンク包装機」で製品を6本1パックにまとめて包装したものや、1本ずつの単品製品を「再シュリンク包装機」で24本ごとにまとめていきます。まとまった製品は「容器個数整列検査装置」で正しい本数がきれいにパックされていることをチェックします。これまで多くの機械で検査を行ってきましたが、「金属検出装置」でヤクルトに金属が混入していないことを最終確認します。機械での確認後、最後は人の手でフィルムの破れや液漏れが発生していないかなどを確認し、これらの検査を通過した製品が冷蔵庫へと運ばれます。庫内の製品はさまざまな品質検査を行うため、製品完成の当日ではなく翌日に出荷されることとなります。 高さ約5メートル、直径約3メートルのタンクは空になると洗浄・殺菌が行われます。まず初めに、タンクの中の攪洗剤で自動洗浄を行います。次に人の手による手洗い洗浄が行われます。タンクの中に入ってタンク内の細かい部品を洗浄するだけでなく、タンクに異常がないかの確認も同時に行います。【解説を聞いている時に、新入社員が先輩からタンク洗浄についての研修を受けている貴重な場面を見学することができ、参加者はガラス越しにエールを送りました。】 最後に、タンク内に高温の蒸気を送り込み、殺菌して完了です。蒸気は細かな配管まで殺菌することができます。 「ヤクルト」を製造する各工程で、異物除去装置が設置されています。異物除去装置内は、銀の筒状のフィルターが入っており、表面は網目状の小さな穴が開いています。中から懐中電灯を照らしても光がほとんど漏れないほど細かい穴です。 原料を受け入れてから製品出荷に至るまで、150項目以上の検査を行っています。その中でも代表的な3つの検査、理化学検査、官能検査、微生物検査について解説がありました。理化学検査ではサンプル品を使用して、比重、糖度、酸度、pHなどを検査しています。官能検査は検査員の感覚器官(味覚、臭覚、視覚)を用いて香りや味などを検査するものであり、製品の品質に異常がないかを確認します。検査員は年に1度行われる試験に合格する必要があります。微生物検査は乳酸菌以外の雑菌が混入していないことを確認する検査です。 ヤクルトの乳製品工場では、ISO22000(食品安全マネジメントシステムの国際規格)※に、顧客満足・品質保証の考え方を組み込んだ独自の仕組みを運用しており、茨城工場は2021年10月に認証を取得しました。ヤクルトの徹底した品質管理に参加者は感銘を受けていました。茨城工場入り口前で集合写真※ ISO22000(食品安全マネジメントシステムの国際規格):危害を除去、低減するために重要な工程を管理するHACCPの考え方を取り入れ、食品の安全を確保し、継続的に改善するための管理手法工場見学の様子
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