ネットワーク通信102号
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● 帝人からの説明帝人の概要9 ● ネットワーク通信 No.102 帝人は1918年、総合商社鈴木商店の大番頭・金子直吉と、研究者・久村清太、秦逸三らが日本で初めて人工絹糸レーヨンの生産技術を確立し、帝国人造絹糸として誕生しました。レーヨンは絹のような光沢と滑らかな肌触りが特徴で、着物や洋服などの素材として人々の生活に広く浸透していきました。山口県岩国市、広島県三原市などに工場を開業し、1930年代にはレーヨン生産量で国内トップとなり、日本の繊維産業をけん引する企業になりました。 1950年代には、ポリエステル繊維「テトロン®」の開発に成功します。高い耐久性と速乾性、シワ回復力などを持ち、洗濯の手間を省くことができるため、衣料品だけでなく産業資材としても幅広く利用されるようになりました。  1960年代には、耐熱性、耐衝撃性、透明性に優れたポリカーボネート樹脂の生産を開始します。当時は高度経済成長期にあたり、プラスチック製品の需要が大幅に増加しており、高性能なプラスチック素材が求められていました。のちにポリカーボネート樹脂は、自動車、電気・電子機器、建築など幅広い分野で活用されることになります。また、この頃に社名が現在の帝人に変更されました。 1970年代には、石油開発、化粧品、外車輸入販売、医薬品など、本業の枠を超え事業の多角化を進めました。その大半は数年内に撤収を余儀なくされる中、医薬品・ヘルスケア分野は現在も継続し、主要な事業となっています。 1980年代以降は、さらなる高機能素材の開発に挑戦し、アラミド繊維「テクノーラ®」の開発に成功するなど、高機能素材メーカーとして事業を拡大していきます。アラミド繊維は非常に高い強度と耐熱性、寸法安定性などの特徴によって、国内外で幅広く採用されていきました。最近では航空宇宙産業や産業用素材の分野で用いられ、同社の代表的な製品の一つとなっています。 1980年代後半にはヘルスケア分野に本格的に進出し、医薬品や医療機器の開発・製造、そして在宅医療サービスの提供へと事業領域を拡大していきます。特に、在宅医療分野では日本におけるパイオニアとしての地位を築いています。医師の指導のもと、患者が自宅で生活をしながら受ける在宅医療サービスにおいて、同社では製品の販売だけでなく、専任担当者が医師とともに患者をフォローする地域密着型の全国ネットワークを構築しています。患者一人ひとりの命を守り、生活の質を高めることを使命として、在宅医療を支えています。 中期経営計画2024-2025では、重要産業セクターを 「モビリティ」 「インフラ&インダストリアル」 「ヘルスケア」と定めました。「モビリティ」ではCO2削減、航続距離延長、電子化、「インフラ&インダスト第244回【東京 2024年12月5日】12月5日、テイジン未来スタジオ(東京都千代田区)で「企業と生活者懇談会」を開催し、社会広聴会員12名が参加しました。まず、帝人から、会社概要と同施設の概要について説明を受けた後、施設を見学し、グループ各社の最新の技術を用いた製品・サービスなどの紹介を受けました。最後に質疑懇談を行い、環境への取り組みや人財育成などのテーマについて意見交換しました。帝人からは、コーポレートコミュニケーション部「テイジン未来スタジオ」館長本多信之氏、同部「テイジン未来スタジオ」スタッフ青柳瑞穂氏、甲斐沙優美氏、上出由紀子氏が出席しました。帝人が生み出す“世界を支えるソリューション”の秘密を学ぼう!帝人株式会社テイジン未来スタジオ

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