● 見学の様子テイジン未来スタジオの概要・特徴「Mobility」エリア企業と生活者懇談会 ● 10リアル」では再生可能エネルギーやサステナビリティへの対応、「ヘルスケア」では希少疾患や難病への治療薬や患者サポートに取り組んでいくとしています。 帝人グループは2024年にパーパスを「Pioneering solutions together for a healthy planet」としました。地球の健康を優先し、環境を守り、循環型社会を支えるとともに、より支えを必要とする患者、家族、地域社会の課題を解決することで、「未来の社会を支える会社」になることを目指し、これからも挑戦を続けます。 テイジン未来スタジオは、帝人東京本社が入居する「Mobility(モビリティ)」「Safety(セーフティ)」「Healthcare(ヘルスケア)」「Life Style(ライフスタイル)」の4つのエリアに分かれています。それぞれのエリアにグループ各社の技術展示や取引先企業に採用された製品などが多数展示されており、来場者は同社への理解を深め、未来の社会における可能性を感じることができます。また、会議スペースが設置されており、企業同士の新たなコラボレーション創出の場としても活用されています。2007年のオープン以来、帝人グループのステークホルダー約5万人が来場しており、同社が描く未来を広を行い、展示内容の刷新と合わせて、同社の製品・技術を実際にショールーム内にビルトインした展示手法も採り入れました。例えば、支柱のない受付カウンターはアラミド繊維「テクノーラ®」製のロープでつられており、窓ガラス面にはポリカーボネート樹脂を使用ビルの別棟3階にあるショールームです。施設は、 ショールームは原則一般公開されていませんが、く発信してきました。2019年には全面リニューアルした採光ブラインドが使用されています。ショールームの展示と内装から、同社の製品や技術について深く知ることができます。 入場するとまず見えてくるのが、ほぼ全て帝人グループの素材で製作されたオリジナルコンセプトカー「PU_PAⅢ」です。赤を基調としたボディーの電気自動車は二人乗りで、内部には小さなハンドルとタブレット型の液晶パネルのみがあり、アクセル、ブレーキ、サイドブレーキはありません。自動運転を意識したこの車は実際に動かすことができ、試験場を走行したことがあるそうです。 ボディーには、その成形材が鉄の約10倍の強度を持ち、重さが約4分の1という炭素繊維「テナックスTM」を使用しています。炭素繊維は、合成繊維を高温で熱し炭化させてつくられる素材で、高い強度と軽量性、耐熱性、電気伝導性といった特徴を活かして、スポーツ用品、航空機、自動車などに使用されています。 ブースには体験型展示も併設されています。参加者はまず、同じ大きさ・厚さのスチール板、アルミ板、同社の炭素繊維板をそれぞれ持ち上げて、炭素繊維板の軽量性を実感しました。スチール板は持つとずっしりした重みがありますが、炭素繊維板は扇子のようにあおぐことができるほど軽量です。次に、アルミ板単体と、その表裏両面に0.1ミリメートルの炭素繊維シートを貼ったアルミ板をそれぞれ折り曲げて、強度を比較しました。アルミ板は簡単に曲がってしまいますが、オリジナルコンセプトカー「PU_PAⅢ」に試乗アラミド繊維「テクノーラ®」製ロープでつられた受付(写真左)。「テクノーラ®」は5ミリメートルの太さで1トンの荷重に耐える頑丈な構造をしている
元のページ ../index.html#11