ネットワーク通信103号
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●生活者の企業施設見学会2025年1月29日、日経西日本製作センター大阪工場(大阪府大阪市)で、「生活者の企業施設見学会」を開催し、社会広聴会員11名が参加しました。■概要説明●大阪工場の概要 日経西日本製作センターは、日本経済新聞社の新聞事業を支える新聞印刷会社です。日経の全額出資子会社として大阪府、福岡県、愛知県に工場を持つ同社は、日経朝夕刊、日経MJを印刷し、西日本各地の新聞販売店に配送しています。また、地域情報を配信するタウン紙、イベント配布紙、大学のスポーツ紙など、多様なニーズに応えた幅広い印刷も行っています。 大阪工場は、2019年6月に竣工、同年9月に印刷を開始しました。輪転機は2セットあり、モノクロ対応の「プレス」とカラー対応の「タワー」の各3台ずつの6台1セットで構成されています。最大48ページ・24面カラーの印刷が可能で、1セットの印刷能力は朝刊で1時間当たり最大8万部。同工場で印刷している新聞は、大阪府、奈良県、和歌山県全域と、兵庫県、京都府、三重県の一部に配送されています。 災害などで停電が発生した場合でも新聞の発行が継続できるよう、電源は変電所が異なる本線・予備線の2回線で受電しています。また、非常用自家発電設備があり、白黒の新聞では24ページを1時間で12万部の印刷、最大で54時間の稼働が可能となっています。また、2023年10月から工場内全ての使用電力を再生可能エネルギーに切り替え、1年間で約1400トンの温室効果ガスの削減を行うなど、SDGs達成に向けた取り組みにも貢献しています。 今回の見学会では、日経夕刊の製作工程を見学し、最新の印刷技術や品質管理、新聞製作についての理解を深めました。●新聞ができるまで 記者が、取材した内容を記事原稿にまとめ、編集担当者にデータを送信します。デスクが原稿を確認の上、紙面に載せる大きさ、順番、写真を決めます。様々な記事や広告などを合体し、レイアウトされた紙面データが同工場に送られます。 受信した紙面データを元に、新聞を印刷する印刷機(輪転機)に掛ける刷版を作成します。刷版はCTP(製版機)を使用し、レーザー光により文字や写真をアルミ板に焼き付けて作られます。アルミ製のため、何度もリサイクルして使用することが可能です。  次 に、 輪 転 機 に 巻 取 紙 を セ ッ ト し ま す。 長 さ1万9千メートル、重さ1.2トンの巨大な巻取紙を使用しており、4ページ構成であれば、7万部を印刷することができます。240本の巻取紙を保管可能な倉庫から運び出し、輪転機への装着、交換、回収は、無人搬送車が全て自動で行っています。 輪転機に巻取紙がセットされた後、刷版を手作業で取り付けます。そのまま印刷すると文字が反転してしまうため、ブランケットと呼ばれるゴムローラーに転写してから印刷を行います。これが「オフセット印刷」と呼ばれる印刷手法です。カラーページには、ブラック(黒)、シアン(青)、マゼンタ(赤)、イエロー(黄)の4色の刷版が使われ、順番に印刷することでフルカラーを再現します。 その後、つながって印刷された紙面は、機械の上を高速で流れながら正しい順番に重ねられ、折り機で2つ折りにします。それを裁断し、出荷用に4つ折りにしていきます。新聞の下方にある穴は、折りたたむ際にずれないよう、針のついた機械に引っ掛けることによってできた跡です。また、裁断する刃は、重なって折りたたまれた厚みのある紙を高速で切るため、ノコギリのようなギザギザの形状となっ1 ● ネットワーク通信 No.103日経西日本製作センター大阪工場株式会社日経西日本製作センター

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