ネットワーク通信103号
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生活者の企業施設見学会 ● 4●生活者の企業施設見学会2025年2月26日、ENEOS根岸製油所(神奈川県横浜市)で、「生活者の企業施設見学会」を開催し、社会広聴会員14名が参加しました。■概要説明●根岸製油所の概要 ENEOSは「『今日のあたり前』を支え、『明日のあたり前』をリードする。」という決意のもと進化し続けるエネルギー・資源・素材の会社です。「今日のあたり前」を支えるため、燃料油・電気の安定供給や、生活に欠かせない石油化学品の製造・販売を手掛けています。また、「明日のあたり前」をリードするべく、水素事業、SAF(持続可能な航空燃料)事業、EV(電気自動車)事業、再生可能エネルギー事業に取り組んでいます。 根岸製油所は、1964年に操業を開始しました。敷地面積は220万平方メートルで、東京ディズニーランドの約4倍に相当し、24時間体制で石油製品を幅広く製造しています。1日の原油処理能力は15万3千バレルで、国内全体の約5%を占めています。 根岸製油所の大きな特徴は、住宅地との距離が非常に近いことです。JR根岸駅を挟んだ先に店舗やマンションが立ち並ぶ立地条件であることから、安全・防災や環境に極めて強く配慮した「都市型製油所」となっています。つくられたガソリンや軽油などの石油製品はタンクローリー、タンク貨車、船な根岸製油所と石油精製について学ぶどで運ばれます。 今回の見学会では、はじめに構内のENEOSホールで製油所の紹介映像を視聴した後、館内で展示を見学しました。その後、バスに乗って実際に製油所を見学し、安全管理の状況や緑地帯での環境保全活動の様子などを学びました。●石油精製の工程 大型タンカーで産油国から運ばれてきた原油は、そのままでは石油製品として使うことはできません。製油所では原油を精製し、ガソリンなどの各種石油製品を製造しています。最初の工程は原油を分ける「蒸留」です。加熱炉で原油を350度以上に熱し、蒸気となった原油を常圧蒸留塔(トッパー)の中に下から吹き込みます。塔の内部を上に移動するにつれて油蒸気の温度が低くなり、沸点の違いを利用して各石油留分が取り出されます。こうして原油は、LPガス、ナフサ、灯油、軽油といった留分に大まかに分けられます。常圧蒸留で残った油は、減圧蒸留装置で再び蒸留し、重油、潤滑油などに大まかに分けていきます。 次の工程は、不純物を取り除く「脱硫」です。蒸留装置で取り出した各留分は脱硫装置に送られ、硫黄が取り除かれます。硫黄は燃えると硫黄酸化物(SOx)となり酸性雨やぜんそくの原因となるため、硫黄の除去は環境保全のため非常に大切なプロセスです。水素を利用し硫化水素として取り出された硫黄は回収装置で硫黄単体に戻し、製品として出荷されます。 重油は、需要の大きいガソリンや軽油に作り替える「分解」の工程を経ることがあります。重油を接触分解装置で触媒と反応させ、炭素と水素の数が少ない分子に分解することで、ガソリンなどへ変化させることができます。他にも、ナフサ留分にはガソENEOS根岸製油所ENEOS株式会社

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