ふ と う● 見学の様子海外からの原料を運ぶ大型船が専用埠頭に接岸している様子横浜磯子事業場の正門から見た様子。奥には原料を貯蔵する巨大なサイロ群が並んでいる日清オイリオ横浜磯子事業場の概要食用油の製造現場企業と生活者懇談会 ● 2頭での原料の荷揚げから、 次に見えてきたのが精製工場です。ここでは搾油した原油を精製し、製品として品質を高める工程が行われています。1日当たり1300トンどの化粧品には、伸びや発色を良くする目的で油が使われています。さらに、油を搾った後に連産品として生産する「ミール」は、牛や豚、鶏などの飼料として利用され、たんぱく源として重要な役割を果たしています。 このように日清オイリオグループの製品は、家庭の料理から加工食品、健康食品、化粧品、さらには家畜の飼料に至るまで、様々な形で生活を支えています。たって培ってきた植物油脂をはじめとする食に関わる技術をベースに、今後も「おいしくするチカラ」「健康にするチカラ」「美しくするチカラ」を追求し、植物の持つ3つのチカラを皆さまにお届けします。 横浜磯子事業場は、日清オイリオグループの国内最大の生産拠点であり、1963年に操業を開始しました。敷地面積は横浜スタジアム約7個分、約23万3100平方メートルに及び、専用埠搾油、精製、充填までを一貫して行っています。 同事業場は、食用油の製造、加工油脂や大豆たん白、ず、研究開発機能も備えているのも特徴です。敷地内にある「インキュベーションスクエア」では、研究員が日々、新製品や技術開発に取り組んでいます。 環境に配慮した取り組みも積極的に進められています。廃油などは焼却処理され、発生した熱エネルギーは水蒸気に変換されて工場の製造ラインに活用されています。排出される汚泥についても、減量化と再資源化を推進し、環境負荷の低減に努めています。 そのほか、油脂の魅力を広く伝える取り組みも行っ工場見学者向けの展示施設「あぶらミュージアム」で 日清オイリオグループは、創業来110年以上にわ化粧品の原料など多様な製品の製造拠点にとどまらています。2025年2月にリニューアルオープンしたは、子どもから大人まで楽しみながら学べる体験型展示やデジタルコンテンツを充実させています。 敷地内にはグラウンドも整備されており、「横浜磯子春まつり」などのイベントが開催されるなど、地域住民とのコミュニケーションを深める場としても活用されています。 参加者はバスに乗り構内見学へ出発しました。最初に目にしたのは、「コージェネレーションシステム」と呼ばれるエネルギー供給設備です。ここでは都市ガスを利用して発電し、発電時に発生する熱を蒸気として活用することで、エネルギーを無駄なく利用しています。 2025年4月からは脱炭素に向けて、水素も燃料として利用することを見越した新しい設備の運用を開始しています。 続いて見えてきたのが、原料加熱機です。食用油の原料となる種子を蒸気熱で温め、搾油しやすくするための設備となっています。加熱された原料は隣接する搾油工場に送られます。搾油後に出る「ミール」は、油分・水分が少ない粉末状で、ミールサイロと呼ばれる倉庫に保管され、出荷時にはサイロから直接トラックの荷台に流し込まれる仕組みとなっています。 見学当日は、オーストラリアから原料の菜種を積んだ大型船が埠頭に接岸していました。原料は、荷揚げ機を使って吸い上げ、全ての荷揚げ作業が完了するまでには、通常3日から1週間ほどかかるそうです。荷揚げされた原料は、敷地内にある191本の原料サイロに保管されます。また、国内航路向けの埠頭は敷地内に2カ所有し、油やミールを出荷する際に使用されています。
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