ネットワーク通信105号
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EVEが商品を探して棚を作業台まで運ぶ様子実際に参加者を避けながら台車を搬送するOTTOAuto Storeから荷物を取り出す様子7 ● ネットワーク通信 No.105ずつピッキングして注文に対応します。梱包工程で箱詰めと送り状の貼付を行った後、下階の中継センターへ搬送され佐川急便のネットワークと連携し、全国各地へ出荷されます。 稼働するロボットは、注文頻度を学習し、出荷の多い商品をすぐに取り出せる上段や作業者の近くに配置するなど、自律的に効率的なオペレーションを行います。電力は壁面にある充電ポイントで自動補給され、24時間365日稼働が可能です。ロボットはグループのコーポレートカラーである青に統一され、施設全体にブランドの一体感が感じられました。 続いて、棚ごと商品を運ぶ自動棚搬送ロボット「EVE(イブ)」が紹介されました。 倉庫内の棚には多数の二次元コードが貼られており、棚や区画が細かく管理されています。棚の中には多種多様な商品が分類・収納され、サイズや形状に応じて配置場所が決められています。従来は作業者が紙のリストを手に棚番号や位置、色、品目を確認しながら商品を探していましたが、EVEの導入によって必要な棚を自動で作業エリアまで搬送できるようになりました。 EVEは床面のバーコードを読み取りながら自律走行し、指定された棚の下に潜り込んで持ち上げ作業者のもとへ運びます。作業エリアでは複数台のEVEが同時に稼働しており、効率的に棚を入れ替えながら作業が進められています。ロボット同士の動線はシステムによって自動制御され、衝突や渋滞が起こらないよう最適化されています。 作業者がいないエリアの照明は消灯するなど、省エネルギーにも配慮されていました。 さらに、自律走行搬送ロボット「OTTO(オットー)」の稼働の様子も見学しました。OTTOは荷物を載せた台車の下に潜り込み、台車ごと持ち上げて出荷検品エリアまで搬送します。重い荷物を距離がある場所まで運ぶ場合でも、ロボットが行うため、作業者の負担が大幅に軽減されます。 OTTOには、人や障害物を検知すると自動で回避・停止する安全機能も備わっており、効率性と安全性を両立した搬送システムとなっています。 施設内は完全自動化ではなく、「50%の省人化」を目指した設計が採用されています。停電や機器トラブルなどの不測の事態にも対応できるよう、人の手による補完体制をあえて残しているそうです。商品の形状や素材によってはロボットで扱うには難しい場合もあり、最終的な検品や梱包の場面では、人の判断力と丁寧な作業が欠かせません。参加者は、ロボットだけに頼らず、人の力でリカバリーできる体制こそが、安定した稼働を支えていることを実感していました。

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