コーポレートブランド

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1.コーポレートブランドとは

 コーポレートブランドとは、ステークホルダーが、その会社・グループに対して抱くイメージを決定付ける無形の資産である。企業には、大きく分けると“有形資産”と“無形資産”の2つがあり、その中でも、無形資産は企業価値に、より多くの影響を与えている。無形資産の中でも、特に注目をされているのが「コーポレートブランド」である。ブランドとは、その企業(会社)らしさであり、その企業そのものをあらわすものである。その企業が出している商品・サービスが、顧客が考える「その会社らしさ」を有していることが重要である。また、企業はその独自性を表す要素をマネジメントし、自社のコーポレートブランドを築くことが必要である。

2.コーポレートブランドと広報の役割

 ブランドを中心とした経営に際しての、広報部門の役割は大きく分けて2つある。
(1) 社内に対してブランド価値の維持向上の役割。 従業員に「その会社らしさ」をよく理解させ、ブランドコンセプトに合った形での行動をさせることである。
(2) 社外に対して、広報活動を行う際に「その会社らしさ」を持つように努力する、またはブランドそのものを広報し、顧客の頭の中にブランドを確立することである。

3.コーポレートブランドの効果・活用

(1) プロダクトブランドの強化
(2) 従業員の求心力向上
(3) グループ企業の求心力向上
 コーポレートブランドは、消費者、従業員、株主、学生、取引先など、あらゆるステークホルダーがターゲットとなる。それぞれに対しては、次のような効果があるといえる。

消費者 → 顧客をつくる。商品のブランドイメージにつながり、商品の売上げにつながる。
従業員 →人材確保。意識統一を図る事が出来る。企業の考え、特徴などを従業員が共有する事で方向性の統一ができる。
更に企業グループ全体のコーポレートブランドを伝えることで、グループ会社も同じ考え方で企業経営することができる。
株主   →株価への反映。自社の株価を上げることができる。
取引先 →取引上のテコとなる。
学生・ビジネスマン →就職・転職による新しい人材の確保につながる。

4.コーポレートブランド・マネジメントの必要性

 企業は、有形資産である“ヒト・モノ・カネ・情報”については、マネジメントするために、それぞれを測定・評価してきた。今後は、無形資産であるコーポレートブランドについても、その価値を何らかの方法で測定・評価することが求められ、その価値を高めるためのマネジメントが必要である。
 商品やサービス、従業員の行動などが伴っていないと、コーポレートブランドの構築は企業にとって悪影響を及ぼしかねない。商品、サービス、従業員、広告など、自社と顧客との全ての接点で一貫したメッセージを発信することが重要である。さらに、自社の提供価値の明確化と従業員への浸透に向けて、コーポレートブランドの提供価値に従って行動することを奨励する社内制度の整備や定期調査により、理想としているイメージと現状とのギャップを常に比較・修正できる体制を構築することも重要である。
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