経済広報

『経済広報』(2011年12月号)掲載

メディアに聞く
全国の取材網を生かし現場感溢れる記事を目指す
写真:高田 覚  
高田 覚(たかだ さとる)朝日新聞東京本社 経済部長
10月に、役職が「経済エディター」から「経済部長」に変わったが。
高田 朝日新聞の編集部門には、かつて部ごとに壁があり、縦割りだといわれていたので、それを打破するため5年前に部を廃止し、グループ制にした。それに伴い経済部長が経済エディターとなった。しかし、読者や取材先からエディターといっても何だか分からないとのご指摘があった。紙面に「経済エディター」と書かれていても、何をしている人か分からない、と。中には、社外筆者ではないかと思う人すらいらっしゃった。これでは好ましくないということで、グループ制にした精神は生かしつつ、名称を、この10月から部制に戻した。
記者には普段、どのようなことを話しているか。
高田 4月に就任して以来、「仕事は楽しく、面白がってしよう」と話している。自分が面白いと思わなければ、いい記事はできない。他のメディアよりも早く情報を取って、深みのある記事を書き、読者から評価されることが楽しさに繋がると思う。
経済ニュースを取材する体制は。民主党政権になり、取材体制も変わったのでは……。
高田 民主党政権になった2年前に、政権取材センターを設け、経済官庁を担当する経済部や政治部、文化くらし報道部などの記者が、日常的に情報交換しながら取材を進めている。
 また、東日本大震災以降は、震災復興取材本部を設置し、暮らしの再建や電力・エネルギー問題などについて、本社の各部の記者や被災地、原発が立地する総局などの記者が総力を挙げて取材している。
朝日新聞の経済報道の特徴は。
高田 10月に紙面を一部改革した。メインの記事は、発表された内容だけでなく付加価値が大きくなるよう、背景の分析や過去の経緯など、たっぷりと読んでいただけるようにした。紙面には限りがあるので、要点を簡潔にまとめた短信記事の欄も設け、より詳しい内容を電子新聞「朝日新聞デジタル」に掲載している記事もある。
 また、霞が関や大手町だけでなく、全国にある取材網を生かして現場感に溢れる記事を増やしていこうとしている。
 4月から文字を拡大して読みやすくした分、文字量が少し減ったので、すっきりと、より分かりやすい記事を目指している。内容が一目瞭然になるようグラフィックを用いるなど、親切な紙面づくりを心掛けている。
記者時代の思い出は。
高田 経済取材はバブル絶頂期の兜クラブがスタート、大蔵省や日銀などを担当し、バブル崩壊後の企業破綻や経済事件の報道が多かった。
企業広報に望むことは。
高田 記者は、読者の代表として取材している。しっかりとした視点や問題意識を持つ記者には、きちんと対応してほしい。
1959年生まれ。84年、朝日新聞社入社。岐阜支局、新潟支局、経済部(流通、財界担当)などを経て、2004年、経済部デスク。08年、be編集長。10年、社長室長補佐。11年4月、経済エディター。10月より現職。
(聞き手:国内広報部長 佐桑 徹)
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