経済広報

『経済広報』(2013年9月号)掲載
社会広聴アンケート
マスコミを通じて見聞きする経営者の発言・態度が企業イメージに大きく影響
-「情報源に関するアンケート」調査結果-
 近年のITの急速な進展を背景として、生活者は、従来の新聞やテレビなどのマスメディアを通じた情報に加え、インターネットを利用して、いつでも、どこでも必要な情報を手に入れることが可能となった。また、ソーシャルメディアの登場によって、生活者自身も自由に情報を発信できるようになる一方で、生活者は多様な情報源の中から必要な情報を選択し、正しい情報を見極める目を持つことが求められるようにもなっている。
 そこで、経済広報センターでは、生活者の情報源の利用実態や、各情報源に対して抱いている印象のほか、企業に関する情報収集の実情について調査を行い、その結果をとりまとめた。
 調査の対象は、全国の様々な職種、世代で構成される社会広聴会員のうち、インターネットで回答可能な3146人。 1872人が回答し、回答率は59.5%だった。調査期間は5月16~27日。
 回答者の属性は、男女別では、男性(844人、45.1%)、女性(1028人、54.9%)。世代別では、29歳以下(80人、4.3%)、30歳代(251人、13.4%)、40歳代(385人、20.6%)、50歳代(524人、28.0%)、60歳以上(632人、33.8%)。職業別では、会社員・団体職員・公務員(770人、41.1%)、会社役員・団体役員(82人、4.4%)、自営業・自由業(154人、8.2%)、パートタイム・アルバイト(241人、12.9%)、専業主婦・夫(322人、17.2%)、学生(22人、1.2%)、無職・その他(281人、15.0%)。
1.社会の動きを知る情報源は「テレビ」「新聞」に加え「インターネット」が柱に

 生活者が一般的な社会の動きを知ろうとする時に利用する情報源としては、「テレビ」(84%)と「新聞」(82%)がそれぞれ8割を超える。「インターネット」も79%に上り、この3つが情報源の柱となっている。
 「インターネット」は29歳以下(90%)および30歳代(88%)で「テレビ」「新聞」の割合を大きく上回り、最大の情報源として利用されている。

情報源の利用(全体・世代別)(3つまでの複数回答)
図1
2.「テレビ」は約半数が1日に1時間以上視聴。29歳以下では「ソーシャルメディア」が「新聞」の利用率を上回る
 情報源の平均的な1日の利用時間について、「テレビ」は「1時間以上2時間未満」が29%、「2時間以上」が19%と、全体の約半数が1時間以上視聴しており、ほかの情報源に比べて利用時間が長い。
 世代別では、「新聞」は29歳以下で非利用者が4割を超える一方で、60歳以上では1時間以上利用する割合が25%に上り、世代間で利用状況が大きく異なる。「ソーシャルメディア」は29歳以下の約8割が利用しており、「新聞」の利用率を上回る。
3.ネットメディアの利用が一段と拡大。若い世代ではテレビ離れの傾向も

 利用している情報源について、ここ2、3年での情報源の利用時間の変化を見ると、「インターネット」と「ソーシャルメディア」は約6割が「増えた(大幅に/多少)」としており、ネットメディアの活用が一段と進んでいることがうかがえる。
 「テレビ」では、「減った(多少/大幅に)」とする割合が29歳以下で46%、30歳代で44%に上り、若い世代においてテレビ離れの傾向が見られる。

4.「新聞」は正確で信頼できる、「テレビ」は専門的ではないが分かりやすい、「インターネット」は分かりやすいが正確さ・信頼性は低いとの印象
 各情報源の印象を聞いたところ、「新聞」は正確さと信頼性において6割近くが肯定的に評価しているほか、“分かりやすい”、“専門的”、“自身の行動・考えに影響する”といった印象も強い。
 「テレビ」は分かりやすい一方で、他の情報源に比べて専門性が低いとの印象が持たれている。
 「インターネット」も分かりやすいイメージだが、利用度合いの高い若年層でも、正確さや信頼性が低い情報源として認識されている。
 また、「ソーシャルメディア」も正確さ・信頼性が疑問視されている。
情報が正確である/正確でない(全体)(単一回答)
図2
情報が信頼できる/信頼できない(全体)(単一回答)
図3
情報が分かりやすい/分かりにくい(全体)
図4
情報が専門的である/専門的でない(全体)
図5
自身の行動・考えに影響する/影響しない(全体)
図6
*小数点以下第1位四捨五入のため、合計が100%とならない場合もある。

5.「政治・社会」「経済」は新聞・テレビ、「事件・事故」「スポーツ・芸能」はテレビ、「趣味」はインターネットが主な情報源に
 「政治・社会の動き」や「経済の動き」に関する情報収集には、「新聞」と「テレビ」が情報源として同程度(7~8割)に活用されている。これに対して、「事件・事故」については「テレビ」(85%)が「新聞」(66%)よりも積極的に活用される。「趣味」では「インターネット」(75%)のほか、「雑誌」(46%)も利用されている。
6.企業の事業内容や環境・CSR(企業の社会的責任)活動などの情報収集では「企業のホームページ」が最大の情報源。事故・不祥事対応は「新聞」「テレビ」などマスコミ情報、商品・サービス関連は「インターネット上の情報」を活用
 企業の「事業内容など」の情報収集には「企業のホームページ」(58%)が最大の情報源。「環境、CSR、社会貢献活動」でも企業のホームページが活用される。一方、「事故、不祥事など危機への対応」では、高い世代を中心に「新聞」「テレビ」などマスコミ情報を活用する割合が大きい。また、「商品・サービスの内容」や「商品・サービスの評価やイメージ」は「インターネット上の情報」が主な情報源となっており、29歳以下では「ソーシャルメディア」も活用されている。
事業内容など(全体)
財務・株価情報(全体)(複数回答)
商品・サービスの内容(全体)
商品・サービスの評価やイメージ(全体)
事故、不祥事など危機への対応(全体)
環境、CSR、社会貢献活動(全体)
7.企業のプラス/マイナスイメージ形成には「新聞、テレビなどのマスコミ情報」が影響。29歳以下ではインターネット情報の影響力も大きい
 企業に対するプラスイメージに繋がった情報としては、「新聞、テレビなどのマスコミ情報」が77%と最も高く、「商品やサービスを通じて」(56%)と「インターネット上の情報」(52%)も5割を超える。29歳以下では、「インターネット上の情報」が63%と最も高くなっている。
 マイナスイメージに繋がった情報も、「新聞、テレビなどのマスコミ情報」が78%と最も高く、プラス/マイナス共に企業のイメージ形成にマスコミ情報が大きく影響していることが見て取れる。29歳以下では、「インターネット上の情報」(63%)と「ソーシャルメディアでの情報」(30%)の割合が相対的に高く、若年層ではインターネット上の評判やクチコミの影響力も大きい。
プラスイメージに繋がった情報(全体)(5つまでの複数回答)
マイナスイメージに繋がった情報(全体)(5つまでの複数回答)
図10
*小数点以下第1位四捨五入のため、合計が100%とならない場合もある。
8.客観的な情報よりも、生活者自身の直接的な“体験”が企業イメージを大きく左右
 企業イメージに影響を与えた情報の具体的内容としては、単なる客観的な情報よりも、マスコミを通じて見聞きした経営者の発言・態度や、従業員や問い合わせ窓口の対応の善しあしなど、生活者自身の“直接的な体験”がきっかけとなったという意見が目立つ。特に、事故・不祥事や商品不具合など、何らかの問題が発生した際の対応は記憶に残り、企業に対して抱くイメージを大きく左右するようである。 
(文:国内広報部専門研究員 森田真樹子)
pagetop