経済広報

『経済広報』(2018年10月号)掲載
社会広聴アンケート

経営者の発言・態度が企業イメージに大きく影響
—「情報源に関するアンケート」調査結果—

 インターネット技術の進化により、生活者を取り巻く情報環境は大きく変化している。生活者は、従来の新聞やテレビなどのマスメディアを通じた情報に加え、インターネットを利用して多くの情報を得ることが可能になった。また、ソーシャルメディアが広く普及したことで、生活者自身も自由に情報を発信できるようになる一方、生活者は多様な情報源の中から必要な情報を選択し、正しい情報を見極める目を持つことが求められるようにもなっている。
 そこで、経済広報センターでは、生活者の情報源の利用実態や、各情報源に対して抱いている印象の他、企業に関する情報収集の実態について調査を行い、その結果を取りまとめた。
 なお、調査の詳細については、当センターのホームページをご覧ください。
https://www.kkc.or.jp/society/survey.php

調査概要
(1) 調査名称: 情報源に関するアンケート
(2) 調査対象: eネット社会広聴会員 2850人
(3) 調査方法: インターネットによる回答選択方式および自由記述方式
(4) 調査期間: 2018年5月24日~6月4日
(5) 有効回答: 1476人(51.8%)
回答者の属性
 男女別:男性(664人、45.0%)、女性(812人、55.0%)

●世代別 ●職業別
*小数第2位四捨五入

1. 社会の動きを知る情報源は「テレビ」「新聞」が中心。「インターネット」の利用はどの世代も5割超。若い世代は「ソーシャルメディア」も

 生活者が一般的な社会の動きを知ろうとする時に利用する情報源としては、「テレビ」(80%)と「新聞(インターネット版を除く)」(74%)が高い。次いで「インターネット(マスコミのニュースサイト、ソーシャルメディアを除く)」の利用が56%と、各世代で5割を超えている。「ソーシャルメディア」は若い世代ほど情報源として利用されており、29歳以下では50%と突出している(30歳代24%、40歳代17%、50歳代13%、60歳代8%、70歳以上5%)。
 情報源の利用(全体)

2. ソーシャルメディアの情報源では、ウィキペディアなどの「情報共有サイト」がトップ。若い世代ほど「SNS」やツイッター、インスタグラムなどの「マイクロブログ」を利用

 ソーシャルメディアで情報を得ようとする時には、ウィキペディアなどの「情報共有サイト」(55%)やLINE、フェイスブックといった「SNS」(38%)を情報源として利用している。若い世代ほど「SNS」の利用度が高い。また、ツイッターやインスタグラムといった「マイクロブログ」は29歳以下での利用が43%と、他の世代(5~29%)と比べて特に高い。
*調査の際、以下を表示した。

*本アンケートでは、「ソーシャルメディア」を以下のように定義しています。
ソーシャルメディア:ユーチューブやツイッター、LINEなどオンライン上でユーザー同士が情報を交換(送受信)することによって成り立つメディアや、インターネット上で個人が情報発信するブログなどの総称。
<ソーシャルメディアの代表例>ブログ アメーバブログ、ヤフーブログ、FC2ブログ、楽天ブログ など SNS(ソーシャルネットワーキングサービス) LINE、ミクシィ、フェイスブック、Google+、リンクトイン など 動画共有サイト ユーチューブ、ニコニコ動画 など 情報共有サイト ウィキペディア、クックパッド、ネイバーまとめ など マイクロブログ ツイッター、インスタグラム、タンブラー など 掲示板 ヤフー知恵袋、2ちゃんねる、教えて!goo、FC2掲示板 など ソーシャルゲーム グリー、モバゲー など(ニンテンドーDSやPSPなどの通信対応ゲームも含む)

3. 9割が「パソコン」を利用。若い世代ほど「スマートフォン」の利用が高く、「タブレット端末」の利用は各世代で2割以上

 インターネットを利用する際の機器は、「パソコン」(91%)が最も高く、「スマートフォン」が65%、「タブレット端末」が25%となっている。「スマートフォン」の利用は70歳以上では35%だが、他の世代では半数以上(56~85%)が「スマートフォン」からインターネットを利用している。「タブレット端末」の利用率は、どの世代でも2~3割となっている。

4. 「テレビ」の視聴時間はさらに短くなる傾向

 情報源の平均的な1日の利用時間について、「テレビ」は「1時間以上2時間未満」が27%、「2時間以上4時間未満」が12%、「4時間以上」が3%と、4割が1時間以上視聴しており、他の情報源に比べて利用時間が長い。しかしながら、前回(2015年)は半数以上(57%)が「テレビ」を1時間以上視聴していたのに対し、今回は42%と15ポイント減少しており、視聴時間が短くなっている。

5. ネットメディアの利用が一段と拡大。若い世代ではテレビ離れが加速

 利用している情報源について、ここ2、3年での利用時間の変化を見ると、「インターネット(マスコミのニュースサイト、ソーシャルメディアを除く)」「ソーシャルメディア」「マスコミのニュースサイト(電子版の新聞・雑誌など)」は、いずれも「増えた(大幅に/多少)」が3~4割で、ネットメディアの活用が一段と進んでいることがうかがえる。
 若い世代での「テレビ」利用時間は減少傾向にあり、この世代は新聞離れに加え、テレビ離れの傾向も進んでいるといえる。

6. 「新聞」は正確で信頼できる、「テレビ」は分かりやすい、「ソーシャルメディア」は正確さ・信頼性は低いとの印象

 各情報源の印象を聞いたところ、「新聞(インターネット版を除く)」は正確さと信頼性において6割が肯定的に評価している他、“分かりやすい”、“自身の行動・考えに影響する”といった印象も強い。「テレビ」は分かりやすいとの印象を持っている。「ソーシャルメディア」は、利用度の高い若年層においても正確さや信頼性が低い情報源として認識されている。

情報が正確である/正確でない(全体)
情報が信頼できる/信頼できない(全体)
情報が分かりやすい/分かりにくい(全体)
自身の行動・考えに影響する/影響しない(全体)

7. 「政治・社会」「経済」は新聞・テレビ、 「事件・事故」「災害などの緊急時情報」「スポーツ・芸能」はテレビ、 「趣味」はインターネットが主な情報源に

 「政治・社会の動き」の情報を収集する時に活用する情報源は、「テレビ」(77%)と「新聞(インターネット版を除く)」(70%)がそれぞれ7割以上となっている。「事件・事故」「災害などの緊急時情報」については「テレビ」が積極的に活用されている(「事件・事故」80%、「災害などの緊急時情報」78%)。「趣味」では、「インターネット(マスコミのニュースサイト、ソーシャルメディアを除く)」(57%)、「テレビ」(46%)の他、「雑誌(インターネット版を除く)」(31%)も活用されている。

8. 企業の事業内容や環境・CSR活動などの情報収集では「企業のホームページ」を利用。 一方、「事故、不祥事など危機への対応」では、「新聞」「テレビ」などマスコミ情報を活用

 企業の「事業内容など」の情報収集には「企業のホームページ」(61%)が最大の情報源。「商品・サービスの内容(価格を含む)」「環境、CSR、社会貢献活動」でも企業のホームページが活用される。一方、「事故、不祥事など危機への対応」では、「新聞(インターネット版を除く)」「テレビ」などマスコミ情報を活用する割合が高い。また、「商品・サービスの評価やイメージ」は「インターネット(マスコミのニュースサイト、ソーシャルメディア、企業が運営するソーシャルメディア、企業のホームページを除く)」が主な情報源となっている。

事業内容など(全体))
商品・サービスの内容(価格を含む)(全体)
事故、不祥事など危機への対応(全体)

9. 企業に対するプラス/マイナスイメージには、「新聞、テレビなどのマスコミ情報」が大きく影響

 企業に対するプラスイメージにつながった情報としては、「新聞、テレビなどのマスコミ情報」が74%と最も高く、「商品やサービスを通じて」(57%)と「インターネット上の情報」(49%)も5割前後と影響は大きい。
 企業に対するマイナスイメージにつながった情報も、「新聞、テレビなどのマスコミ情報」が77%と最も高い。
 プラス/マイナス共に企業のイメージ形成にマスコミ情報が大きく影響していることが見て取れる。

プラスイメージにつながった情報(全体)
マイナスイメージにつながった情報(全体)

10.マスコミを通じて見聞きする経営者の発言、態度や、問い合わせ窓口での直接的な体験が企業イメージを大きく左右

 企業イメージに影響を与えた情報の具体的内容は、マスコミを通じて見聞きした経営者の発言、態度や、従業員や問い合わせ窓口での対応の善しあしなど生活者の「直接的な体験」がきっかけとなったという意見が目立つ。特に、事故、不祥事や商品不具合など、何らかの問題が生じた際の対応は記憶に残り、企業に対して抱くイメージを大きく左右するようである。

文:国内広報部主任研究員 細萱友里子
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