ニュースリリース

2021年度

企業に対する信頼度は、肯定的評価が否定的評価を大きく上回る
-「第25回 生活者の“企業観”に関する調査」の結果について-
2022年2月15日
経済広報センター

 
 
 経済広報センター(会長:十倉雅和)は、2021年10~11月、全国の「eネット社会広聴会員」(2,726人)を対象に、「第25回 生活者の“企業観”に関する調査」を実施しました。
 本調査は、社会が企業をどのように評価しているかを把握するため、1997年度から毎年実施し、定点観測しているものです。本年度は、生活者の総合的な企業観や企業評価の際に利用する情報源に関する調査のほか、社会課題の解決に取り組む企業の商品・サービスに対する生活者の購入意欲や、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による企業に対する印象の変化、興味・関心を持った企業活動についてもアンケート調査を行い、その結果を取りまとめました。

【調査結果(要点)】

 
 <生活者の総合的な企業観>
  ◆ 企業に対する信頼度は、肯定的評価が否定的評価を大きく上回る
  ◆ 社会課題の解決に取り組む企業の商品・サービスは、「価格が高くても購入」が5割を超える  

 <コロナ禍で企業に対する印象の変化、興味・関心を持った企業活動>
  ◆ コロナ禍で「好印象の企業が増えた」が「印象が悪くなった企業が増えた」の約2倍
  ◆ マスクやワクチンに関わる取り組みに高い関心
 

 なお、調査対象は、全国3,278人の「社会広聴会員」の中で、インターネットで回答可能なeネット社会広聴会員(2,726人)が対象。有効回答数は1,290人(有効回答率:47.3%)、調査期間は、2021年10月28日~11月8日。



 

「第25回 生活者の“企業観”に関する調査」結果の概要

 

 

1.企業の果たす役割や責任として最も重要視されているのは、「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」
 企業の果たす役割や責任の重要度については「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」が最も高く、79%が「非常に重要である」と回答している。続いて「不測の事態が発生した際に的確な対応を取る」(59%)、「社会倫理に則した企業倫理を確立・順守する」(54%)の各項目で、「非常に重要である」が5割を超えている。

2.企業の対応状況は、「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供している」が86%と高水準を維持
 企業の果たす役割や責任について、企業がどの程度対応しているかを聞いたところ「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」は「対応している(対応している/ある程度)」が86%と、高水準を維持している。

3.企業への信頼度は、肯定的評価が否定的評価を大きく上回る
 
企業に対する信頼度は、「信頼できる」が3%、「ある程度信頼できる」が41%と、44%が肯定的な評価を示し、否定的な評価9%(「あまり信頼できない」8%、「信頼できない」1%)を大きく上回っている。前回調査(2020年度)では、「信頼できる(信頼できる/ある程度)」が45%で、近年は同水準を維持している。

4.企業が信頼を獲得するための最重要事項は、「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」で87%。「省資源・省エネや環境保護などに取り組む」が約5割と、環境問題への関心が高まる
 
企業が社会からの信頼を今後さらに勝ち得ていくための重要事項としては、「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」が87%で最も高い。「省資源・省エネや環境保護などに取り組む」は49%で、前回調査(2020年度45%)から4ポイント高く、近年、環境への取り組みを重要視する傾向がある。

5.企業評価の際の情報源は、「新聞(ウェブ版を除く)」に次いで「テレビ」
 
企業を評価する際の情報源は、「新聞(ウェブ版を除く)」(72%)、「テレビ」(68%)が特に高い。続いて「情報提供会社のウェブサイト・ソーシャルメディア(ニュース配信サイト・アプリなど)」(48%)、「企業が運営するウェブサイト」(37%)となっている。「雑誌・書籍」は33%で減少している。

6.商品・サービスを購入する際に重視するのは「商品・サービスの品質を優先して購入を決める」が9割を超える
 
商品・サービスを購入する際に重視する項目について、「商品・サービスの品質を優先して購入を決める」が92%と最も高い。続いて「商品・サービスの安全性を優先して購入を決める」(67%)、「商品・サービスの価格を優先して購入を決める」(59%)が5割を超え、前回調査(2020年度)と大きな変化はない。

7.社会課題の解決に取り組む企業の商品・サービスは「価格が高くても購入する」が5割を超える
 
社会課題の解決に取り組む企業の商品・サービスの購入意欲について、「価格が高くても購入する(高くても購入する/多少)」が56%と、前回調査(2020年度54%)と同様に5割を超えている。「同価格であれば購入する」を含めると、97%となっている。

8.新型コロナウイルスの感染拡大の影響による企業に対する印象は、「好印象の企業が増えた」が29%と、「印象が悪くなった企業が増えた」の約2倍
 
新型コロナウイルスの感染拡大の影響による企業に対する印象は、「好印象の企業が増えた(増えた/少し)」が29%で、「印象が悪くなった企業が増えた(少し/増えた)」(15%)を上回っている。
 「どちらともいえない・特に変化はなかった」(57%)が5割を超えているものの、「好印象の企業が増えた(増えた/少し)」は「印象が悪くなった企業が増えた(少し/増えた)」の約2倍となり、コロナ禍で好感を持つ企業の割合が増えていることが分かる。

9.コロナ禍で興味・関心を持った企業活動は、マスクやワクチンに関わる取り組み
 
コロナ禍で興味・関心を持った企業活動は、「国産マスクの製造」「適正価格でのマスク販売」「マスク・消毒薬の増産」「国内産ワクチン・治療薬の開発」などのマスクやワクチンに関するものや、「店舗の衛生管理の徹底」「非接触配達の導入」などの感染症予防対策、「コロナ患者への療養施設提供」などの医療従事者支援が挙がっている。また、「リモートワークの推進」「雇用維持に向けた企業努力」「技術開発への投資」などへの関心も高い。

 

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