ニュースリリース

2023年度

企業への信頼に関する評価は、肯定が否定を大幅に上回る
-「第27回 生活者の“企業観”に関する調査」の結果について-
2024年2月20日
経済広報センター

 

 経済広報センター(会長:十倉雅和)は、2023年10月~11月、全国の「eネット社会広聴会員」(2,340人)を対象に、「第27回 生活者の“企業観”に関する調査」を実施しました。
 本調査は、社会が企業をどのように評価しているかを把握するため、1997年度から毎年実施し、定点観測しているものです。本年度は、生活者の総合的な企業観や企業評価の際に利用する情報源に関する調査のほか、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類に移行したことを受けて、生活者がウィズコロナ時代の企業活動について、どのように認識しているのかについてもアンケート調査を行い、その結果を取りまとめました。
 


【調査結果(要点)】

<生活者の総合的な企業観>

企業への信頼に関する評価は、肯定が否定を大幅に上回り、肯定は前回調査よりも増加
企業を「信頼できる」理由として、円安や地政学的リスクが事業に影響する中でも、消費者や従業員の安全・安心を優先事項とし、社会の要請に応えた商品・サービスの提供、雇用維持、先進的な技術開発などに取り組む努力を評価する意見などが挙げられた
企業が社会からの信頼を今後さらに勝ち得ていくための重要事項は、「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」が87%と最も高い

<コロナ禍を経て変化した企業に対する印象>

新型コロナウイルス感染症に関する企業の対応や取り組みに対する印象は、「好印象の企業が増えた」が「印象が悪くなった企業が増えた」の2倍強
「好印象の企業が増えた」理由として、社会の需要に対応し医療用品の生産に参画するといった柔軟な事業展開、リモートワーク推進などによって従業員の働きやすさを追求する企業姿勢、5類移行後の需要回復に合わせた適切な対応力を評価する意見などが挙げられた

 なお、調査対象は、全国2,738人の「社会広聴会員」の中で、インターネットで回答可能なeネット社会広聴会員(2,340人)が対象。有効回答数は983人(有効回答率:42.0%)、調査期間は、2023年10月26日~11月6日。

 

 

 

 


「第27回 生活者の“企業観”に関する調査」結果の概要
 

1.企業の果たす役割や責任として最も重要度が高いのは「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」
 企業の果たす役割や責任の重要度については、「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」が最も高く、79%が「非常に重要である」と回答している。続いて「不測の事態が発生した際に的確な対応を取る」(59%)、「社会倫理に則した企業倫理を確立・順守する」(56%)が5割を超えている。


2.企業の対応状況は「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供している」が85%と高水準を維持
 企業の果たす役割や責任について企業がどの程度対応しているかを聞いたところ、「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」は「対応している(対応している/ある程度)」が85%となり、前回調査(2022年度84%)と同様に高水準を維持している。
 

3.企業への信頼度は、肯定的評価が否定的評価を大きく上回り、肯定的評価は前回調査(2022年度)よりも増加
 企業に対する信頼度は、肯定的評価が47%(「信頼できる」4%、「ある程度信頼できる」43%)と、否定的な評価8%(「あまり信頼できない」7%、「信頼できない」1%)を大きく上回り、前回調査(2022年度)の「信頼できる(信頼できる/ある程度)」の44%から増加している。
 

4.企業が信頼を獲得するための最重要事項は「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」が87%で最も高い
 企業が社会からの信頼を今後さらに勝ち得ていくための重要事項としては、「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」が87%と最も高い。続いて「雇用を維持・創出する」(59%)、「経営の透明性を確保し、情報公開を徹底する」(51%)、「社会倫理に即した企業倫理を確立・順守する」(51%)で、5割を超えている。
 

5.企業評価の際の情報源としては、最も多いのは「新聞(ウェブ版を除く)」、次いで「テレビ」
 企業を評価する際の情報源は、「新聞(ウェブ版を除く)」(71%)、「テレビ」(64%)が特に高い。
 

6.企業を評価する際に、「企業からの発信」「メディアからの発信」を約8割が信用
 企業評価の際に利用する情報の発信者の信用度について、「企業からの発信(企業のウェブサイト、各種刊行物、ソーシャルメディアなど)」を80%が「信用する(信用する/ある程度)」と回答。「メディアからの発信(ニュースや記事など報道)」も79%と高い信用を得ている。
 

7.商品・サービスを購入する際に、9割が「商品・サービスの品質を優先して購入を決める」を重視
 商品・サービスを購入する際に重視する項目として、「商品・サービスの品質を優先して購入を決める」が90%と最も高い。5割を上回っている項目は、「商品・サービスの安全性を優先して購入を決める」(68%)、「商品・サービスの価格を優先して購入を決める」(60%)となっている。
 

8.社会課題の解決に取り組む企業の商品・サービスを「価格が高くても購入する」は5割
 社会課題の解決に取り組む企業の商品・サービスの購入意欲については、「価格が高くても購入する(高くても購入する/多少)」が54%と、前回調査(2022年度50%)と比べて4ポイント増加している。
 

9.新型コロナウイルス感染症に関する企業の対応や取り組みに対する印象は、「好印象の企業が増えた」が「印象が悪くなった企業が増えた」の2倍強
 新型コロナウイルス感染症に関する企業の対応や取り組みで、企業に対する認識に変化があったかを聞いたところ、「好印象の企業が増えた(増えた/少し)」が29%で、「印象が悪くなった企業が増えた(増えた/少し)」の11%を上回っている。
 

お問い合わせ先
経済広報センター 国内広報部
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-3-2 経団連会館19階
TEL 03-6741-0021 FAX 03-6741-0022
pagetop