-「第28回 生活者の“企業観”に関する調査」の結果について-
経済広報センター(会長:十倉雅和)は、2024年10月、全国の「eネット社会広聴会員」(2,310人)を対象に、「第28回 生活者の“企業観”に関する調査」を実施しました。
本調査は、社会が企業をどのように評価しているかを把握するため、1997年度から毎年実施し、定点観測しているものです。本年度は、生活者の総合的な企業観や企業評価の際に利用する情報源に関する調査のほか、企業不祥事を生活者がどのように見ているかを把握するため、不祥事の原因や防止策についてもアンケート調査を行い、その結果を取りまとめました。
【調査結果(要点)】
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なお、調査対象は、全国2,709人の「社会広聴会員」の中で、インターネットで回答可能なeネット社会広聴会員(2,310人)。有効回答数は985人(有効回答率:42.6%)、調査期間は、2024年10月17日~10月28日。
「第28回 生活者の“企業観”に関する調査」結果の概要
1.企業の果たす役割や責任として最も重要度が高いのは「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」
企業の果たす役割や責任の重要度については、「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」が最も高く、78%が「非常に重要である」と回答している。次いで、「不測の事態が発生した際に的確な対応を取る」(59%)、「社会倫理に則した企業倫理を確立・順守する」(56%)が5割を超えている。
2.企業の対応状況は「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」が8割を超え、高水準を維持
企業の果たす役割や責任について、企業がどの程度対応しているかを聞いたところ、「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」は「対応している(対応している/ある程度)」が84%となり、前回調査(2023年度85%)と同様に高水準を維持している。
3.企業への信頼度は、肯定的評価が否定的評価を大きく上回る
企業に対する信頼度は、肯定的評価が47%(「信頼できる」4%、「ある程度信頼できる」43%)と、否定的な評価9%(「あまり信頼できない」8%、「信頼できない」1%)を大きく上回り、前回調査(2023年度)においても「信頼できる(信頼できる/ある程度)」が47%と、近年は同水準を維持している。
4.企業が信頼を獲得するための重要な事項は「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」が約9割で最も高い
企業が社会からの信頼を今後さらに勝ち得ていくための重要事項としては、「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」が89%と最も高い。「雇用を維持・創出する」(57%)、「経営の透明性を確保し、情報公開を徹底する」(54%)、「社会倫理に則した企業倫理を確立・順守する」(52%)と5割を超える回答が続く。
5.企業評価の際の情報源として、最多は「新聞(ウェブ版を除く)」、次いで「テレビ」
企業を評価する際の情報源について、「新聞(ウェブ版を除く)」が最も多い67%を占めるものの、前回調査(2023年度71%)からは4ポイント減少。次いで、「テレビ」が64%となっている。
6.企業評価に際して、「メディアからの発信」「企業からの発信」を8割が信用
企業を評価する際に利用する情報発信者の信用度に関し、「メディアからの発信(ニュースや記事など報道)」「企業からの発信(企業のウェブサイト、各種刊行物、ソーシャルメディアなど)」を「信用する(信用する/ある程度)」とする回答が8割。
7.商品・サービスを購入する際に「商品・サービスの品質を優先して購入を決める」が9割
商品・サービスを購入する際に重視する項目として、「商品・サービスの品質を優先して購入を決める」が90%と最も高い。次いで「商品・サービスの安全性を優先して購入を決める」(69%)、「商品・サービスの価格を優先して購入を決める」(61%)が5割を超え、近年は同水準で推移している。
8.企業不祥事の主な原因は「企業の内部統制」が最も高く、次いで「経営者の姿勢や経営方針」
企業不祥事の原因として考えられるのは、「企業の内部統制(社員教育やコンプライアンスの周知、徹底など)が不十分である」(68%)が最も多く、次いで、「経営者の姿勢(倫理観)や経営方針に問題がある」(60%)となっている。
9.企業不祥事の防止策として「経営者が自ら先頭に立って倫理観の醸成、法令順守の姿勢を示す」「従業員の倫理観を高めるように社内教育を徹底する」が上位
企業不祥事の防止策は、「経営者が自ら先頭に立って倫理観の醸成、法令順守の姿勢を示す」(65%)と「従業員の倫理観を高めるように社内教育を徹底する」(64%)の割合が高い。続いて「取引慣行や古い体質などを見直す」(57%)、「企業が内部通報制度を整備し、コンプライアンスを徹底する」(52%)が5割を超えている。
10.将来性を感じる企業は「技術力・研究開発力がある」「優れた商品・サービスを提供している」
企業のどこに将来性を感じるかとの問いに対し、「技術力・研究開発力がある」(79%)、「優れた商品・サービスを提供している」(71%)の2項目が際立って高くなっている。