~ウィズコロナ、ポストコロナの企業対応で「ワクチンや治療薬の開発」に期待~
-「第24回 生活者の“企業観”に関する調査」の結果について-
経済広報センター(会長:中西宏明)は、2020年10月、全国の「eネット社会広聴会員」(2,741人)を対象に、「第24回 生活者の“企業観”に関する調査」を実施しました。
本調査は、社会が企業をどのように評価しているかを把握するため、1997年度から毎年実施し、定点観測しているものです。本年度は、生活者の総合的な企業観や企業評価の際に利用する情報源に関する調査のほか、社会課題の解決に取り組む企業の商品・サービスに対する生活者の購買意欲や、新型コロナウイルスの感染拡大による影響についてもアンケート調査を行い、その結果を取りまとめました。
【調査結果(要点)】
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なお、調査対象は、全国3,315人の「社会広聴会員」の中で、インターネットで回答可能なeネット社会広聴会員(2,741人)が対象。有効回答数は1,436人(有効回答率:52.4%)、調査期間は、2020年10月15日~10月26日。
「第24回 生活者の“企業観”に関する調査」結果の概要
1.企業の果たす役割や責任として最も重要視されているのは、「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」
企業の果たす役割や責任の重要度について「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」で、78%が「非常に重要である」と回答している。続いて「不測の事態が発生した際に的確な対応を取る」(57%)、「社会倫理に則した企業倫理を確立・順守する」(51%)で、「非常に重要である」が5割を超えている。
2.企業の対応状況で「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供している」が、86%と高評価
企業の果たす役割や責任への対応について「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」は、「対応している(対応している/ある程度)」との認識が86%と高い。
3.企業への信頼度は、2018年度以降上昇傾向
企業に対する信頼度は、「信頼できる」が3%、「ある程度信頼できる」が42%と、生活者の45%が肯定的な評価を示し、否定的な評価9%(「信頼できない」1%、「あまり信頼できない」8%)を大きく上回っている。前回調査(2019年度)では、「信頼できる(信頼できる/ある程度)」が44%であったため、今回調査で1ポイント上昇し、2018年度以降継続して改善している。
4.企業が信頼を獲得するための最も重要な事項は、「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」が9割。雇用の維持・創出や情報公開の徹底、企業倫理の確立・順守が5割を超える
企業が社会からの信頼を今後さらに勝ち得ていくための重要事項としては、「安全・安心で優れた商品・サービス・技術を適切な価格で提供する」が89%と最も高い。続いて、「雇用を維持・創出する」(61%)、「経営の透明性を確保し、情報公開を徹底する」(54%)、「社会倫理に則した企業倫理を確立・順守する」(52%)と、いずれも5割を超えている。
5.企業評価の際の情報源は、「新聞(ウェブ版を除く)」に次いで「テレビ」
企業を評価する際の情報源は、「新聞(ウェブ版を除く)」(73%)、「テレビ」(68%)が特に高い。続いて「情報提供会社のウェブサイト・ソーシャルメディア」(49%)、「企業が運営するウェブサイト」(35%)、「雑誌・書籍」(34%)、「マスコミのウェブサイト・ソーシャルメディア」(33%)となっている。
6.企業評価に際して、「企業からの発信」「メディアからの発信」を約8割が信用
企業評価の際に利用する情報発信者の信用度で、「企業からの発信(企業ホームページ、各種刊行物、ソーシャルメディアなど)」「メディアからの発信(ニュースや記事など報道)」共に、79%が「信用する(信用する/ある程度)」と回答。
7.商品・サービスを購入する際に重視するのは「商品・サービスの品質を優先して購入を決める」が9割
商品・サービスを購入する際に重視する項目について、「商品・サービスの品質を優先して購入を決める」が91%と最も高い。続いて「商品・サービスの安全性を優先して購入を決める」(69%)、「商品・サービスの価格を優先して購入を決める」(58%)となっており、生活者は商品・サービス自体の価値を重視している。
8.社会課題の解決に取り組む企業の商品・サービスは、価格が高くても購入する割合が半数を超える
社会課題の解決に取り組む企業の商品・サービスの購入意欲について、「価格が高くても購入する(高くても購入する/多少)」が54%と、半数を超えている。「同価格であれば購入する」を含めると、94%となっている。
9.新型コロナウイルスの感染拡大の影響で興味や関心を持ったこと・利用したものについて、「テレワーク、オンライン授業」が54%
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で興味や関心を持ったこと・利用したものは、「テレワーク、オンライン授業」が54%と最も高い。続いて「オンラインショッピング」(41%)、「飲食店のテイクアウト」(41%)、「オンライン通話」(39%)である。
10.新型コロナウイルスの感染拡大の影響で不安やストレスに感じたことは、「自分や家族の感染」が73%、続いて「治療薬やワクチンがないこと」が56%
新型コロナウイルスの感染拡大の影響で不安やストレスを感じたことは、「自分や家族の感染」が73%と最も高く、続いて「治療薬やワクチンがないこと」(56%)である。
11.ウィズコロナ、ポストコロナにおける企業の対応で、「ワクチンや治療薬の開発」への期待が、87%と最も高い
ウィズコロナ、ポストコロナにおける企業の対応で期待することは、「ワクチンや治療薬の開発」が87%で最も高い。さらに、「業界を超えた医療物資の供給確保」(48%)、「複合災害への対策」(47%)においても、半数近い結果となり、新型コロナウイルスの感染拡大への対策に期待していることがうかがえる。
以 上