企業と生活者懇談会
2026年3月4日 大阪府高槻市
出席企業:明治
見学施設:明治なるほどファクトリー大阪

「チョコレートの魅力と人気商品の製造現場を知ろう!」

3月4日、明治なるほどファクトリー大阪(大阪府 高槻市)で「企業と生活者懇談会」を開催し、社 会広聴会員19名が参加しました。大阪工場で生産 されている「きのこの山」の製造ラインや「きのこ の山・たけのこの里」ファミリーパックの包装工程 を見学しました。見学後には、カカオ豆の特徴やチョ コレートが作られるまでの工程について説明を受 け、実際にカカオの香りを確かめながら理解を深 めました。その後、会社概要やサステナビリティへ の取り組み、今後の事業展開について説明があり、 最後に質疑懇談を行いました。

明治からは、広報部工場見学グループ長 松原一郎 氏、広報部工場見学グループ大阪工場駐在明治な るほどファクトリー大阪施設長 阿部和久氏、広報部 伊藤巴氏が出席しました。

明治からの説明

明治グループの概要

  明治グループは、持株会社である明治ホールディン グスを中心とする企業グループです。グループ会社は国内25社、海外34社で構成されています(2025年3 月時点)。
 1916年の創業を起点とし、2009年には明治製菓と明治乳業が経営統合して明治ホールディングスが設立されました。2011年の事業再編により、食品事業を担 う明治、医薬品事業を担うMeiji Seika ファルマ、KMバイオロジクスを中心とする体制となっています。
 創業の精神は「栄養報国」です。栄養を通じて社会に貢献するという理念のもと、食品と医薬品の両分野で人々の健康に寄与する事業を展開しています。
 食品事業では、牛乳やヨーグルトなどの乳製品、チョ コレートなどの菓子類、栄養食品など幅広い商品を手がけています。健康意識の高まりを背景に、機能性表示食品やプロテイン製品でも市場規模を拡大しています。
 医薬品事業では、感染症の予防のためのワクチンに関わる抗菌薬の研究・開発・製造を行っています。KMバイオロジクスは熊本県に拠点を置き、ワクチンの製造を担っています。
 海外事業も展開しており、約30カ国で食品・医薬品を販売しています。生産拠点はシンガポール、インドネシア、アメリカ、中国、タイ、台湾などにあり、地域ごとのニーズに沿った商品展開を進めています。
 また、環境への取り組みとして、温室効果ガス排出量や資源使用量の削減を進めています。2030年度までにプラスチック使用量を25%削減する目標を掲げ、パッケージの軽量化やラベルレス商品の展開、バイオ マスプラスチックの活用などにも取り組んでいます。
 明治グループは、100年で培った強みに、新たな技術や知見を取り入れて、「食と健康」で一歩先を行く価値を創造し、日本と世界で成長し続けます。

明治なるほどファクトリー大阪(大阪工場)の概要

 明治なるほどファクトリー大阪は、大阪工場に併設された工場見学施設です。
 大阪工場は1955年に設立され、当初はビスケット 工場として操業を開始しました。その後、生産設備の整備や製造品目の拡大が進み、現在はチョコレート菓子を中心に約30種類の商品が生産されています。
 主な製造商品は、「きのこの山」「たけのこの里」の他、「明治 ザ・カカオ」シリーズ、「マカダミアチョコレー ト」シリーズ、「小粒チョコ」シリーズなどです。また、高カカオチョコレートとして知られる「チョコレート 効果」も同工場で生産しています。
 工場屋上には太陽光発電設備を設置して、CO₂排 出量削減に取り組んでいます。年間発電量は約23万キロワットアワーで、工場全体の電力使用量に占める割 合は約1%ですが、再生可能エネルギーの活用を進めています。
 また、照明のLED化や省エネルギー設備の導入な どにより、2024年度にはCO₂換算で年間約600トンの削減につながっています。
 地域との共生も重視しており、工場周辺の環境美化活動や地域団体と連携した活動を行っています。一例 として、高槻市教育委員会後援の和太鼓イベントに参加するなど、地域市民との交流も深めています。
 さらに、将来の理系人材の育成を目的とした活動も実施しています。2025年8月には、理系分野への関 心を高めることを目的に、女子中高生を対象とした工 場見学ツアーを開催しました。食品づくりの現場を通 して、科学や技術への理解を深める機会を提供してい ます。

見学の様子

「きのこの山」の製造ライン
 参加者は初めに、「きのこの山」の製造ラインを見 学しました。「きのこの山」は1975年に発売されたチョ コレート菓子であり、大阪工場で誕生した商品です。
 当日は、チョコレートの成形やクラッカーの取り付 け、冷却、取り出しなどの工程が紹介されました。
 まず、チョコレートをきのこのかさのプレートに流し込みます。プレート1枚で360個のかさの形を作ることができます。注入の際には空気が入り込むことがあるため、型を振動させ気泡を抜き、表面を整えてい ます。
 チョコレート部分は二層構造となっており、最初にほろ苦いビターチョコレートを流し込み、一度冷却設備で固めた後、甘いミルクチョコレートを流し込んで かさの形を完成させます。
 続いて、きのこの軸となるクラッカーを取り付けます。軸の部分は甘いクッキーではなく、塩味のあるク ラッカーでできています。振動や風の力を利用した装置でクラッカーを所定の位置まで送り、専用の機械で チョコレート部分に差し込みます。
 差し込んだ後は、作業員が目視で確認を行います。 クラッカーがまっすぐ刺さっているか、割れているも のがないかを確認し、不良があれば取り除いたり、新しいクラッカーを差し直したりします。一つひとつ手作業で確認する様子に、参加者からは驚きの声が上 がっていました。
 その後、製品は再び冷却設備へ送られ、約25分かけてチョコレートを固めます。固まった製品は「ハンマ リング」と呼ばれる装置でプレートを叩くことで取り 外され、形や状態に問題がないか確認されます。
 こうして完成した「きのこの山」は包装や検査を経て全国へ出荷されます。

「きのこの山・たけのこの里」ファミリーパック の包装工程
​  続いて、「きのこの山・たけのこの里」ファミリー パックの包装工程を見学しました。「たけのこの里」は「きのこの山」の発売から4年後の1979年に大阪 工場で誕生しました。見学では、ファミリーパックの箱詰めから個包装(小袋)の製造へとさかのぼる形で工程が紹介されました。
 まずは、箱詰め工程からの見学です。段ボール箱は機械で組み立てられ、ラインへ供給されています。ベ ルトコンベヤーで流れてくるファミリーパックを3袋 ずつロボットが吸い上げるように持ち上げ、箱の中に積み重ねていきます。一定数の製品が入ると箱は次の工程へ送られます。
 箱詰めの前後には検査工程が設けられています。重量選別器で内容量の確認を行い、金属検出器やエック ス線検査装置で異物の混入がないかを検査します。検 査を通過した袋は、商品名が見える向きに整えられ、 箱詰め工程へ送られます。
 次に、ファミリーパックの大袋を作る工程を見学しました。流れてきた小袋は大袋ピロー包装機で1枚の フィルムに包み込まれます。フィルムは上部を仮に閉 じ、熱で圧着した後切り離され、大袋が作られます。切断の際に中の小袋を傷つけないよう、機械が制御しています。
 大袋の中に入る個包装(小袋)は、コンピュータスケー ルで製品を1袋分ずつ計量した後、「ショーピロー機」 と呼ばれる包装機でフィルムに包まれ、完成します。
 工場の機械は倉庫へ向かって一直線につながるよう 配置されており、どこかの工程が止まると他の工程に も影響が出る構造になっています。


原料のカカオ
​ 見学の最後に、チョコレートの原料であるカカオについて説明を受けました。見学エリアにはカカオの模型が展示されており、実の特徴やチョコレートになるまでの工程が紹介されました。
 展示されているカカオの木は高さ3メートル程度ですが、自然の環境では6~7メートル程度まで生長す るそうです。カカオの実の大きさは15 ~ 25センチメー トルほどで、ラグビーボールのような形をしており、 幹や太い枝に直接実るのが特徴です。実の中には「パ ルプ」と呼ばれる白く粘り気のある甘酸っぱい果肉があり、この果肉に包まれる形で30 ~ 40粒のカカオ豆 が入っています。
 収穫されたカカオ豆は、そのまま使用されるわけではありません。まず果肉とともに発酵させ、その後乾燥させてから工場へ運ばれます。
 見学では、発酵・乾燥させたカカオ豆と、焙煎後のカカオ豆の香りの違いを確かめました。発酵した豆はやや酸味のある香りがしますが、焙煎するとチョコ レート特有の香ばしい香りへと変化します。
 焙煎したカカオ豆は殻を取り除きながら砕かれ、さらにすりつぶされてペースト状になります。この状態の ものを「カカオマス」と呼びます。カカオマスは温めると液体状になりますが、この段階ではまだ甘さはあり ません。砂糖やミルク、ココアバターなどを加えて混 ぜ合わせることで、チョコレートが生み出されます。
 カカオマスは機械で強く圧搾すると、油分であるコ コアバターと固形分に分かれます。ココアバターはチョコレートの口どけを生み出す重要な成分となっています。ホワイトチョコレートは、このココアバターを主原料として作られるため、一般的なチョコレート とは異なり白い色をしています。
 一方、圧搾後に残る固形分を細かく粉砕したものが ココアパウダーです。いわゆる純ココアと呼ばれるもので、牛乳と混ぜて飲料として楽しまれる他、菓子作りなどにも利用されています。
 このように、カカオは発酵や焙煎、圧搾といった工程を経て、チョコレートやココアなどに加工されます。

明治への質問と回答

社会広聴会員:
製造工程で取り除かれるカカオの副産物はどのよ うに活用されているのでしょうか。
明治:
カカオハスク(カカオ豆の種皮)は100%アップ サイクルしており、約60%は肥料として、残りは堆肥として活用しています。さらに、雑貨や衣料品などのアップサイクル製品の開発も進めており、Tシャツやタオルなどの商品化にもつなげています。また、カカオ豆の輸送に使用される麻袋もリサイクルし、ミカン畑などで土壌の乾燥を防ぐ資材として利用しています。当社では、カカオの副産物を可能な限り活用する方針のもと、飼料など新たな用途の研究も含め、資源の有効活用を図っています。

社会広聴会員:
カカオが不足していると聞きますが、明治ではど のような取り組みを行っていますか。
明治:
カカオの安定調達と持続可能な生産を目指し、 2006年から「メイジ・カカオ・サポート」という取り組みを実施しています。カカオ生産国の農家に対して栽培技術の指導や苗木の提供などを行い、生産性や品質の向上を支援しています。また、 児童労働などの社会課題にも配慮した取り組みも 行っています。
 こうした活動の成果として、2024年には契約農園のトレーサビリティを確立し、農家支援を行っ ている地域で生産された「明治サステナブルカカオ豆」の調達比率が100%に達しました。この取り組みから生まれた商品の一つが「明治 ザ・カカオ」シリーズです。カカオの産地や品質にこだわ り、持続可能なカカオ調達を目指したチョコレー トとして展開しています。

社会広聴会員:
チョコレートの健康効果について教えてください。
明治:
チョコレートの原料であるカカオ豆に含まれる 「カカオポリフェノール」には、活性酸素の働きを抑える抗酸化作用があると言われています。血 圧を下げる作用やストレスへの抵抗力の向上、便通の改善など、様々な効果が報告されています。 健康効果の観点からは、カカオ含有量70%以上の高カカオチョコレートを、1日25グラム程度を目安に継続して摂取することが大切です。カカオポリフェノールは体内に長くとどまる成分ではないため、日常的に少量ずつ取り入れることが望ましいとされています。

参加者からの感想

●懇談会を通じて、真摯な回答や丁寧な説明を受けることができ、大変良かったです。特に、サステナビ
リティへの取り組みやカカオの高騰など、近年関心の高いテーマについての話が印象に残りました。
●ロボット化が進んでいる半面、何かトラブルがあれば全工程が止まってしまうという現場の様子も見るこ
とができ、ありのままの製造現場を見学できて良かったです。小さい頃から慣れ親しんでいる「きのこの山」
がロングセラー商品で、今も24時間体制で生産しないと欠品するほどの人気があることには驚きました。
また、チョコレート検定やカカオの話も、バレンタインやホワイトデーの時期だったことから、とても興味
深く聞くことができました。
子どもの頃から親しんできた明治のお菓子が実際に製造されている現場を見学でき、とてもうれしい気
持ちになりました。特に、「きのこの山」が、どのような工程を経て出来上がるのかを一連の流れで見
学できたことは、大変印象深い体験でした。機械による効率的な作業と、人の手による丁寧な品質向上
の取り組みがうまく組み合わされており、安心して商品を手に取ることができる理由を実感しました。
お菓子を作っている明治が、医薬品事業も展開していることを今回初めて知りました。『食と健康』を
軸に、赤ちゃんから高齢者まで、あらゆる人の健康を考える事業を展開していて、私が抱いていたお菓
子メーカーという一言では表せない企業でした。

明治 ご担当者より

 このたびは、貴重な広報活動の機会をいただきまし てありがとうございました。
 私たちは、「健康にアイデアを」をコーポレートスローガンに掲げ、人・社会・地球の持続可能な未来に向けて、「meiji らしい健康価値」の提供に取り組んで おります。
  2026 年には創業110 周年を迎えるにあたり、今回ご参加いただいた皆さまはもちろん、日本国内、世界中の皆さまに私たちの想いをお伝えし、当社の活動にご理解とご支援を賜れますと幸いです。 

お問い合わせ先
経済広報センター 国内広報部
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-3-2 経団連会館19階
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