薄型テレビの新ディスプレイ技術「SED(Surface-conduction Electron-emitter Display)」の開発に向けた将来の展望を教えてください。
ディスプレイの新しい技術は、非常に重要と認識しています。他方、プラズマや液晶の量産化で、過剰ともいえるくらいの競争環境にあり、サバイバルゲームの様相を呈しています。SEDも投資と発売時期のタイミングを一歩間違えると、キヤノンにとって、大きなリスクになります。現在、投資も研究開発も続けていますが、訴訟と量産化の問題が解決できていません。その中で、かなり慎重に、ただし、絶対にあきらめずに開発を続けていくことが今のフェーズです。我々は、SEDの画像の素晴らしさに自信を持っています。
取手工場で進めている「マイスター制度」は、海外の工場でも導入しているのでしょうか。
マイスター制度そのものは導入していませんが、それと同等あるいは類似の認定制度が、拠点ごとにあります。海外事業会社は、独立した会社になっていますので、その国に合った認定制度を導入し、人材の育成をしています。
『キヤノン サステナビリティ報告書 2007』によると、キヤノン全体の二酸化炭素排出量が、削減できていないようですが、その理由を教えてください。
生産の拡大に伴い、工場数が増加しており、省エネルギー対策が追い付かなかったことが理由です。キヤノンは、従来の削減努力に加え、今年度からグローバル環境推進本部が一括して環境投資をすることによって、業界全体の数値目標を達成しようとしています。
取手事業所は、様々な製品を扱っていますが、事業所ごとに収益などの目標は、あるのでしょうか。
取手事業所は、EQCDと製品クレームの有無を評価の対象としています。品質やコストなど、それぞれに目標を掲げて、それに達しているかどうかを管理しています。