社会広聴会員:
環境問題への取り組み状況や地域への配慮はどのようになっていますか。
コスモ石油:
石油産業では、クリーンな製油所を目指し硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、ばいじんなどの大気汚染対策、水質保全、騒音対策、緑化対策、産業廃棄物対策など業界を挙げて取り組んでいるほか、ガソリンや軽油の低硫黄化は国の規制開始に先駆けて実現させました。物流ではタンクローリーや内航タンカーの大型化や高積付率の維持に取り組んでいます。サービスステーションでは太陽光発電システムやLED照明の採用も始めました。また、当社が発行する「コスモ・ザ・カード・エコ」では、お客さまから毎年お預かりする500円とコスモ石油グループからの寄付金を、「コスモ石油エコカード基金」として、地球環境保全をサポートする「ずっと地球で暮らそう。」プロジェクトを展開しています。地域社会とのかかわりでは、四日市製油所での三滝川の清掃など、事業所ごとに地域清掃活動を行っています。また、千葉製油所、堺製油所およびコスモ松山石油では「コスモの森」として県有林を借り受け、里山を整備しています。
社会広聴会員:
ガソリンスタンドの地震対策は。
コスモ石油:
可燃性危険物を取り扱うため、一般建築よりも厳しい耐震性・耐火性を求められており、貯蔵タンクも二重殻構造となっています。1995年(平成7年)の阪神淡路大震災でも震災直後こそ停電のため給油できないところがありましたが、被災地域内869カ所のほとんどが被害もなく、2日後にはその大半が営業を開始しました。その後の新潟中越地震でも給油所の堅牢性と石油製品供給の重要性が確認されたので、自家発電設備や貯水設備のほかAEDや生活用水を供給できる井戸設備を備えた災害対応型サービスステーションを全国に設置しています。
社会広聴会員:
エネルギーの安定供給に向けた取り組み、備蓄状況について教えてください。
コスモ石油:
わが国では原料である原油を輸入し、国内製油所で精製し石油製品として供給する「消費地精製方式」を採っています。製品より原油の方が国際間の取引量が多く、平時は言うまでもなく、緊急時においても、安定供給上優れています。石油緊急時対策としては平常時の備蓄、準緊急時の備蓄石油の取り崩し、緊急事態宣言後の消費抑制対策や供給対策が定められています。石油備蓄は4月末現在、政府が行う「国家備蓄」116日分と石油会社が行う「民間備蓄」87日分の計203日分の備蓄量があります。民間備蓄は経営の自由度を制約するものですが、義務付けられた70日分以上の備蓄をエネルギー供給事業者の社会的責任の一環として確実に履行しています。なお、中東から日本までの輸送は20~25日かかっています。
社会広聴会員:
石油の今後や新しいエネルギーへの取り組みはどう考えていますか。埋蔵量は大丈夫ですか。
コスモ石油:
石油は、第一次石油ショック以降、依存度は低下しつつあるものの、わが国の一次エネルギー供給の5割を占めています。常温・常圧で液体であり、輸送や貯蔵の容易性にも優れているため、また、石油化学製品の原料にも利用されているため、経済性、利便性の観点から今後とも重要な位置を占めることは変わりません。埋蔵量に関しては、掘削技術の進歩や新規油田の発見、石油類似資源の開発などで石油の可採年数は40年とも50年とも、あるいは200年を超えるともいわれていますが、石油資源は「地球からの贈り物」「古代の遺産」であり有限であることから代替エネルギーの開発に積極的に取り組む必要があります。コスモ石油では、集光太陽熱発電やバイオマスエネルギー、風力発電事業の研究に取り組んでいます。
社会広聴会員:
ガソリンの価格はどのように決まるのですか。
コスモ石油:
ガソリン代129円の場合、中味価格が67.1円、これに対する消費税3.3円、ガソリン税53.8円、石油石炭税2.04円、両税に掛かる消費税2.8円となっています。中味価格のうち53~54円は原油代、精製コストに3~4円掛かるため、流通・販売コストは1円以下の単位で合理化が求められています。
社会広聴会員:
ガソリンスタンドのセルフ化が進んでいますが、人によるサービスはどう考えていますか。
コスモ石油:
全国4万軒弱のスタンドのうち3割がセルフ化しているといわれています。コスモ石油では現在、ひとつの商圏内に車検までできるキーステーションとサテライトステーションを設けていますが、今後、セルフでもカーケアメンテナンスのサービス提供ができる体制をつくっていく予定です。
社会広聴会員:
製油所内に他社のタンクローリーが出入りしていましたが、どういうことですか。
コスモ石油:
石油製品は品質が統一化されているので、安定供給と物流効率化のため、業界で物々交換する仕組みができています。他社で精製された石油製品であっても販売するメーカーはお客さまに対し自社製品として責任を持っていますのでご安心ください。
●コンビナートの主要部がパイプによってつながっている現場を見ると、国内産業の基幹として、日本経済を支えてきた姿に一種の感動を覚えました。
●石油連盟の事業で、オイル流出事故を想定してたくさんの機材を準備されており、今回のメキシコ湾原油流出事故で、要請の打診が来ていると聞いて遠い異国の話が身近な出来事に感じました。
●ガソリン価格のうちスタンドの利益が1リットル当たり数円規模と知って、驚きです。
●所長をはじめ、本社や製油所の関係者の皆さんの真摯な対応に「ココロも満タンに」なり、コスモ石油がより身近な存在になったように感じました。