2016年3月9日、オリンパス技術歴史館「瑞古洞」(東京都八王子市)で、「生活者の企業施設見学会」を開催し、社会広聴会員19名が参加しました。
オリンパスは、1919年(大正8年)に顕微鏡の国産化を目指す会社として創業されました。顕微鏡のレンズ研磨技術は、当時「一子相伝風の秘術に近いもの」と伝えられています。創業者が築いた技術や思いを脈々と受け継ぎ、「Social IN」という経営理念のもと、科学事業、映像事業、医療事業など、幅広い事業を通して新しい価値を提案し、人々の健康と幸せな生活を実現しています。
オリンパス技術歴史館「瑞古洞」は2013年(平成24年)10月から一般公開を開始しました。同館は、オリンパスが創業時から現在に至るまでの製品を展示し、技術的変遷や発展、同社製品がどのように社会の発展に貢献してきたかなどを紹介しています。なお、同館の愛称「瑞古洞」は、同社が開発した最初のカメラ用レンズZUIKO(瑞光)に由来し、同社製品を集めた洞穴をイメージして付けられました。
参加者は、「科学事業」「映像事業」「医療事業」の3つのコーナーを見学しました。
科学事業の展示ゾーンでは、オリンパス初の顕微鏡である「旭号」をはじめ、最先端の工業用顕微鏡や立体視が可能な双眼実体顕微鏡などを見ることができ、顕微鏡の歴史的変遷を学びました。
体験コーナーでは、生物顕微鏡を用いてサンプルを観察したり、工業用スコープを操作したりと、参加者からは技術力の高さに驚きの声が上がっていました。
映像事業の展示ゾーンでは、1935年(昭和10年)にカメラレンズの研究に着手して、1年後にようやく誕生したズイコーレンズを搭載したオリンパスカメラの第一号「セミオリンパス・型」や、根強いファンが多いカメラのオリンパスペンシリーズ、OMシリーズなど名機の数々が展示されていました。デジタル一眼テクノロジー体感コーナーでは、最新の手振れ補正技術などを目の当たりにし、参加者は目を丸くして驚いていました。また、説明員から歴代ペンシリーズの展示について、発売して数年後には、約3家庭中2家庭に、1台ある計算になるというエピソードを聞き、参加者からは「私も持っていた」といった声が聞かれました。
医療事業の展示ゾーンでは、1950年(昭和25年)に世界初の実用的な胃カメラの開発に成功するなど、現在世界シェア約7割を有する内視鏡事業について理解を深めました。機械遺産として認定されたガストロカメラ・型「GT-・」などを見学しました。また、内視鏡外科手術に使う機器を体験するコーナーでは、縫合に見立てておもちゃのイカの足を結ぶ作業に挑戦するなど、楽しみながら同社製品を体感しました。内視鏡技術の今後の発展について、医療現場とも連携して、より受診者の身体に負担が少なく、病気の早期発見・治療に役立つものを目指して研究開発しているという説明を受け、参加者は感心していました。
「オリンパスの長い歴史と素晴らしい技術に本当に感銘を受けました」「説明員の方と密な会話ができ、非常によく理解できました。特に医療分野の機器を操作できたことは、貴重な体験でした」