生活者の企業施設見学会
2018年3月17日 東京
企業・団体:AGC旭硝子
見学施設:AGC Studio

「身近なガラスの『最先端』を見て、触れて、体感しよう」

2018年3月17日、AGC旭硝子 AGC Studio(東京都中央区)で、「生活者の企業施設見学会」を開催し、社会広聴会員20名が参加しました。

概要説明

 AGC旭硝子は、1907年(明治40年)に創立されました。それまで幾多の企業が失敗していた板ガラスの国内生産に初めて成功。その後も創業者の岩崎俊彌の「易きになじまず難きにつく」の創業の精神で幾多の困難を乗り越え、今日では、総合素材メーカーとして、ガラス、エレクトロニクス、化学品、セラミックスといった製品を提供し、人々の暮らしを支えています。また、1956年のインド進出を起点として、アジア、欧州、米州、そしてアフリカへとグローバルに事業を展開してきました。さらに、2018年7月1日に社名を「AGC」に変更し、グローバル化を加速させ、「AGC」を世界中のステークホルダーから信頼されるグローバルブランドへと成長を目指しています。 
 AGC Studioは、2010年(平成22年)10月に建築用ガラスのショールームとしてオープンしました。その後、「来るたびに新しい発見がある。AGCの未来創造スペース」をコンセプトとした体験型ショールームとして、2017年(平成29年)10月にリニューアル。2018年の社名変更を控え、AGC製品のブランド発信拠点として生まれ変わりました。建築・設計の専門家だけでなく、広く一般の方々にもAGCグループが提案する様々なソリューションに触れることができるようになりました。

見学の様子

 まず、「ガラスとは?」に始まり、ガラスの歴史やAGC旭硝子の概要について説明を受けました。
 「ガラス」の由来は諸説ありますが、オランダから伝わった「Glas」が語源といわれ、また、漢字で「硝子」と書くのは、原料に硝石を使っているからだといわれているそうです。ガラスの組成ですが、珪砂、石灰、ソーダ灰といった地球の表面上で最も多い資源が主原料となっています。
 ガラスの歴史は紀元前数千年前から始まりますが、近世になって建築にガラスが多用されるようになると、様々な技法が開発されました。1950年代には板ガラスの大量生産の革命的な技術が開発されました。現在、AGC旭硝子でも活用されているフロート法です。フロート法は錫の上にガラスを浮かべて成形しますが、錫とガラスの比重の差でガラスが浮き、平滑な板ガラスを安定的に大量生産することが可能です。ガラスには「光を通す」という機能のほかにも、原料や製造方法によって、硬い、化学的に強い、熱に強い、形状が自由、電気を通さない、ガスを通さないといった機能があり、それらの機能特性を生かして様々な用途に採用されています。
 次に、AGC Studioの1階にある「Solution Cafe」を見学しました。ここはブランド発信フロアとして、人々の暮らしに新しいソリューションを提案する企画展を随時開催しています。今回の見学時には、建築家・佐野文彦氏によるガラスと檜材を使った「佐野やぐら」や、イタリアのガラス製品ブランド「GLAS ITALIA」と「FIAM」の家具が展示されていました。
 続いて、1階と2階をつなぐガラスのらせん階段の説明を受けました。ガラス段板が宙に浮いているような、このらせん階段の構造は、ガラス段板を3本の主ロッドと13本のサブロッドでつっているサスペンション構造で、ガラス段板を独立して固定している珍しい構造となっています。ガラス段板は、構造的には圧縮材として用いられ、表面には細かい滑り止め加工が施されています。
 そして、2階の「Material Lab」を見学しました。ここはビジネスフロアとして、AGCグループの先端技術や新商品に触れて体感することができるコミュニケーションスペースとなっています。ガラスの2次加工品の展示コーナーでは、板ガラスに穴を開ける、接着する、熱をかけて曲げる、カラーフィルムを挟んでガラスに色を付けるといった加工や、インテリア用途向けにガラスに見えないつや消し加工など、様々な2次加工を学びました。
 そして、AGCグループの多様な製品が並ぶマテリアルコーナーでは、フッ素樹脂などの化学品や、路面舗装用セラミックス製品、ガラス製透明スクリーンといった高機能・高付加価値製品を見学しました。また、厚さ1.1ミリメートルの化学強化ガラス(通常ガラスの8倍の強度がある)に173グラムの丸鉄球を上から落とす実験装置では、薄くても割れない化学強化ガラス板の耐衝撃性に参加者は驚いていました。このガラスはスマートフォンやタブレットの表面に使用されています。 
 最後に、AGC Studioがある京橋周辺のガラス建築を歩いて巡る「ガラス建築ツアー」に参加しました。通常は月1回の頻度で、「銀座コース」と「丸の内・大手町コース」のどちらかのコースを回ることができます。今回は、特別コースとして銀座と有楽町エリアのガラス建築を案内してもらいました。一級建築士の方による、図面や写真では分かりにくい建物の歴史やガラスの特性を生かした工法などの解説を聞きながら、都市の風景を彩るガラス建築を見て回りました。参加者は「ガラス」という観点で、普段とは違う角度からビルを見上げることで、新たな発見を楽しみました。

参加者の感想から

 「ガラスという身近にあるものについて知見を深めることができました」「こんなところまでガラス製品を応用しているのかと驚きました」「ガラスが多様な機能を持ち、建築に使用され、我々の生活と深く関わり、デザイン、機能で生活を豊かにしていることを実感しました」「ガラス建築ツアーでは、各建築がいかにエコを考えて上手にデザイン性と機能性を取り入れているのかを、分かりやすく説明していただき、非常に参考になりました」

お問い合わせ先
経済広報センター 国内広報部
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-3-2 経団連会館19階
TEL 03-6741-0021 FAX 03-6741-0022
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