生活者の企業施設見学会
2019年3月9日 神奈川
企業・団体:三菱重工業
見学施設:三菱みなとみらい技術館

「科学技術は、おもしろい~最先端のテクノロジーを身近に感じよう~」

2019年3月9日、三菱みなとみらい技術館(神奈川県横浜市)で、「生活者の企業施設見学会」を開催し、社会広聴会員20名が参加しました。

 

 

概要説明

 三菱重工グループは、交通・輸送システム、航空機、発電システムなどのインフラから宇宙システムに至るまで、幅広い分野に高度な技術力でソリューションを提供する総合インフラ企業です。
 同グループの企業ミュージアムである三菱みなとみらい技術館は、1994年6月、地域に貢献し、明日を担う青少年たちが科学技術に触れ、夢を膨らませることのできる場になることを願い設立されました。同グループが手掛ける最先端の科学技術や製品を、実物と模型、映像やパネルなどで紹介しており、子どもから大人までの誰もが、親しみやすく分かりやすく触れて体験することができます。また、季節ごとに特別展示が開催されており、夏休みには自由研究に役立つような企画展も行っています。 
 同館は、創立以来毎年リニューアルしており、今年(2019年)2月24日には「MHI FUTURE GATE」が開設されました。「MHI FUTURE GATE」では、同グループ創業の原点から現在、未来へつながる最先端の科学技術と幅広いモノづくりの取り組みや、三菱重工横浜造船所があったゆかりの地である横浜・みなとみらい地区のあゆみについて、模型やグラフィックなどを使って分かりやすく紹介されています。 

見学の様子

 参加者はまず、「MHI FUTURE GATE」で三菱重工グループの沿革と展開している事業領域や製品、地域との関わりについて理解を深めました。続いて、三菱重工グループの事業領域を陸・海・空・宇宙に分けて展示されている館内を、解説を聞きながら見学しました。 
 「空」ゾーンでは、同グループが開発中で、2020年営業就航を目指す小型ジェット旅客機Mitsubishi Regional Jet(MRJ)の実物大模型を見学しました。MRJは運航経済性、快適性、環境配慮を考慮した設計となっています。また、日本の伝統美や匠の技術を継承したデザインとなっており、機体フォルムは日本刀をイメージし、フライトデッキウインドウには歌舞伎をイメージした「隈取り」を施しています。内装についても、LEDの天井照明は、富士山がモチーフになっています。機内には、大人気のMRJの操縦体験(5分間)ができるフライトシミュレータがあり、見学当日も多くの人々でにぎわっていました。 
 次に、ヒストリーウオークという飛行機とロケットの歴史が描かれた壁画の間を通り抜けると、「宇宙」ゾーンに入ります。ここでは、実際に地上燃焼試験に使われた実物のロケットエンジンや、H-IIA、H-IIBロケット、現在開発中の最新のH3ロケットの20分の1の模型が展示されています。これまでのロケット打ち上げで、97%以上の確率で衛星投入の成功を支えているロケットの材料や構造などについて学びました。国際宇宙ステーションの中で日本の実験棟「きぼう」を再現した部屋では、日本が誇るロボットアームのシミュレータ、宇宙飛行士の適性検査、スペースデブリの対処の仕方などをタッチパネルで体験したり、学習したりできるようになっています。 
 「海」ゾーンでは、有人潜水調査船「しんかい6500」の耐圧殻に守られたコックピットの実物大の分解模型を見ることができます。半径2メートルという狭い空間にパイロット1名と研究員2名の3名が乗り、調査を行っているそうです。調査船は年に1回、78日間をかけて完全に解体点検をして、修復を行い再び潜航します。「しんかい6500」は水深6500メートルまで潜れますが、乗務員の命を守るため水深1万メートル以上までの気圧、水圧に耐えられる設計であることや、水深6500メートルというのは、地球上の98%の海の調査が可能であるということを学びました。残り2%がさらに深い所で未知の世界となりますが、ここでは「SUPER SHINKAI」という水深1万2000メートルの潜水能力を持つ次世代潜水調査船を想定したシミュレータで、海底での未知の生物写真撮影、地震計設置、鉱物の採取などの3種類のプログラムから選択して体験できます。また、入り口付近には大きなスクリーンがあり、15分ごとに「しんかい6500」から潜航の様子が見える映像が流れています。また、自分がタッチパネルでデザインしたシーメカニマルというオリジナルの生物のアニメーションが、スクリーンに映し出されるなど、楽しみながら海底の世界について学ぶことができます。 
 続いて2階の「陸」ゾーンでは、様々な発電方法や最新の技術について、映像や模型などで理解を深めることができます。 
 そして、まるで映像の中に入り込んでしまったような体験ができる大型の円筒形スクリーンで見るVRシアター「バーチャルツアーステーション」では、「ロケットの一生」と題した、H-IIAロケットの設計、製造から実際に打ち上げ、人工衛星を軌道に乗せるというミッション完了までを、臨場感のある映像で体験しました。 
 また、同館では、様々なテーマで理科実験(15~20分間の体験)を行っています。今回は「遠心力」がテーマでした。ワイヤーハンガーや10円玉など身近なものを使って遠心力について学びました。時々拍手や歓声が起こるなど、小さい子どもから大人まで一緒に楽しみながら学ぶことができました。

参加者の感想から

 「陸・海・空、そして宇宙へとつながる展示は、わくわくし、子どもたちにも大きな夢を描かせるものだと思います」「陸・海・空・宇宙と三菱重工の幅広い分野でのモノづくりのすごさを身近に感じるとともに私たちの暮らしに密接に関わっていることを改めて知りました」「MRJの実物大模型を目にすることができてうれしかったです」「理科実験の『遠心力』はとても楽しく良かったです」「三菱重工グループと横浜の歴史的つながり、横浜の転換・発展への寄与に気付く機会となりました」「三菱重工の方からの愛情あふれるご説明に大変楽しく学びも多かったです」

お問い合わせ先
経済広報センター 国内広報部
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-3-2 経団連会館19階
TEL 03-6741-0021 FAX 03-6741-0022
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