企業と生活者懇談会
2019年4月18日 東京
出席企業:セコム
見学施設:ALL SECOM ショールーム MIRAI

「“安全・安心・快適・便利”な暮らしを創るALL SECOMの取り組みについて学ぼう!」

4月18日、セコムのALL SECOM ショールーム MIRAI(東京都渋谷区)で「企業と生活者懇談会」を開催し、社会広聴会員15名が参加しました。はじめに、企業概要とMIRAIの施設概要の説明を受けた後、MIRAIを見学。映像コンテンツやセコムの技術を体験しながら、セコムの事業展開や現在の取り組み、最新技術を活用した今後の取り組みなどについて理解を深め、最後に質疑懇談を行いました。 
セコムからは、安田稔広報・渉外・マーケティング本部顧問/理念の透徹・Tri-ion事務局長、コーポレート広報部の仁村園子氏が出席しました。  

 

セコムからの説明

■セコムの「セキュリティ事業」としての成長■
 セコムは、1962年、創業者の飯田亮と戸田壽一が日本初の警備保障会社として日本警備保障(現・セコム)を創業し、巡回警備、常駐警備を開始したのが始まりです。そして、1964年に東京オリンピックの選手村の警備を受託。1966年には日本初の企業向けオンライン・セキュリティシステムなどを開発し、契約先に防犯・防火センサーを取り付け、通信回線を通じてコントロールセンターで24時間の遠隔監視を行い、異常発生時に緊急対処員が駆け付けるサービスを開始して以来、全国に拠点を拡大してきました。1981年には日本初の家庭向けにホームセキュリティシステムを開発、販売をスタートしました。オンライン・セキュリティシステムは、全国47カ所のコントロールセンターと、約2800カ所に緊急発進拠点を持ち、契約件数は約236万件(企業約105万件、家庭約131万件)と、対処付きオンライン・セキュリティシステムでは世界ナンバーワンです。 
 海外では、1978年に台湾に進出して以来、韓国、中国、タイ、マレーシア、シンガポール、インドネシア、ベトナム、ミャンマー、英国、オーストラリア、ニュージーランド、トルコの13の国と地域でセキュリティ事業を展開。約87万件に安全を提供しています。セキュリティ事業以外でも上記国を含むフィリピン、インド、スウェーデン、ベルギー、米国の18の国と地域で事業を拡大しています。 
 セキュリティ事業では、最高品質のセキュリティサービスを提供するため、サービスに関わるそれぞれの分野の全てを自社組織で運営するトータルパッケージ・システムを採用しています。セキュリティ機器の研究開発から製造、セキュリティプランニング、機器の設置、24時間監視、緊急対処、メンテナンスといったサービスを一貫体制で運用・管理しています。 

■「社会システム産業」の構築を目指して ■
 同社グループでは、安全のネットワークを基盤に「安全・安心」で「快適・便利」に暮らせる社会の実現を目指し、セキュリティ事業の枠を超えて、防災、メディカル、保険、地理空間情報サービス、BPO・ICT、不動産、国際事業を展開しています。これら8つの事業でトータルサービスを提供することで、社会の「困ったこと」を解決し、様々な「安全・安心」のサービスが行きわたった社会を実現するため、「社会システム産業」の構築に取り組んでいます。 

■「あんしんプラットフォーム」構想 ■
 2017年に創業55周年を迎え、「社会システム産業」の実現のため、2030年を1つのターゲットとした「セコムグループ2030年ビジョン・“あんしんプラットフォーム”構想の実現により、変わりゆく社会に、変わらぬ安心を。」を策定しました。「あんしんプラットフォーム」とは、セコムが培ってきた社会とのつながりをベースに、セコムと思いをともにするパートナーが参加して、セコムとともに暮らしや社会に安心を提供する社会インフラです。セコムの強みは人財、組織、技術、実績、知見であり、これらの強みを人口動態の変化、テクノロジーの進化、環境問題の深刻化、経済の重心移動・都市化といった現在の社会の変革の中に位置付けて、多様化するニーズや社会課題に取り組んでいます。 

見学の様子

■MIRAIの概要と見学■
 MIRAIは2013年7月にオープンしたショールームです。ショールーム内は3つのゾーンに分かれ、映像コンテンツやセコムの技術を体験しながら、「セコムグループについて」「近未来ではセコムの商品やサービスがどのように役立つのかについて」「現在と今後展開していくセコムの技術について」学べます。 
 参加者は、まず、レセプションルームに入りました。実はこの部屋のコーナー棚には7台のカメラが内蔵されていて、椅子に座った瞬間から顔写真を撮影していました。この画像データを使ってMIRAIでは様々な体験ができます。なお、このデータは大切な個人情報となるので、見学当日中に自動消去されます。 

■近未来の会議室を体験■
 近未来の会議室を体験するZONE.1に入る際に、ウォークスルー顔認証を体験しました。通路に小型カメラが設置され、認証されると入り口の上にある電子掲示板に名前が表示され、扉が開き入室できました。
 顔認証には、いったん立ち止まって認証するストップ型と、立ち止まらず歩きながら認証するウォークスルー型があります。ウォークスルー型は画像データを3D化することによって、顔がどのような角度になっても登録された本人を確認できるシステムです。出入管理やイベント会場など、事前の登録者以外の出入りを制限する場面で活用されています。
 会議室内にはいくつも小型カメラが設置されており、席に着くとテーブルモニターにそこに座った参加者の名前が表示され、席替えをしても座った所に名前が表示されました。これは、認証された人を追随するトラッキングという技術を活用しています。また、顔写真が入った名刺がモニター上に現れ、タッチパネルをスワイプするように名刺を動かすと相手の所へ自分の名刺が届くという、未来の名刺交換も体験しました。
 自律型小型飛行監視ロボット「セコムドローン」を活用した監視サービス(2015年12月から開始)についても、理解を深めました。セコムドローンによる緊急対処は、レーザーセンサーやGPSなどの技術との連携です。敷地内に設置したレーザーセンサーが侵入者(車)を検知すると、セコムドローンは、オンライン・セキュリティシステムと組み合わせ、異常発生時には不審者(車)を自律飛行で追跡し、その特徴を鮮明に画像としてセコムのコントロールセンターへ送信します。万一、侵入者(車)が逃走した場合は出口まで追跡し、逃走方向を確認した上で、自動的に敷地内の格納庫に戻ります。セコムドローンは、お客さまの敷地内の3Dマップを持っており、それを基に最適な飛行経路を自動的に計算して安全に自律飛行ができるような技術が使われています。

■近未来でのセコムの商品やサービスの活用■
 次に、ZONE.2にある巨大な3面スクリーンの映像を見ながら、「超高齢社会を支えるセコムサービス」について、近未来のとある家族の姿を通じ、「安全・安心」なサービスと、それを支えるオペレーション体制を具体的な事例とともに学びました。例えば、電子認証フェイスフォンでは、認証されていない電話相手の画像や声を自動モニタリングで解析することで、巧妙なオレオレ詐欺被害を防止できます。また、高齢者が安心して暮らせる社会のため、安全生活サポートやヘルスケアロボットの活用、最先端技術やビッグデータとオペレーション体制を駆使したサービスなどについて理解を深めました。
 また、「近未来の国際的イベントを支えるセコム」のテーマでは、近未来に開催される国際的スポーツイベント会場を舞台に、先進の技術とオペレーション体制で、「安全・安心」「快適・便利」なセコムのサービスについて学びました。セコム飛行船で会場全体を見守り、顔認証システムによるセキュリティチェックやサーモグラフでパンデミックの予防、メディカル、防災などセコムのトータルなサービスを提供する近未来の統合オペレーション・コントロールセンターの様子も体感しました。その他にも、会場内にはセンサーがシームレスに配置され、警備員の配置や対応状況なども常に把握できるようになっていたり、AIや画像データ、ビッグデータの解析で、特定の場所に人が集中しないように適切に誘導したり、未登録のドローンが検知された場合、3Dリサーチで操作している人物を特定するプロセスを臨場感ある映像で体感しました。ここでは、小さな変化や情報を見逃さず、先を予測してパニックに成り兼ねない事態を未然に解決するオペレーションセンターの役割について、理解を深めました。

■セコムの最新技術と取り組みについて ■
 最後に、ZONE.3で東京マラソン大会の警備における「あんしんプラットフォーム・コントロールセンター」と呼ばれる統合監視センターや警備員の模擬体験を通じて、セコムの最新技術と取り組みについて学びました。センターではウェアラブルカメラをはじめ、各種カメラ画像や、警備員の配置状況などの情報を集約し、共有・展開を行います。参加者は、専用アプリが搭載されたスマートフォンにログインすることで、「〇〇警備員が配置場所に到着し、警備を始める」という報告体験をしました。これにより、個々の警備員の配置場所、未配置状況がセンターの大型モニターで把握できます。重要エリアで不審者の進入や不審物を発見した際は、レーザーセンサーが検知し、カメラで追跡した画像や、スマートフォンで撮影した画像をセンターへ送信すると、センターから各警備員へ一斉に送信され情報共有ができ、対処に当たることができます。以前は電話や無線を使った口頭での説明だったため、詳細が伝わりにくい問題がありました。このような専用アプリを搭載したスマートフォンによって、より迅速に正確に情報共有と状況判断ができるようになりました。
 他にも様々な体験を通じてセコムのサービスについて理解を深めました。例えば、東京マラソン大会では、バーコード付きのセキュリティリストバンドを提供し、専用のリーダーで読み取って本人確認を行うなど、ランナーの成り済まし防止に役立っています。 
 また、メディカル分野の「セコム・マイドクターウォッチ」という、日々の健康管理から救急通報までできるリストバンド型ウェアラブル端末も身に付けて体感しました。ボタンを押すとセコムに救急通報され、警備員が駆け付けます。なお、急なめまいや脳梗塞などでボタンが押せないときには、転倒検知機能が付いているので、倒れてから一定時間動きがない場合は緊急事態と判断し自動的にセコムに通報される仕組みになっています。
 このように、セコムでは、「困ったときはセコム」と言ってもらえるよう、お客さまのニーズに合った「安全・安心」「快適・便利」な日常を見守ります。

セコムからの説明

社会広聴会員:
新しいことに積極的に取り組む企業風土について。
セコム:
全社員に配布しているハンドブックの「セコムの理念」の中で、加点主義について述べています。新しいことへのチャレンジには失敗は付き物と考え、失敗しても、再度チャレンジできるように加点主義を奨励しています。また、2018年6月からは、セコムの理念を改めて社内に浸透させていくための「Tri-ion(トリオン)活動」をスタートさせました。社員一人ひとりがセコムの理念の体現者となり、セコムらしい組織風土やカルチャーを醸成するための全社活動です。社員は全員「Tri-ionカード」を持ち、いつでも見られるようになっています。

*Passion(情熱)を呼び起こす、Emotion(感動)を共有する、Motivation(モチベーション)
 

社会広聴会員:
海外のセキュリティについて。 
セコム:
13の国と地域でそれぞれの文化やニーズに合わせてセキュリティ事業を展開しています。当社は民間警備会社なので、日本および外国でも警備員には拳銃を持たせていません。また、警備員は市民と同様の現行犯逮捕はできますが、犯罪者が居ればコントロールセンターを通じて警察に連絡します。また、警備員の安全を守るため、どのようなときも防弾ベスト、ヘルメット着用など安全対策は厳しく行っています。
 

社会広聴会員:
現場に立つ社員の教育、訓練について。
セコム:
当社の2万人を超える警備員は全員正社員です。また、独自の教育・研修体系を確立し、多摩、御殿場、名張、阿蘇に研修センターを構え、新入社員から幹部社員までを対象とした研修を行っています。お客さまを思う気持ちと、常に1歩先を見てお客さまに安心していただけるよう、常に高品質なサービスを提供できるように、人材育成に努めています。
 

参加者の感想から

●セコムの「顧客を思う気持ち」の深さがセコム発展の原動力、継続契約維持の秘密であると感じました。 

●安全と安心を常に提供する理念に感動しました。社会の困ったことを解決する姿勢は大変心強いです。 

●警備員全員が正社員であることも、「信頼」が要だからこその考え方だと思い、大変共感しました。 

●メディカル事業が、ここまで幅広く展開されているとは知りませんでした。セコムが目指す未来像が早く実現してほしいと思いました。

●ショールームでの体験はまさに驚きの連続でした。セコムの持てる様々な技術・サービスが、幅広い分野で安全・安心を追求していることかよく分かりました。

お問い合わせ先
経済広報センター 国内広報部
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-3-2 経団連会館19階
TEL 03-6741-0021 FAX 03-6741-0022
pagetop