生活者の企業施設見学会
2019年6月5日 神奈川
企業・団体:いすゞ自動車
見学施設:いすゞプラザ

「ISUZUのすべてをつなぐ、『ISUZU WAY』を体感しよう!」 

2019年6月5日、いすゞ自動車 いすゞプラザ(神奈川県藤沢市)で、「生活者の企業施設見学会」を開催し、社会広聴会員20名が参加しました。 

概要説明

 いすゞ自動車は、1916年に創業し、国内の現存自動車メーカーの中で最も古い歴史があります。国産の高性能な自動車をつくろうという国策によって、1934年に商工省標準形式自動車を完成させ、伊勢神宮の五十鈴川にちなんで「いすゞ」と命名しました。これが社名の由来となっており、1949年に商号を「いすゞ自動車株式会社」としました。同社は、商用車メーカーとして、小型はピックアップトラックから、大型は16リッターの大排気量エンジンを搭載したトラクタまで、世界に幅広く製品を提供しています。また、他社製車両や産業用ディーゼルエンジンなども供給しています。 
 今回訪問した「いすゞプラザ」は、社会との接点や情報発信基地として2017年4月、創立80周年記念事業の一環として開館しました。この施設は、3つのテーマゾーンから成り、商用車の役割や、運ぶを支えるいすゞのくるまづくりと稼働サポート、いすゞの歴史などを紹介し、同社をより身近に感じてもらうことを目的とした施設となっています。 

見学の様子

 最初のテーマゾーン「『運ぶ』を支えるいすゞ」では、同社の成り立ちを示す年表を見ながら創業から現在までの歩みの説明を受けたあと、「いすゞミニチュアワールド」というクルマが走る国内最大級のジオラマを見学しました。このジオラマは、トラックやバス、産業エンジンなど日々の暮らしを支える同社製品と社会との関わりについて、架空の街「いすゞ市」での1日の暮らしを映す15分間のストーリーを通して紹介しています。車両665台、フィギュア3300体が設置されているとともに、CPUとバッテリー、モーターを搭載した45台のミニチュアカーが自動運転で走ります。また、車や建物などの街並みは全て同じスケールでつくられており、国内ではこのようなジオラマは同施設でのみ展示されています。 
 続いて、実車展示エリアへ移動すると、最新のトラックやバスなどが並び、それぞれ運転席や客席に乗ることができます。この中には、陸上自衛隊で使用されている6輪駆動のトラックもあり、地上から運転席までの高さや、サイドミラーの見え方など、実際に災害救助などで活躍する車両に乗車体験することができます。その他には、路線バスで使われているノンステップバスや、大型・中型・小型のトラック、日本では販売されていない海外向けのSUV(スポーツ用多目的車)なども展示され、参加者は、国内外様々な用途で展開されているいすゞ製品を見て「さわって」「乗って」体感しました。 
 次のテーマゾーン「いすゞのくるまづくり」では、どのように車両が生み出されているのか、市場調査から開発、製造、納車後のサポート、安全・環境対策など、仕事の流れに沿って分かりやすく紹介しています。トラックには、約1万3000~5000点ほどの部品が使われており、以前は手描きで設計図を作成していましたが、現在ではコンピューターで作成が可能になったことで、開発の高度化、短縮化が実現されています。クレイモデル(粘土の模型)の展示やスケッチ体験を通じて、開発における技術や工夫の一端を見ることができます。また、プレス、溶接、組立などの製造プロセスをゲーム感覚で体験することができ、特にプロジェクションマッピングを使ったペイント体験が人気です。 
 その他、トラックが安全で確実に走り続けるために先進システムを使った稼働サポートや、環境への取り組みなどを映像で紹介したり、実車のカットモデルと映像を組み合わせた車両構造の展示で、ブレーキ、エンジン、サスペンションなどのトラックの機能や構造について理解を深めることができます。そして、セーフティードライブやエコドライブを大型トラック「ギガ」で操縦できるドライブシミュレーターなど、子どもから大人まで、「はたらくくるま」について楽しく体験しながら学ぶことができます。
 最後のテーマゾーン「いすゞの歴史と未来」に入ると、目の前には、初の国産バス「スミダM型バス」が展示されています。このバスは、動態保存される日本で現存する最も古いもので、近代化産業遺産に登録されています。また、今年で誕生60周年を迎える「エルフ」の初代モデルといった戦後復興や経済成長期に活躍したトラックや、同社が初めて開発から生産までを行った乗用車「ベレル」など、ディーゼルエンジンを積んだ車両が並んでいます。これらは当時の姿にレストアされ、全て走行可能な状態で美しく再現されています。そして、43分の1スケールの精巧なミニチュアカー111台による車両年表は、うち86台がこの展示のためにデータ作成から仕上げ作業までオリジナルでミニチュアカーを製作しています。その他にも2017年のモーターショーで出展された「FD-SI」という、2030年以降を想定した未来の配送トラックのデザインモデルも展示されており、同社のくるまづくりの歴史と未来について理解を深めることができます。

参加者の感想から

 「各現場の社員が知恵を出し合って展示がつくられていると聞き、皆さんの『知ってほしい』という熱意が伝わってきました」「トラックをはじめとした産業車両を身近に感じられる工夫が随所に施されていました」「館内に陳列されている車両には、初期のトラックをはじめ、現在使われている商用車や自衛隊車両もあり、驚きの連続でした」「車両に乗ったり、さわったり、写真では伝わらない迫力を感じました」「世界各地の製造・販売・メンテナンスなどの現場からの声が紹介されていて、『いすゞ自動車』が各地域でどのように捉えられているのかを理解することができました」 

お問い合わせ先
経済広報センター 国内広報部
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-3-2 経団連会館19階
TEL 03-6741-0021 FAX 03-6741-0022
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