生活者の企業施設見学会
2021年3月18日 オンライン(Zoom Webinar)
企業・団体:日本航空
見学施設:JALリモート工場見学

「オンラインで飛行機のことを知ろう!」

2021年3月18日、生活者の企業施設見学会「JALリモート工場見学」をオンラインで開催し、社会広聴会員103名が参加しました。

概要説明

日本航空は、「空を通じて未来を考える」をテーマに、将来を担う次世代へ「空」の素晴らしさに触れることで、新たな発見やさらなる学びを得て「未来」を考える機会を提供する「空育」に取り組んでいます。
 この取り組みの一環として「JAL工場見学~SKY MUSEUM~」を開催していますが、現在(2021年3月現在)は新型コロナウイルス感染拡大防止のために休止しています。代えて、オンライン会議システムを利用した「JALリモート工場見学」を2020年11月より開催しています。今回は、社会広聴会員専用の枠を設け、全国から多数の皆さまが参加しました。

見学の様子

■航空教室■
 参加者はまず、JALグループが保有する飛行機の概要について説明を聞きました。保有する飛行機の中で一番新しい飛行機エアバスA350には、イギリスのロールスロイス社製のエンジンが採用されています。従来の飛行機と比較して低燃費、低騒音、加えて排出ガスが抑えられ、環境にやさしい飛行機であることが分かりました。
 続いて、飛行機の大きさや重さについて、イラストや動画を見ながら詳しい解説を受けました。途中にクイズを交えるなど、子どもも楽しみながら参加できる工夫がされています。「340トンもの重さのある飛行機が、なぜ空を飛ぶことができるのか」という疑問には、発泡スチロール製の模型飛行機を使った実験映像でそのメカニズムを解明しています。
 また、機内の空気が2~3分で入れ替わる換気システムや高性能HEPAフィルター(新型コロナウイルスなどの超微小物質を99.97%以上浄化できるフィルター)についても学び、航空輸送における「安全・安心」への理解を深めました。

■展示エリア紹介■

 「展示エリア紹介」では、実際の4分の1の大きさのエンジンや整備に使用する道具、操縦室の計器、お客さまに提供する食事が保管されているカートなど、空の仕事に関連する展示物のほか、1966年ビートルズが来日した際に着用して話題になった法被などを紹介したビデオを視聴しました。

■格納庫と飛行機説明■
 当コーナーでは、工場見学の見どころの一つ「格納庫」を見学しました。格納庫は、東京ドームグラウンドの約1.5倍もの広さがあり、最大で航空機6機を同時に駐機できます。カメラが階段を下りて整備中の最新型飛行機エアバスA350に近づくと、目の前に大きな機体が迫ってきました。飛行機先端部分に設置されている気象レーダー「レドーム」や地上滞在中に使用する小型ジェットエンジン「APU」、方向転換やブレーキの役割を果たす「ノーズギア」「メインギア」などについての説明を受けました。まるで飛行機を間近で見上げているような迫力ある映像が配信され、参加者は臨場感ある工場見学を疑似体験しました。
 また、総飛行時間に応じて規定されている3段階の整備について解説を受けました。1~2カ月ごとに行う「A整備」では、主に外部からエンジンや翼、タイヤ、ブレーキの不具合の有無を確認し、3~4年ごとに行う「C整備」では、客室内の壁や天井、座席などを取り外し、エンジンや様々なシステムを細部にわたって点検、整備します。さらに6~8年ごとに行う「M整備」は、飛行機における人間ドックのようなもので、客室のシートや断熱材、内装をすべて外して隅々まで徹底的に点検、整備します。それぞれの整備における実施期間や具体的な点検内容について学び、空の安全がどのように守られ、維持されているかを理解しました。

みんなのぎもんコーナー

 「みんなのぎもんコーナー」ではチャットや事前に受けた質問に答えるなど、参加者の新たな発見やさらなる学びの機会が提供されています。

社会広聴会員:
整備士は24時間交代で仕事をしていると聞きますが、どのように引き継ぎを行っているのですか。
JAL:
JALの整備士は、3交代と2交代の2種類のシフト勤務があります。エンジン交換のような複雑な作業を実施する場合は、自分の勤務時間内に業務が終了しないことがほとんどです。口頭による引き継ぎのほか、「申し送りシート」に詳しく引き継ぎする内容を記載します。作業仕様書には「作業はここまで終わりました」という意味でサインや押印をしています。
 

社会広聴会員:
飛行機にはどのような燃料が使用されているのですか。
JAL:
家庭で使用する灯油に似ている「ケロシン」という燃料が使われています。灯油と比較して純度が高く、水分が少ないため、上空1万メートル、気温マイナス50度でも凍らないという特徴があります。
 

社会広聴会員:
ペットは貨物室に入ると聞いていますが、どのような状態で入るのですか。
JAL:
JALではペットを安全に輸送する取り組みの一環として「ペットとおでかけサービス」を提供しています。ペットは、お客さま自身が用意したケージ、または「クレート」という専用のカゴに入れて、温度、湿度、照明が管理された貨物室にて大切にお預かりします。温度変化への対応が難しい短頭犬など、お預かりできないペットもあります。詳しくは日本航空のホームページで確認してください。

参加者の感想から

 「楽しい見学会でした。『航空教室』での、飛行機が揚力によって飛ぶという実験がなるほどと思わせてくれました。また、格納庫のエアバスの迫力に驚きました。翼の先端のウイングレットは、初めて見ましたが、こんな風に反り上がっていたら、速そうだなと思いました」「飛行機の構造から展示室、格納庫まで、まるで飛行機の前に居て説明を聞いているかのようで、とても臨場感があり、勉強になりました」「クイズ形式での説明もあり、子どもたちにも理解しやすかったです。特に整備の3段階について、詳しくご説明いただき感謝しています」

お問い合わせ先
経済広報センター 国内広報部
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TEL 03-6741-0021 FAX 03-6741-0022
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