生活者の企業施設見学会
2021年9月6日 オンライン(Zoom Meeting)
企業・団体:カルビー
見学施設:カルビー広島工場

「“かっぱえびせん”のできるまで」

2021年9月6日、「生活者の企業施設見学会」を「カルビー広島工場のオンライン工場見学」で開催し、社会広聴会員32名が参加しました。

概要説明

 カルビーは「私たちは、自然の恵みを大切に活かし、おいしさと楽しさを創造して、人々の健やかなくらしに貢献します。」という企業理念の下、時代とともに変化する消費者のニーズに応えた商品を開発し、新たな食の価値を創造しています。
 新型コロナウイルス感染症拡大を契機に、実際の工場見学を中止し、2020年11月より清原工場でオンライン見学を開始しました。現在は北海道・広島工場を加えた3工場で実施しています。
 今回は「やめられない、とまらない♪」で親しまれている「かっぱえびせん」を製造する広島工場を見学しました。

見学の様子

■カルビー広島工場の歴史■
 参加者はまず、カルビー広島工場についての説明を聞きました。広島工場(広島市宇品)は1949年に設立されたカルビー第1号の工場です。2006年に広島県廿日市市に移転した現在の広島工場は瀬戸内海に面し、天気の良い日には宮島を望むことができます。見学会当日も秋晴れに恵まれ、エビをイメージして建てられたピンク色の工場建物が中継画面でも目を引きました。現在では「かっぱえびせん」「さやえんどう」のほか、土産商品なども製造しています。

■ 「かっぱえびせん」のヒミツ■
 次に「かっぱえびせん」の名前の誕生秘話や、おいしさのヒミツについて教えていただきました。1955年「かっぱえびせん」の前身となる「かっぱあられ」に当時人気のあった漫画『かっぱ天国』に登場するキャラクターを採用し、「かっぱあられ」と名付けて発売したのが始まりです。
 1964年に発売された「かっぱえびせん」には、刺身で食べることができるほど新鮮な天然エビ(キシエビやアカエビ、サルエビ、チクゴエビ、アマエビなど)が殻ごと使われています。50年以上も親しまれているおいしさのヒミツも学ぶことができました。

■ 安全・安心を担保する衛生管理■
 続いて、製造現場で着用する作業服についての解説を受けました。作業者は、真夏でも長袖長ズボン、帽子を2枚着用しています。外側に被る帽子は、髪の毛が抜け落ちても工場内に落ちることがないよう、左右、後ろが長く、作業服の上着の中にしっかりと入れ込む仕様になっていて、上下ともポケットがありません。
 次に、製造現場に入る準備をする「衛生準備室」の様子を視聴しました。「クリーンローラー」で作業服をコロコロとなで、髪の毛やほこりを丁寧に除去する様子や、タイマーをセットして決められた時間手洗いを行う様子を見て、一人ひとりが徹底した衛生管理を実行していることを知りました。
 また、製造現場では異物が商品に紛れ込むのを防ぐため、ヘアゴムやばんそうこうは発見しやすい青色を採用しています。さらに金属検出機で発見できるように、中に金属の素材が使われています。こうした徹底した衛生管理によって、安全・安心な商品がつくられていることを理解しました。

■「かっぱえびせん」ができるまで■
 「衛生準備室」での準備を終えると、いよいよ製造現場へと向かいます。ここでは、製造現場からの中継を交えて「かっぱえびせん」ができるまでを見学しました。「かっぱえびせん」は、①原料を混ぜる ②蒸して生地にする ③生地を薄く延ばす ④乾燥させる ⑤カリカリに煎る ⑥味付けする ⑦計量して袋・箱に詰める ⑧出荷する、の8つの工程を経て出来上がります。
 ①②では、数種類のエビを細かく砕き、小麦粉と混ぜ合わせ、蒸して餅のような状態の「生地」にします。この生地は広島工場だけで生産され、他の工場へ運搬されます。
 続く③④⑤では、生地を薄く延ばして「かっぱえびせん」の形状にカットし、十分に乾燥させた後「煎る」工程へと移ります。煎った後の生地は何倍にも膨らみ、画面越しでもその違いを確認することができました。油で揚げずに、煎ることでサクサクの食感を実現していることも分かりました。
 ⑥では、煎り立ての「かっぱえびせん」がしお味やのりしお味に味付けされ、コンベヤー上を流れていく様子が中継されました。運搬されている途中で金属検出機を通過し、異物が混入していないかを検査します。
 ⑦では、一袋の分量に自動で仕分けることができる機械「自動計量機」が稼働している様子も中継され、参加者はリアリティーのある工場見学を体験しました。
 数日かけて製造された広島工場の「かっぱえびせん」は、九州や中国、四国、近畿地方へと出荷されます。同工場で製造された商品のパッケージ裏面には、「製造所固有記号」の横にHIROSHIMAの頭文字「H」と記載されています。製造工場を確認するという楽しみと、生産者の顔が見えるという安心感を与えています。
 工場見学ではクイズが出題されるなど、参加者との双方向コミュニケーションを実現しています。また、「かっぱパパ」「えびママ」「かっぱえびくん」などの愛らしいキャラクターも登場し、子どもから大人まで楽しめる工夫にあふれていました。

質問コーナー

 最後に、参加者からチャットや事前に寄せられた質問にも答えていただきました。
社会広聴会員:
工場内を中継中、働いている人をほとんど見掛けませんでしたが、どこで働いているのですか。
カルビー:
広島工場では約200人が働いています。機械の点検や故障時の対応、包装工程において手作業で箱詰めを担当するなど、様々な場所で活躍しています。
 

社会広聴会員:
「かっぱえびせん」のおいしさを維持するために、人の味覚による検査なども実施していますか。
カルビー:
官能検査といって、実際に食して行う検査や、工場間で味のばらつきがないかを確認する検査も実施しています。理化学検査や官能検査などを併用して、品質管理を徹底しています。
 

社会広聴会員:
廃棄物はどのように処理されていますか。
カルビー:
菓子は堆肥や飼料として、袋は固形燃料などに、廃棄物のほぼすべてをリサイクルしています。
 

社会広聴会員:
コロナ禍による生産量の変化はありましたか。
カルビー:
新型コロナウイルスの感染が拡大し始めた頃は、生産量が増えました。ご自宅でお菓子を食べる方が増えたと考えています。

お問い合わせ先
経済広報センター 国内広報部
〒100-0004 東京都千代田区大手町1-3-2 経団連会館19階
TEL 03-6741-0021 FAX 03-6741-0022
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