生活者の企業施設見学会
2022年6月14日 オンライン(Teams)
企業・団体:オムロン
見学施設:バーチャルコミュニケーションプラザ

「オムロンの歴史と技術を学ぶ」

2022年6月14日、オンライン「生活者の企業施設見学会」にてオムロン バーチャルコミュニケーションプラザ リモートアテンドツアーを開催し、社会広聴会員15名が参加しました。

概要説明

 オムロンは「企業は社会の公器である」という考えに基づき、社会課題を解決する技術・製品・サービスを世に先駆けて開発・提供し、より良い社会づくりに貢献することを使命とした経営を実践しています。2021年4月にオープンした「バーチャルコミュニケーションプラザ」では、VR技術によってオムロンの歴史と技術を紹介する施設「コミュニケーションプラザ」を、オンラインを通じて360度視点で体感することができます。
 今回は、専任の案内スタッフがリアルタイムで解説を行う「リモートアテンドツアー」に参加し、同社の社会的課題解決の歩みと現在の取り組みを学びました。

見学の様子

■オムロンの歩んできた歴史
 見学会はオムロンの歴史の解説から始まり、「企業は利潤の追求だけでなく、社会に奉仕する義務がある」という創業者 立石一真の考えのもと、同社に脈々と受け継がれる飽くなきチャレンジ精神について説明がありました。1960年には当時の資本金の4倍の金額を投入して京都市郊外に中央研究所を設立し、技術革新を担う拠点を築きました。また、科学・技術・社会の3つがお互いにインパクトを与え合い、社会を前へと推し進めていくという未 来予測理論「SINIC理論」を提唱し、未来を見据えて社会のニーズをいち早く捉え、事業を通じて社会的課題の解決を目指すオムロンの熱意を目の当たりにしました。
 そして、世のため人のため、たゆまぬ努力と研究を重ね進化し続けてきた、オムロンが誇る最先端の技術の数々を学びました。

■世界初 自動改札システムの導入
 目を引いたのは、普段私たちが当たり前に利用している駅の「自動改札機」です。オムロンは、1967年、阪急・北千里駅に世界初となる自動改札システムを導入し、当時、高度経済成長期にあった日本の通勤時における駅の混雑という深刻な問題の解決に大きく貢献しました。この自動改札機は、複数の切符の向きをランダムに通しても、全てが表向きに出てくるだけでなく、在来線用と新幹線用など切符の大きさが異なる場合には、最も小さい切符が必ず一番上にくる仕組みとなっており、一連のプロセスに要する時間は驚異の0.6秒です。1分間に80名の乗客を通すことを可能にしたこの自動改札機は、機械遺産に認定されています。
 国内シェアは50%を超えており、より安全で快適な日本の鉄道・駅を支えています。今後も駅利用者の利便性向上と駅運営業務の効率化を目指し、ソフトウエア技術の改良を進めています。

■インダストリアルオートメーション
 インダストリアルオートメーションとは、工場の自動化など人間の労働力の代わりに機械を適用することを指し、同社の主力事業です。その一例として「制振制御技術」を学びました。製造現場や配送作業中の揺れ、ずれ、こぼれなどを制御する技術のことで、水の入ったコップを揺らす実験映像では、制御無しの場合にはコップの水がこぼれるのに対し、制御有りの場合には全くこぼれませんでした。この揺れをなくす技術は、例えば私たちに身近なスマートフォンの製造にも大きく関わっており、わずかなずれで不良品になってしまうことを防ぎ、製造ラインで部品の位置を微調整しています。その他にも、薬の分量を正確に計測し配合することなどにも用いられます。また、モノを落とした際に、瞬時にかかる力を計算し、弾力を軽減、衝撃を吸収する弾力制御の技術など、人の能力を超えた制御技術が紹介されています。
 モノを揺らさず高速に運ぶこの技術を使えば、大きなロボットがミリ単位の精度で機敏に動き、大小問わずに製品を運ぶことが可能となり、高品質で安心できる製品を、消費者に届けることに役立っています。

■ソーシャルソリューション
 ソーシャルソリューションとは、社会的課題の解決によって安心・安全・快適な社会を実現することです。ここでは先進的な「ドライバーモニタリング技術」を学びました。「交通事故ゼロ社会」の実現に向けて、生体センシングの技術とAIを組み合わせ、ドライバーの集中度を検知する技術を開発。ドライバーの顔の状態を認識し、脇見運転や居眠り運転を検知、予防します。車だけでなく人を見ることで運転のサポートを行い、安全かつ円滑な自動運転の実現を目指しています。
 その他、太陽光発電システムの集中設置を可能にした多数台連系時単独運転防止技術「AICOT®」をはじめ、駅務システムや自動券売機システムが挙げられます。

■社会貢献活動、ヘルスケアへの取り組み
 1972年に「チャリティーよりチャンス」を掲げ、健常のスタッフと障がいのあるスタッフが同じ条件や待遇で働く国内初の福祉工場「オムロン太陽」を設立しました。「自社の利益追求のみならず、社会の役に立ってこそ存在価値がある」いう企業の公器性を唱えた創業者の信念を強く感じました。
 また、誰でも健康で長生きできる世の中の実現のため、1970年代より血圧計や体温計などの健康機器の開発に着手し、これまでに培った長年の血圧測定のノウハウと、センサー技術を組み合わせ、1拍ごとの血圧測定を手首のみで行うことを可能にしました。革新デバイスを用いることで、日常生活のバイタルデータ※を集約、健診情報と突合し解析することによる、予防医療サービスの提供を目指しています。「地球上の一人ひとりの健康ですこやかな生活への貢献」をミッションに、世界110カ国以上の国々に血圧計を提供しており、世界シェアは約50%、累計販売数は3億台を突破しました。
※人体から取得できる生体情報

質問コーナー

社会広聴会員:
企業理念はどのような形で事業の発展や商品の価値に反映されていますか。また、社員にはどのようにして共感を得ていますか。
オムロン:
チームごとに自分自身の仕事と企業理念との関連を考え、語り、ディベートする場を設けています。また、企業理念実践の物語をグローバル全社で共有する取り組み「TOGA(The OMRON Global Awards)」を通じて、企業理念を全社員に浸透させ、共感と共鳴の輪の拡大を図っています。

社会広聴会員:
健康寿命を延ばすにはどのような方法がありますか。貴社がおすすめする商品があれば教えてください。
オムロン:
健康に関する商品を取り扱うオムロン ヘルスケアでは、長期ビジョンに「Going for ZERO」を掲げており、世界で販売台数3億台を突破した血圧計をはじめ、体温計や低周波治療器など、健康寿命の延伸の実現を目指す製品を取りそろえています。詳細についてはオムロン ヘルスケアのホームぺージをご覧ください。

お問い合わせ先
経済広報センター 国内広報部
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